旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

休日はローカル線で 渡良瀬橋と吹雪の舞とひもかわと

2015-09-02 | 日記・エッセイ・コラム

 「めん街道両毛線」って以前JR東日本高崎支社が小さな旅キャンペーンをしていた。
呑み鉄旅、両毛線を行く、沿線で美味い麺と酒を味わえるといい。
両毛線は新前橋で上越線から分岐、ここではまだ川幅の狭い利根川を渡ると前橋だ。

県庁所在地の前橋に敬意を表せず通過して、3つ目の駒形駅で途中下車する。
駒形には "清りょう" の町田酒造が在る。5代目、群馬県内初の女性杜氏が仕込んでいる。

早速求めてきた "吹雪の舞生貯蔵酒" を愉しむ。やや辛口のフルーティーな酒だ。

東京で見かけなくなった湘南色が桐生駅に滑り込む。織物の町は “うどんの町” でもある。
観光案内所で「桐生うどんまっぷ」を手にし街に出る。シャッターの下りた店が目立つ。
商店街は結構な規模で、昭和の時代にはさぞかし賑やかだったのだろうなと思う。

 本町4丁目の「そば蔵・桃太郎」は創業88年。
白壁の蔵を改装した店には、桃を染め抜いた暖簾。壁には猪口のコレクションが並ぶ。

桐生のうどんは「ひもかわ」という幅3cmぐらいの広い平打ち麺が有名。
しっかりしたコシの麺を、やや甘め濃いめのとり南つけ汁でいただく。なかなか美味い。

“今でも 八雲神社にお参りすると あなたのこと祈るわ” 懐かしく切ない発着メロディー。
レトロモダンな足利駅の待合室に、本人直筆のメッセージが入ったパネルが架かる。
この曲は彼女自身の作詞なんですね。いい作品です。

駅から10分ほど西へと歩を進めると史跡足利学校が在る。
シンボルの學校門を潜ると静謐な世界が広がる。足利は落ち着いた町だ。

東武線と並んだコンパクトな橋上駅、佐野駅前の噴水におしどりの夫婦が羽を休める。
それにしても大通りにも、小さな路地にも「佐野ラーメン」の赤い幟が目立つ。
佐野ラーメン会のマップには69軒が掲載されている。

精養軒では "野菜メン" が人気、生姜をきかせた野菜のあんかけの細麺が美味い。
親父さんが一杯一杯丁寧に作っているのがカウンター越しに覗える。

佐野ラーメンを食べたら終点の小山までは30分のラストスパート。
岩船山麓に実りのぶどう畑を眺め、思川の鉄橋を渡ると終着の小山駅まであと僅かだ。

 

渡良瀬橋 / 森高千里



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