シュツットガルトから高知を経由してやって来た735形 “レトラム” が明日のイベントに向けて調整中。
スリムな車体に存在感のあるパンタグラフ、ドイツ国旗が誇らしい。幸運な巡り会いがとても嬉しい。
大阪からの帰路、乗車券を北陸回りに変更して福井・金沢を呑み潰す週末、金曜日の夕方、武生駅に降り立った。
JRの駅前からショッピングセンターを回り込むように歩くと、小さな福井鉄道のターミナルがある。
赤い「急行」の表示幕が誇らしい880形は2両連接電車、2006年に名鉄の岐阜市内線からやって来た。
夕方の時間帯は30分ヘッドで終点の田原町まで45分で疾走するのだ。北陸シリーズは先ず福武線を呑み潰す。
ひとつ目の北府(きたご)駅で早速途中下車してしまう。木造平屋建ての駅舎はギャラリースペースになっていて、
かつて使用された古い制服や車両・駅の備品などが展示されているのでなかなか興味深い。
日野川の鉄橋を渡るとめがねの鯖江市に入る。沿線の鉄道用地にコスモスが秋の風に揺れている。
鯖江の市街地を抜けると田園地帯が広がる。軌道線車両が60km/hで疾走するから、こちらも負けずに揺れる。
赤十字前駅を出発したばかりの電車がガクンと停車した。ここからは(一般道路上に敷設した)軌道線を走る。
夕方のラッシュ、乗用車をかき分けて走って来たLRTは相互乗り入れ相手であるえちぜん鉄道のki-boだ。
複線になった軌道線をゆっくりと連接電車は北上する。急行は支線の福井駅前を経由しない。
夕闇が訪ずれた田原町の1番線、行手は車止めで塞がれている。2番線は三国芦原線と繋がりLRTが乗り入れる。
福井駅前へ乗り入れる支線が分岐する福井城址大名町駅近くに、福井の地酒を堪能できる居酒屋がある。
『酒季織々 旨い肴、和み酒』ってなんて素敵なキャッチフレーズ、いやが上にも期待が高まるね。
掘りごたつ式のカウンターに腰を落ちつける。居酒屋というより小料理屋って趣がある。
カウンターの中に鈴木杏樹か麻生久美子が居て欲しいと思うのは妄想だろうか。森口瑤子も捨て難いなぁ。
地酒の品書きが気になるけど、先ずは生ビールで喉を潤す。
涼しげなガラスの器に、はまち、真鯛、さわら、サーモン、マダコと並んで、今宵のひとり呑みは始まる。
嶺北の蔵 “白岳仙”、秋限定の特別純米ひやおろし、軽快でキレのある喉越しに食が進みそうだ。
名物 “竹田の油揚げ” はパリッと香ばしい表面、ふんわり柔らかい中身、この旨味と食感にはちょっと驚き。
こういった店での酒撰びはお店の方に尋ねるにかぎる。純米縛りで若い板さんが “早瀬浦” を奨めてくれた。
嶺南・美浜の酒は海の男を納得させるキレ味鋭い辛口の酒、然すればアテは小浜の “鯖へしこ炙り” と来る。
鯖へしこは日本酒に最高のアテだね。この塩辛い糠漬けに酒は進み、過ぎたるを知りながら三杯目を択ぶ。
嶺北に戻って “常山” の純米超辛は、五百万石を醸した淡麗旨口、なるほどこういう酒があるんだね。旨い。
重なってしまうけれど “焼鯖寿司” と赤出しをいただいて、福井のうまいものを堪能する夜を〆る。満足だ。
ほろ酔いを自覚しながら、もう一度連接電車に乗る。福井城址大名町駅から最後の1区間を走るのだ。
田原町と越前武生を結ぶ福武線にあって、各駅停車だけが福井駅前への支線に顔を見せている。
街明かりに浮かび上がる青いラッピング電車が甲高いブレーキ音を響かせて、呑み人の福武線の旅は終わる。
“フクイティタン” の低い咆哮が夜も更けた福井駅前に響いていた。
福井鉄道・福武線 越前武生〜田原町 20.9km
福井城址大名町〜福井駅前 0.5km 完乗
<40年前に街で流れたJ-POP>
夢の旅人 / 松山千春 1982
最寄駅だったので おぼえています。
普段は 金沢から京都に行く
サンダーバードの通過駅に
https://blog.goo.ne.jp/tsakaegoo/d/20190226
料理旅館でかにづくし、なんて贅沢、羨ましい。
旅行の世界でいうと、関西の方に「カニ」の訴求力が大きいようです。
これから冬に向けて、🦀カニを前面に出したパンフレットが出回ります。
関東ではこうした商品は少ないようですね。
私もいつか行きたいものです。