古びた線路にカタカタと鳴り始める。プァーンと遠くで警笛が響く。
チカチカっと前照灯が煌めいたと思ったら、山陰からクリームと朱を纏った古びたディーゼルカーが現れた。
ディーゼルカーは黄色い絨毯の上に弧を描いて、終着駅への最後の勾配をエンジンを唸らせて登っていった。
朝日を浴びて小湊鐵道の五井機関区、新旧の車両と言いたいところだけど、旧々の車両がひしめいている。
07:59発の7列車でまずは上総牛久まで、小湊鐵道の顔ともいうべき200系は1960〜70年代の生まれ。
ディーゼルエンジンが唸りを上げるのだけれど、掛け声の割に走り出しはゆっくりだ。
春の小湊鐵道の旅は、車窓いっぱいの “菜の花” や “ソメイヨシノ” を眺められるのが魅力だ。
今日の一杯めは爽やかに “SUI GIN & SODA”、桜井ユキさんが立ち飲みでグラスを傾けるCMがいいね。
上総牛久は交換駅、上り列車の運転士から駅員へ、そして下り列車の運転士へとタブレットが手渡される。
なんだか懐かしい風景だね。後から入線した上総中野行きは只見線を走っていた旧国鉄のキハ40系だ。
飯給(いたぶ)駅は菜の花と桜のコラボレーションが楽しめる人気スポット。カメラの砲列が列車を待っている。
線路の築堤は “ソメイヨシノ” が並木となり、道床の脇では “菜の花” が黄色い花びらを風に揺らす。
養老渓谷駅を目前に車窓に広がる石神の菜の花畑、列車が走ってくると遠足の園児たちから歓声が上がり、
一眼レフと言わずスマートフォンと言わずシャッター音の拍手が単行気動車を迎え、そして見送る。
単行気動車が養老渓谷駅に到着すると、満員であった乗客のほとんどがホームに降り立つ。
石神の菜の花畑から戻っても、次の上総中野行きまでは1時間以上の待ち合わせを持て余す。
ということで駅前唯一の「あさひ屋」へ。"きゃらぶき" と 柚子味噌たっぷり “みそおでん” を肴に地酒を一杯、
IWC2019普通酒の部で銅メダルを受賞した “腰古井” は淡麗辛口な地元親父の定番晩酌酒なのだ。
名物だと云う “山菜そば” は、菜の花、わらび、たけのこ、キノコがふんだんに入って雰囲気あり。
いつの間にか花曇りになったこんな日に、ズズッと啜る濃いめの汁、温かいそばが沁み渡るね。
小さな分水嶺を越える最後のひと区間は案外と難所、旧型デーゼルカーは喘ぎながら登っていく。
水が滲み出す切り通しを25km/hの最徐行で抜け、ふたつ目の板谷トンネルを潜ると下り勾配に転じた。
元気を取り戻したディーゼルカーが軽快につなぎ目を鳴らし始めたら、まもなく終点の上総中野駅だ。
おそらく次の週末に桜は満開、“菜の花” と “ソメイヨシノ” に彩られた小湊鐵道を旅したらいかがだろう。
小湊鐵道 五井〜上総中野 39.1km 完乗
<40年前に街で流れたJ-POP>
制服 / 松田聖子 1982
明日(3/31)見に行こうと思ってるのですが、開花情報が無さすぎて困ってました。
この写真大変助かりました。有難うございます♪
こんばんは。
今日あたりは桜は満開かも知れませんね。
どうぞお気をつけてお出掛けください。
写真のアップ、楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
春いっぱいで、すこしノスタルジック。
腰古井。
千葉市内のお鮨やさんで亡き父や兄達と飲んだ思い出があります。
葉月
日本酒の銘柄って思い出を誘います。
葉月さんもいきつけのお寿司やさんでお楽しみですね。
6年振りの小湊鐵道は、いい時期に当たりました。
コメントありがとうございます。
菜の花満開と桜のコラボ、とても素敵な景色ですね
音の実況中継もリアルな感じで電車の走る音が聞こえて来るようでした(^ν^)
素敵な春の景色をありがとうございました
前から桜と菜の花の頃を狙っていました。
ようやく叶った次第です。
たまには当ページにお出掛けください。
コメントありがとうございます。
満員御礼の中を着席して一杯できたのでしょうか?
接続時間をもう少し何とかしてほしいですよね😅
私は何年も前ですが、秋に一度、その後春に筍料理とイノシシ料理を食べに行きました!
また行きたいですが、今や多分人気スポットにつき、のんびり座れないのかなあと思うと億劫感も⁉️
なんだかんだ言いながら結局どこにも行かず、家族の生活様式に同化していくのが本当に恐ろしいです😆😆😆
小湊鐵道では最近、旧国鉄の古い気動車があるので
帰りにこの車両にあたって一杯できました。
午前中の便は満員御礼で無理でした。
ほんといい季節にはそれなりに覚悟が必要です。
億劫うにもなりますね。