旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

雄山神社とサバへしこと勝駒と 不二越・上滝線を完乗!

2023-11-18 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

岩峅寺駅(いわくらじえき)の3番線に佇む14760形は、富山地方鉄道のオリジナル車両だ。
ホワイトとグレーの塗装にあずき色のラインは雷鳥色と云うらしい。
午後の日を浴びながら不二越・上滝線に乗って呑みたい。

駅からほど近い雄山神社は霊峰立山を御神体とし、伊邪那岐神、天手力雄神を祀る。
山頂が峰本社であるのに対し、ここは前立社壇(まえだてしゃだん)といって立山信仰の拠点だ。
本殿に手を合わせて、この旅が安全でありますように、美味しいお酒が呑めますように。

雷鳥色の2両編成は、雄山神社の境内を抜けるとすぐに常願寺川の鉄橋を渡る。
対岸にある大正13年(1924年)竣工の上滝発電所は国指定登録有形文化財になっている。

14760形は肘掛け付きの転換クロスシートを並べ、座席番号を示すプレート、帽子掛けなどを備えて、
かつて優等列車として運用された名残を感じる。日に焼けた座席のモケットが寂しい。
こんな車両だったら缶ビールかワンカップを持ち込みたかったけど、駅周辺にお店はなかった。

雷鳥色の2両編成は、富山市街地に向けて田園風景の中、常願寺川扇状地を下っていく。
夏草がむしたホーム、ちょっとだけ歪んだ線路、錆びた架線柱、ローカル線の旅情たっぷりだ。

月岡駅で交換する下り電車も14760形、J3カターレ富山のラッピング電車とは3度目の邂逅になる。
やっぱり広告を入れた車両は満遍なく各路線を走らせるんだね。

車窓はいつしか田園風景から住宅地に変化して、雷鳥色の2両編成は少年たちが待つ不二越駅に滑り込む。

市街地の東端を舐めるように、google mapに緩やかな弧を描くと右手に車両基地が見えてきた。
終点の電鉄富山までひと駅を残して、本線と合流する稲荷町が不二越・上滝線の旅の終わりだ。

目の前の大型ショッピングセンターが茶色の瓦を載せた駅舎に影を落としている。
夏日が続いているとは云え、9月も半ばを過ぎて確実に日は短くなっている。

“勝駒” の菰樽を並べているのは新富町にある人気の居酒屋だ。
なかなか予約が取れないから、8時過ぎにアポなし突入、カウンターの最奥に2席を確保した。

先ずはYEBISUの生ビールで乾杯。
先付けの “タコと大根のやわらか煮” が絶品。煮汁の色に染まった大根が美味しそうでしょう。

緑に輝く爽やかなラベルの “羽根屋” は、さらりと飲みやすい特別純米だ。
角氷を敷き詰めたおけに富山湾に上がった鮮魚を抓んで、酒と人情料理「だい人」の夜は始まる。

呑み人は “へしこ” に目がない。米ぬかと鯖の香ばしい香りで2〜3合は飲めそうな気がする。
“千代鶴” は滑川の酒、立山山麓早月川水系の伏流水と富山県産米で醸す小さな蔵だ。
穏やかな香りでスッキリした口当たりの純米吟醸、でも “へしこ” の相手には上品過ぎるかもしれない。

大判でふわふわの “一番だし巻き卵” が登場、箸を入れるとジュワッと出汁が沁み出て美味しい。
“勝駒” は高岡の酒だね。五百万石を醸したキレのよい純米酒をゆるりと愉しむ。
〆に “じゃこおにぎり” を頬張って、富山の山海の恵みを味わいながら夜は更けゆくのだ。

富山地方鉄道・不二越・上滝線 岩峅寺〜稲荷町 15.7km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
悲しみがとまらない / 杏里 1983



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぴあ野)
2023-11-19 06:34:26
呑み人さん、こんにちは。

「雷鳥色」の車両、良いですね~富山らしくて♫
へしこ、大好きです。
できるなら、お酒に強かった頃にであいたかったなぁと拝読w
杏里に釣られてコメントしています。
ド直球、ストライクですw

ちょっと遠いのですが・・・
拙ブログでリアクションいただいた「山のお宿」
https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/08b9983c353793c6b032dbef66dc7ed1
ライダーさんプランがあるんですよ。
実際、同世代の男性ライダー一人旅のかたも・・・
呑み人さんにオススメしたいなぁと思っていたので、ご紹介できて良かったです♫
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Unknown (呑み人)
2023-11-20 00:01:36
ぴあ野様、こんばんは。
家庭的で落ち着けそうな、ステキなお宿ですね。
今のバイクを購入してから、
まだ泊まりのツーリングしてないんですよね。
春になったら、遠出してみようかと思いました。

ご紹介いただいたお宿は、ツーリングでは難しいですが、
鉄旅なら行けそうです。豊肥本線、まだ乗っていないので。

杏里、私も好きですよ。よく聴きました。
ぴあ野さんとは年代が近いかも知れませんね。
コメント、ありがとうございます。
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