かなり旧いけど鮮やかな真紅に塗られた旧国鉄の413系電車で能登半島を北上する。
七尾線の起点は津幡だが全ての列車は金沢が始発、この時間は高校生で満員の車内だ。
津幡駅前には火牛像がある。源義仲(木曽義仲)が平家軍を破った倶利伽羅峠の戦の故事、
『数百頭の牛の角に松明をくくりつけて敵中に放った』との逸話に因んでいる。
半島の西側を北上する。遠浅の千里浜海岸が続いているはずだが車窓からは見えない。
電車は羽咋から半島を横断して富山湾側へ抜けると七尾に終着する。
七尾線の終点・のと鉄道の起点は一つ先の和倉温泉だけど普通列車は七尾で乗り換え。
待っていた単行気動車はやはり部活帰りの高校生ですし詰め状態になっている。
そんな高校生が降り切ると列車は海岸線に出る。車窓から薄暮の入江がキレイだ。
残った3名の乗客を乗せた単行気動車が穴水駅に身震いしながら到着する。
旧国鉄七尾線・能登線から転換した「のと鉄道」は区間廃止を重ね、
現在の終点穴水駅前は輪島方面へのバスが待つだけで閑散としていた。