宇部新川駅に停車中の濃黄色の3両編成。週末は宇部線、小野田線を呑み潰します。
福岡出張の帰途、新山口駅に衝動的に途中下車、明日は土曜日だから。
自宅にエクスキューズのコール、博多駅で土産も買い込んであるし、1日延泊なのだ。
8番線に入線してきたの宇部新川行きは、クモハ123って単行電車。満員。着席不可能。
ANAホテルに投宿して街に出る。週末とは云っても地方都市の夜は早い。
企業城下町の宇部は、気の利いた店が多かな。そんな「炭匠 満」の格子戸を開ける。
1階は広々としたカウンター席。洒落たダウンライトが2席づつを照らしている。
女性を誘うには手札の1つになりそうなお店。今宵、ネクタイを外したスーツ姿でひとり。
フレンチのようなお通し、よく冷えた生ビールをゆっくり愉しむ。
"本日のお刺身" は白身のラインナップ。塩でいただいて美味しい。さすれば吟醸酒を。
地元宇部の酒 "純米吟醸山田錦 貴" は、フローラル系の香り、後味さっぱりだ。
"岩国れんこん" を焼いてもらう。味噌か塩でいただく。肉厚でやわらかく美味しい。
2杯目は岩国の酒 "雁木ノ壱" を択ぶ。パンチの効いた飲み応えがある純米酒だ。
加水せず、火入れせず、濾過せず、搾りたての原酒が美味しい。
炭火で焼いた "むかご" を抓んで杯を重ねる。〆の "五穀米みそ焼おにぎり" が絶品。
洒落た店で洒落っ気のない男のひとり酒。それでも愉しい時間でした。
ふたたび宇部新川駅、宇部までの3区間に乗車する旅の仕上げだ。
1番線には小野田行き、2番線のこれから乗る宇部行きが並ぶ。どちらも単行電車だ。
宇部興産やセントラル硝子に向けた長大な石灰石貨物列車は、2009年に廃止になった。
今では宇部線も小野田線もたった1両の電車が行き交うのみだ。
終着駅の駅舎の「白」は、この町を発展させた石灰石を象徴しているのだろうか。
偶然にも駅前に停車中のVitzが「濃黄色」をしていたのが印象に残る宇部線の旅だ。
宇部線 新山口~宇部 33.2km 完乗
かもめはかもめ / 研ナオコ 1978