【ズバリ誰に一票を入れたらいいのか? それは、「甘い幻想や、バラ色の未来を口にせず、国民が聞きたくない、この国の真実を語る者」です。】と、フリーキャスターの辛坊治郎氏はいう。分かってはいるけど、“真実を語る者”って誰かしらと考え込んでしまう。みんな、多かれ少なかれ耳に聞こえのいいことを言う。が、そんな中でも、実現不可能に思えるような主張をもっともらしく並べる党首には不快感さえ覚える。
政治は難しくて、分からないことが多い。分からないなら勉強すればいいのだろうが、もうこの歳になると集中力も気力も、理解力も判断力も衰えて、“勉強”の二文字は敬遠したい最たるものである。
しかし、もうそろそろ決めなくてはならない。が、新聞を読んでも、テレビの党首討論を聞いても、各党の政策には一長一短があり、この党に任せたいと思うような決定打を見つけられないでいる。経済対策については専門的なことは分からないし、各党とも同じようなことだからひとまず置いといて、現在、争点とされている、原発・TPP・消費税についての主張で決めようかなと考えている。
原発については、安全確保を絶対条件とした上で、自民党か日本維新の会の主張に注目したい。「原発ゼロ」というが、実際に原発を廃炉するにしても、現在の廃炉技術では、完全に更地に戻すまでは50年はかかると言われている。また、原発を停止したところで燃料棒は存在し、その燃料棒が放射能災害を引き起こす可能性はあるという。ということは、原発は稼動しても停止しても安全が保障されるわけではないということになる。10年以内の全原発完全廃炉という非現実的な主張ではなく、原発を再稼働しながら新エネルギーの道を探るという現実的な対応が最善ではないかと思う。
消費増税は積極的に賛成とはいかないが、長い将来を考えればやむを得ないだろうと思う。景気が悪いときに増税をすべきではないという主張も一理あるが、景気がよくなる気配は感じられない。年金の減額も決まり、介護保険の値上げなど、年々暮らしにくくなってゆくが、次世代への負担を考えれば、みんなで痛みを分かち合うことも仕方ないのではと思う。
行政の無駄を省けば財源は捻出できると、消費増税凍結、子ども手当年額31万2000円支給など、実現性に乏しい甘い公約を掲げる日本未来の党は、かつての小沢氏中心の民主党を思い起す。3党合意で決められたからには、消費税は全額社会保障に使うという約束は守ってもらいたい。
残るはTPPだが、わが購読紙の時評『賛否分かれるTPP』の分かりやすい説明に、交渉参加のメリットは大きく、参加すべきではないかと思うようになった。(要点を抜粋)
【TPPについて、日本の議論はどうか? 産業界は推進である。韓国が米国とFTA(自由貿易協定)を結んだことで、日本製品は関税がかからない韓国製品より不利となっている。これをTPPで解消したい。また、海賊版から日本ブランドを保護できるし、海外投資の際、投資先の国から技術移転や本国への送金規制などを要求されないようにできる。
一方、高い関税で保護された農業界は反対だ。農林水産省は、関税撤廃で4.5兆円の生産減少を試算し、農協は農業が壊滅すると主張している。他方、コメより生産額の多い野菜の関税は数%、花の関税はゼロだし、コメも高い価格ではなく、米国やEUのように財政からの直接支払いで保護すればよい。人口が減少し国内消費が減る中、TPPなどで外国の関税をなくし輸出していかなければ、農業は生き残れない、という議論がある。
関税がなくなるので、消費者は価格低下の利益を受ける。食品の安全規制が緩和される心配もあるが、化学的根拠があれば国際基準より高い規制を維持できるというWTO(世界貿易機構)の基本的な仕組みは維持される。遺伝子組み換え食品の表示も、同じ制度を持つ豪州やニュージーランドと連携できる。
医療業界は米国の要求により公的医療保険制度が崩壊すると主張する。しかし、公的医療保険など政府のサービスは、WTOサービス協定の対象外だ。WTO法を基に協定作りを行うTPP交渉は、法的な裏付けのない日米協議とは性格が異なる。米政府も、TPPで公的医療保険は取り上げないと明言している。ISDS条項で米国企業から訴えられるとの主張もあるが、米韓FTAでも公的医療保険はISDS条項の対象外である。
TPP交渉は来年10月の妥結を目指している。その後に参加すれば、できあがった協定を丸のみさせられる上、米国など原加盟国から例外なき関税の撤廃、サービス自由化など要求されるだけの加入交渉になる。交渉参加の締め切りが迫る中で、参加しなければ、大企業は工場をTPP参加国に移転できても、それが難しい中小企業は広大なアジア太平洋地域から排除され、雇用が失われる。】
今回ほど迷った選挙は始めてだが、迷うということは関心があるということだし、少しは勉強し賢くなったかなと…。
そろそろ決めようか・・と思いながら、決定打なしでまよっています。
トンネル事故以来、「土建屋」を喜ばす公共投資で組織票をつかむ「自民党」強いですね。でも先祖返り政治が心配になってくるし・・。目先のばらまきは、もう乗りません。
年金など身を切る覚悟で・・信頼できるところは?
迷いますね。