おなじみの飛鳥圭介さんのエッセイである。
「昔は良かった」は老いの繰り言。若い時は体も元気で、寝て起きればまた新鮮な一日が始まった。恋に焦れた日々も懐かしいし、何より明日への希望があった…と、寝転んで感傷に浸っていたおじさんは座り直した。「本当に昔は良かった」ことに、はっきりと気がついたのだった。
おじさんの青春時代も問題がなかったわけではない。今よりも問題が山積していたかもしれない。が、「終身雇用」と「年功序列」がまだ生きていた。
現在では、まるで前世紀の遺物か、役立たずの制度のようにクソミソに批判されるが、半世紀前までは確実に機能していた日本特有のシステムだった。一度雇用されれば、出世はともかく、定年まで勤められた。不器用で人交わりが下手な人でも、給料は年ごとに上がっていった。
それが今では、正規雇用されること自体が難しく、雇用されても成果主義とやらで心身がすり減る。若者は将来の展望も希望も持つことができない。「お先真っ暗」だ。そのくせ「一億総活躍」などと言われる。若い人が希望を持てる社会でなければ活躍のしようもない。こんな日本に誰がした、というべきか、なぜなってしまったのか!
「終身雇用」「年功序列」という言葉は、今ではすっかり死語となってしまった。この言葉が生きていたころは、みんな気持ちに余裕をもって働けただろう。世の中は平和で穏やかだったろう。が、それが今に続いていたら、果たして日本はどうなっただろうか。
首を切られる心配がないという安心感から、「努力」とか「一生懸命」、「競争心」などの言葉を忘れてしまって、ぬるま湯に浸かったような心地よさに安住してしまったら、社会や企業の発展、個人の成長はない。心身をすり減らすほどの能力主義、成果主義は賛成できないが、「やる気」を持たない人間が落ちこぼれてゆくのは当然のことであろう。
若者が将来の展望や希望を持つことができる社会であるためには、先ず「非正規雇用」から「正規雇用」へ、である。企業側は人件費削減のため「非正規雇用」を増やすのだろうが、それでは優秀な人材は育たない。人は、社会や企業から認められれば努力し、一生懸命になるものである。また、会社は「人」で成り立っている、こういう本質的なことを大事にしている会社は、おいそれとは倒産などしないはずだ。
政治家や企業のトップは、今、自分たちが今何をすべきか、じっくり考えてもらいたい。利益優先で人を粗末にしていては日本の未来も、若者たちの未来もない。与野党とも、森友だ加計だのと、金と時間の浪費はもういい加減にして、経済再生を最優先に取り組んでもらいたい。「3人寄れば文殊の知恵」というが、あれだけたくさんの政治家がいても何の知恵も出ないとは…、情けない限りである。
ところで、「有権者がアホだからアホな政治家しか出てこない」と亀井静香氏が吠えたそうだ。昔の政治家は「政治とはかくあるべし」の矜持があったと…。まさにその通り、「昔の政治家は1本筋が通っていた」と素人の私でもそう思う。良きにつけ悪しきにつけ、大物ぶりを発揮して子気味良ささえ覚えた。と言って、今の政治家の体たらくを嘆いてみても、選んだのは我々有権者である。
安倍さんの「総裁三選」はなくなった、そうみる向きも少なくないらしい。かといって、「ポスト安倍」と目される人がいるだろうか。これまで「安倍さんしかいないから…」という理由で、「安倍一強」が続いてきた。が、そろそろ政治家も有権者も考えるときが来たのではないだろうか。
あたりを見回せど「帯に短したすきに長し」です。私は石破さんの話し方に説得力があり分かりやすくて好きです。が、ナイショの話、どうにも外見がイマイチ。やはり諸外国に対しては見てくれも条件の一つかと…。
まあ安倍さんがこれからどう変わるか、見物です。今日また稲田さんの記事がでました。これでまた国会は騒々しくなりますね。いい加減にして!
対外的にも余人では不安な気もします。
彼もしっかり反省して後継者が育つ間頑張ってもらわねば・・・。第一「敵に人なし」では話になりません。
「安倍一強」が続くものと総裁3選を決めたのに、どうも危うい感じがします。まあそれでもあの旧民主党との政権交代のようにはいかないでしょう。が、果たして誰が声を上げるか、ですね。いささか小粒ばかりで…ネ。
昔と違って今は正統な理由がない限りクビにはできません。いつクビになるかヒヤヒヤしている人は、自分の働きに自信がないのではないでしょうか。
最近、政府が無償で生活できるお金を配る制度「ベーシックインカム」とやらが聞こえてきます。果たしてこれでみんなが安心して暮らせるのでしょうかネ。
「我が国には徒党は出来ても政党は出来ない」
国民其々が賢く目先を追うだけでなく、将来を見据えての選択を。
こんな環境では、若者たちは子供を作れない。老後のために貯金をしておかねば不安で暮らせない。
お金も使わなければ新聞紙同然。それでは経済が廻らない。銀行の金庫はお金で一杯。誰か借りてくれなければ銀行だってやっていけない。さてどうしたもんじゃろね。