「国の借金」について関連記事の見出しを見比べて見ると、産経新聞では「4年ぶり減少」、フジテレビ系の記事には「前年度末に比べ31兆円増」、朝日新聞では「13年度末には1000兆円台へ」とさまざまである。一体、増えたのか減ったのか、よく分からない。
産経新聞の「4年ぶり減少」というのは「昨年12月末時点と比べ、5兆6170億円減で、借金の減少は平成21年3月末以来4年ぶり」ということである。大体、年度末ごとの数字で比較するのが通常だろうに、昨年12月末と比べるなど、なぜこんな紛らわしいことを書くのだろうか。ざっと読んでいると勘違いしそうだ。
要するに、「国の借金は2013年3月末現在で、991兆6011億円と、前の年度末に比べ、およそ31兆円増えた。そして、13年度中には1,000兆円の大台を突破することが確実」ということなのである。その点、「日本テレビ系 NNN」や「時事通信」の記事は簡単明瞭で、経済音痴の私にもよく分かる。活字離れをいわれる低年齢層や読解力の衰えた高齢者層のために、平易な言葉で書かれていて要旨が理解しやすい、そんな情報サイトがあればいいのに。全部の記事を読み比べていたら頭がこんがらがってイヤになったが、皆さんはどう思われますか?
●「国の借金」991兆円 4年ぶり減少 3月末 (産経新聞)
財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」が、3月末時点で、991兆6011億円だったと発表した。前回発表した昨年12月末時点に比べ、5兆6170億円減った。借金の減少は平成21年3月末以来4年ぶり。政府が一時的な資金不足を補うため発行する政府短期証券の残高が昨年12月末から16兆991億円減少したことが寄与した。その一方、国債の残高は、9兆3223億円増え、821兆4741億円で、過去最高となった。
国の借金は、経済規模を示す24年の名目国内総生産(GDP)の475兆円の2倍超。総務省が推計した4月1日現在の日本の総人口(1億2734万人)で割ると、1人当たり約778万円の借金を抱えている計算になる。
●国の借金残高、およそ991兆円に 前年度末に比べ31兆円増 (フジテレビ系 FNN)
財務省は、国の借金残高が2013年3月末現在で、およそ991兆円になったと発表した。財務省によると、国債や借入金などをあわせた国の借金残高は、2013年3月末現在で、991兆6011億円と、前の年度末に比べ、およそ31兆円増えた
政府が、一時的な資金不足を補うために発行する「政府短期証券」の残高が減ったため、過去最高だった2012年12月末からは、およそ5兆円減っている。一方、国債の残高は、821兆4741億円と、12月末からおよそ9兆円増えた。
●“国の借金”年度末に1100兆円突破へ(日本テレビ系 NNN)
財務省は10日、国債や借入金、政府保証債務の「国の借金」が3月末時点で991兆6000億円になったと発表した。これは、人口一人当たりでは約779万円に相当する。
政府は、13年度予算案では新たに国債を約43兆円発行することにしており、国の借金は13年度末には1107兆1000億円となる見込み。
●国の借金、991兆円 13年度末には1000兆円台へ(朝日新聞デジタル)
財務省は10日、2012年度末の国の借金残高が前年度末より31兆6508億円多い991兆6011億円になり、年度末では過去最大を更新した発表した。安倍政権は景気回復を優先し、今年1月に約10兆円の経済対策に踏み切ったため、借金がさらにふくらんだ。13年度末にはついに1000兆円の大台を超える見通しだ。
借金の内訳は、政府が投資家から借りるために発行している「国債」が821兆4741億円(前年度末より32.1兆円増)、金融機関からの「借入金」が54兆8593億円(同1.1兆円増)、為替介入などの資金をまかなうために発行する「政府短期証券」が115兆2677億円(同1.6兆円減)だった。
借金が大きく増えたのは、12年度当初予算で44兆円の国債を新たに発行したのに加え、安倍政権が経済対策のために12年度補正予算で7.8兆円の国債を追加発行したからだ。借金返済などと差し引きして30兆円を超える増加になった。
●「国の借金」991兆円超、5兆円ほど減る(TBS系 JNN)
国債と借入金などを合わせたいわゆる「国の借金」は、この3か月間でわずかに減少しました。それでも990兆円を超える巨額の規模にとどまっています。
財務省によりますと、今年3月末時点の国債と借入金、それに政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高は991兆6011億円でした。過去最大だった去年12月末時点と比べると、5兆6170億円減ったことになります。
これは、政府が一時的な資金不足を賄うために発行する「政府短期証券」の残高が減少したことが要因です。国の借金が減少するのは4年ぶりですがそれでも国民1人が抱える借金はおよそ779万円に上っています。また財務省の試算では、今年度末時点の国の借金は1107兆円に達して初めて1000兆円の大台に乗る見通しだということです。
●国の借金991兆円=12年度末時点―財務省(時事通信)
財務省が10日発表した2012年度末時点の国の借金残高は、前年度末から約31兆円増え、過去最高の991兆6011億円となった。借金の膨張に歯止めがかからず、13年度中には1000兆円の大台を突破することが確実となった。
国の借金は国債と借入金を合計したもので、国債が約821兆円、借入金が約55兆円、政府短期証券が約115兆円だった。
財務省はまた、借金とは別に政府保証債務の残高も公表。前年度末から9061億円増え、44兆9458億円となった。
昨今は、新聞は斜め読み、興味をひく見出しの記事だけ読むというありさまです。
ただ、読んでどうにも理解できない記事に関しては、納得できるような他の記事を探して読み比べます。
購読紙は地方紙1紙ですが、ネットで4大紙の記事が読めるのはありがたいですね。
でも、専門用語が多くてなかなかスーッと頭に入らない記事が多くて、若者の新聞離れも分かります。
最近は子ども新聞がありますが、あのレベルでも十分世間は理解できますね。
1紙だけの記事を見ただけで、それで世間が分かったつもりは危険ですね。