札幌出張の日は大雪警報に見舞われた。確か去年もそうだった。時計台にも横殴りの雪が容赦ない。
支社のメンバーとは昨晩会食したから、今宵はひとりバスターミナル裏の「第三モッキリセンター」を訪ねる。
ガラッと引戸が思いがけず大きな音を立てる。先客の視線が一斉にこちらを射る。えっ、これ不味い雰囲気か?
身体は凍えても先ずは “生ビール”、アテに “厚揚げ焼き” ではじめる。生姜醤油でカリカリと美味しい。
赤ら顔のご常連達は最早一介の余所者には関心を寄せていない。さっきの悪い予感は杞憂に過ぎなかったのか。
横に長いコの字カウンターの中、エプロン姿の昔のお嬢さん達はこんなボクにも優しく世話を焼いてくれる。
コップ一杯の焼酎と古いアイスペールが運ばれて、ホッピーを楽しむのにかなり自由度が高い。
小さな土鍋がグツグツと “とん鍋” が登場、優しい味噌味に芯から温まる。むせたのは振りすぎた七味のせいだ。
アテは “にしんきりこみ”、これには目が無いんだよね。唯一の道産の酒 “千歳鶴” の生酒のキャップを開ける。
今日は “鮭のいずし” があるよとお姐さん。こういうお奨めには乗ったほうが良い。
沿岸部の郷土料理は、米の甘みと乳酸の酸っぱさのバランスが絶妙で、これってなかなか美味い酒の肴だ。
最後の一杯に合わせて “ザンギ”。醤油ベースの甘辛いタレに漬けこんだ鶏唐は日本酒のアテに申し分ない。
大きな荷物を抱えた親父さんがオーバーコートの襟を合わせて出ていった。夜行バスで故郷へ帰るのだろうか。
さてっボクもそろそろ。堪能した昭和な大衆酒場を出る。固まる雪を踏み締めてぶるっとくる呑み人なのだ。
<40年前に街で流れたJ-POP>
北酒場 / テレサ・テン 1982
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今年もあとわずかになりました。
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歳なので、「恋の町 札幌」の歌が頭に
そういえば 昔 雪のなか 小樽の
もう閉館していますが
「石原裕次郎記念館」にいったのも 思い出しました。
えぇ、出張先でのささやかな楽しみです。
コメントありがとうございます。
黒白赤と揃っていましたとも、ホッピー。
一方、道産の酒がなかったですね。千歳鶴の300ml以外。
赤ら顔の先輩たちが楽しく呑んでいる酒場でした。
姐さんたちの世話焼きもちょうど良い距離感で、
楽しいひと時でした。
コメントありがとうございます。
今年も沢山呑み人さんに楽しませていただきました(まだ年内ブログ更新はあるのですかね?)
私は仕事もブログも大晦日まで突っ走ります~
ちなみに今夜は自宅でホッピーです