つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

会社の業績と役員報酬は別?・・・

2010-07-11 | どう思いますか
 毎年6月になると、数社から株主総会開催通知が送られてくるが、今まで一度も出席したことはない。株主総会がどんなものか興味がないわけではないが、わざわざ旅費を使って東京まで行く気にはなれない。欠席の場合は、各議案に賛成・反対の議決権の行使が求められるが、その回答のハガキすら送り返すこともまれである。決算報告書も、損益計算書を見て収益が赤字かどうか、配当があるかどうかを見るくらい、役員報酬額は総額が計上してあるので個々の額など知る由もない。
 ところで、今年3月期決算から、上場企業で年間1億円以上の役員報酬を受けた役員氏名や金額を有価証券報告書に記載することが義務づけられることになり、該当する企業の役員名と報酬額が開示された。下記の表は6月29日までに開示された“有名企業”の役員名と報酬額である。

 一体、この開示の狙いは何だろう。そもそも役員報酬は、「役員(取締役)の給与・賞与などに関しては、年間総額の上限を定め、株主の承認を得る必要がある」という法律に基づきすでに株主の承認を得ており、その上限を超えない限り株主総会の議題になることはないという。金融庁は「業績に見合った報酬を経営陣が得ているのかどうか、株主や投資家によるチェックが働く」という観点から開示は必要だという。すでに株主の承認を得ているものはどうしようもないが、開示することで株主の目を意識して1億円以内に抑えようという動きが出てくればよしというところだろうか。
 しかし、有価証券報告書の提出が必要な上場会社ではない場合、役員報酬が1億円以上だったとしても開示の対象にはならないそうである。たとえば、サントリーや竹中工務店などは非上場の同族企業なので、役員報酬が1億円を超えていても開示の必要はないのである。竹中工務店は知らないが、サントリーの役員報酬は推して知るべしであろう。
 日本企業の役員報酬は欧米の企業に比べると低いそうだが、表中の自動車や電機などの製造業は2年前には業績不振を理由に大幅なリストラ、派遣切りをしているのにおかしな話である。また、表中の大手金融機関などは収益が赤字でありながら、役員らが1億円を超える報酬をもらっているのも解せない。民間サラリーマンの年収はほぼ一貫して下がり続けているというに、これらの会社の社員はどう思っただろうか。。

 余談だが、20数年前のこと。社長が一代で築いたある進物会社で土日祝日だけアルバイトをしていたことがある。バブルがはじける前の景気のいい時代で、夏か冬のボーナス時だったか定かではないが、普段では考えられない額のボーナスが支給された。土日祝日だけのアルバイトの私にボーナスなどあるはずもないのに、たしか20万円もらったと記憶している。もちろん正社員の営業マンは100万円以上もらったと聞いている。業績がよくて相当な利益が出たそうだが、普通なら同族会社だから役員だけで分配してもわからないだろうに、税金で持って行かれるくらいなら社員に分けてやろうという社長の考えだったという。
 「会社は人なり」。よく聞く言葉だが、昨今はそういう心意気のトップは少なくなったのではないだろうか。
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2 コメント

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役員 (おくだっち)
2010-07-12 09:14:42
おはようございます。
私の会社にも、かなりの数の役員がいますが、現場の社員数が半分近くに減っても役員数は殆ど変わりませんね。
おまけに引退した後も影響力が強く、私の事業所に遊びに来たら所長、副所長がずっと付き添って対応していますが迷惑なことです。
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Unknown (オールドレディー)
2010-07-12 09:27:56
♠おくだっちさま
トップが大株主の会社ならともかく、株式会社の役員は株主の承認で決まります。その役員の報酬が業績にかかわらず高額のままというのはどうにも解せません。
決算ごとに役員報酬を議案にあげ、株主の承認を得るようにできませんかね。

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