自分の死後、家族が困らないようにと、ほとんどの人は生命保険に入っているが、遺言書を書いている人は全体の2割にもならないそうである。遺言書というと、死を前提にして縁起でもない、そう思うのだろう。が、どちらも遺された者が困らないように、という愛情と配慮であることに違いない。
先日、「認知症」になると本人名義の預貯金口座が凍結される場合があることを知った。死亡すると本人名義の預金口座は凍結され、お金を引き出せなくなるのは知っていたが、「認知症」でも口座が凍結される場合があるとは知らなかった。
しかし「認知症」になって口座が凍結された場合は「成年後見制度」に頼るという方法がある。「認知症など精神上の障害により判断能力が不十分で、意思決定が困難になった場合、その判断能力を補い、財産などの権利を擁護する」のが成年後見制度で、親族が後見人になれば、口座凍結にあっても介護費用を本人のお金から出すことができるそうである。
銀行は、親族間の相続トラブルに巻き込まれることを避けるため、名義人の死を知った時点でその口座を凍結する。普通、役所に死亡届を出しても、役所から銀行に連絡することはない。また、生命保険は契約者が死亡したことを伝えても口座凍結には関係ない。が、保険金が口座へ振り込まれると銀行の知るところとなり口座は凍結されることになる。
ちなみに、口座凍結を解除して預金を下ろすためには相続人全員の実印、印鑑証明書及び戸籍謄本、そして相続人を特定するために必要な戸籍謄本が必要となる。そういった面倒なことにならないように、生前に遺言書を作っておくのが一番である。
遺言は口約束でも法的には有効だが、私の場合、後始末を頼む姪が困らないようにと、最初は自筆の遺言書を作った。だが、マンションの相続や、本人でないと解約できない各種手続きなどがスムーズに行えるようにと、2012年8月、姪を法定相続人に指名して公正証書遺言に作り直した。
大仰すぎると思ったが、遺言で法定相続人を決めておけば、銀行口座が凍結されても公正証書遺言を提示すれば解決できる。すべての手続きがスムーズにいけば姪も助かるだろう、単にそれだけのことである。
公正証書遺言作成は町内の行政書士に依頼した。作成には証人2人が必要で、1人は行政書士本人、もう1人は彼の知人弁護士にお願いした。
岡山市の公証役場へ行って手続きの時、担当の公証人に「スズメの涙ほどの財産で公正証書遺言なんて恥ずかしいのですが…」というと、「いえいえ、遺産が100万円でも作られますよ」という。何と、遺産がたくさんあればそれほどもめないが、少しだとより多く自分のものにと、返ってもめごとの種になるそうである。人間の心理って不可解だネ。
作成に掛かった費用は、公証役場で35,000円、証人を依頼した弁護士への礼金10,000円、行政書士への謝礼金55,000円、計100,000円。自分でやれば半分以下で済むらしいが、手続きの煩雑さを考えれば致し方ない。
ほかに、死後の後始末についても書き残して遺言書と一緒に保管しているが、それを姪に見せると、こんなに詳しくまとめてくれていたら助かるわあ…だって。
永代供養墓の生前予約もしてあるし、これで死に支度は準備万端! が、周到に死に支度をした人ほどなかなか死なないと聞いた。はてさてどうしたものかネ。
主人に任せっぱなしでしたが、もう面倒な
ことは起動力がなくてもっと早くアレコレ
聞いておくべきだったと後悔しています。
費用もバカになりませんね。
準備万端、でも長く生きると書置きの変更が増えます。死んだ後のことは何がどうなろうと関係ないのに、終活なんて無駄なことかも…そんな気もしています。
あの世への旅はいつでもOKですが、なかなかお呼びがかかりません。あの世でもこの世でもお邪魔虫なのかも?