旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

青い風切って走れ 相模線を完乗!

2020-07-04 | 呑み鉄放浪記

ブルーグリーンのラインを引いた電車が緩やかに右カーブして横浜線から離れて行く。
ニョキニョキと高層マンションが生える橋本を発った4両編成は、単線をコトコト生真面目に湘南海岸をめざす。

築堤や切通しをクネクネと、ブルーグリーンの4両編成は相模原台地を下って行く。
結構な勾配で台地を下り切った5つ目の下溝駅、鉄路は相模川に最も近づく。

すでに真夏の日が照りつける中、駅から3分ほど県道を歩くと「三段の滝展望広場」に眺望が広がった。
手前に大山・三峰山、奥に塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳の丹沢主脈、眼下を相模川が滔々と流れている。

南に向きを変えた相模川に着かず離れず、4両編成は青々とした水田地帯を抜けてゆく。
宮山駅を途中下車してこんもりした杜をめざす。折角だから相模國一之宮・寒川神社を訪ねよう。
折しも6月30日の「水無月大祓式」の直後、茅の輪を3回を潜って、罪穢れを払おう。

ブルーグリーンの4両編成は、いよいよ茅ヶ崎市に入って旅の終わりも近い。 

香川駅の周辺は落ち着いた住宅街、日傘をさした奥様たちが電車でお出かけの様です。
ここで途中下車するのは、湘南で唯一の蔵、熊澤酒造でちょっとだけ飲もうと思うから。

丹沢水系の伏流水で醸す "天青" は、中国の故事にある「雨過天青雲破処」という言葉からとったと云う。
敷地には酒蔵を囲むようにギャラリー、ベーカリー、和と洋のダイニングがある。
今日はトラットリア「MOKICHI TRATTORIA」に吸い込まれてみる。とは言え30分待ち、盛況なのだ。

前菜は、サーモンのカルパッチョ、自家製ソーセージ、スペイン風オムレツが涼しげな器を賑やかす。
湘南sparkling "さざなみ" は、ほのかな果実味を感じる爽やかなスパークリング、たまにはこんな酒も良い。 

"じゃがいもの冷製スープ" で一息つく、それにしても蔵を支える梁が立派で、思わず見上げてしまうな。

主菜はきつね色に揚がった "カジキマグロのコートレッタ" が夏野菜の素揚げを添えて美しい。
柔らかでジューシーな食感は、数種類のマスタードをかわるがわる比べながら美味しくいただく。
カジキマグロに合わせるチョイスは "千峰天青 生酒"、華やかな香りでフルーティーな純米吟醸が良い。

蔵元で夏限定の酒を堪能したら、相模線の旅も余すところ2駅。
今頃は期末テストなのだろうか、高校生でいっぱいの4両編成が大きく右にカーブすると茅ヶ崎駅に終着。
ホームにはお約束の「希望の轍」が流れている。

駅から南へ20分、汗が噴き出てくる。クロマツの林を抜けると相模湾が広がる。正面には烏帽子岩だ。
カラフルなセイルの群れが江の島を遮って疾走していく。青い風切って。

相模線 橋本~茅ヶ崎 33.3km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
青い珊瑚礁 / 松田聖子 1980



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2 コメント

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Unknown (1-102popra)
2020-07-12 10:19:19
こんにちは☺️
相模線も魅力ありますよね!
三段の滝広場に行きたいと思って車を川原に停めてみたことがありますが、相模川は一人で歩くにはちょっと怖くて、すぐに帰ってきてしまいました😆下溝からすぐなのですね!電車で行ってみまーす😉
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Re:popra様 (吞み人)
2020-07-13 00:36:36
メッセージありがとうございます。
東京近郊にも良いところがたくさん。
三段の滝展望広場からの眺望はなかなか素晴らしいですね。気に入りました。
素敵なところにお住まいですね。
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