むき出しになった茶色の山肌、私のウオーキングコースだ。そこから左へ少し行くと日生諸島の海が広がる。見上げると、結構高いネ。
28日に起きた京都の「保津川下り」遊覧船事故のニュースに、昨年4月に起きた「知床遊覧船沈没事件」を思い出して、一瞬、背筋が寒くなった。あの事故では乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明。いまだ6名が消息不明のままである。
今回、船頭2名の死亡は痛ましいことだが、乗客全員無事だったのは不幸中の幸いといえよう。流れは速いがそう深くない川だったから助かったのだろう。これが海だったら大惨事になっていたかも…。
しかし組合の話では、事故後、後続船が無線機で組合事務所に連絡しようとしたが、渓谷では電波が悪く、消防への通報までに20分かかった。地元消防によると、船から投げ出された乗客は、救助されるまで最大で400m流されたという。乗客7人が軽い怪我をしたそうだが、これだけで済んで本当によかった。
私も10数年前、5月末か6月初めの暑い時期だったと思う。親友と2人、京都市内観光と保津川下りの下船場周辺にある温泉で1泊するツアーに参加。16キロの長さの川を竿だけで下る保津川下りはスリル満点、涼しい川風を浴びながら深緑の絶景を楽しむ。想像するだけでもウキウキした。
乗船するとき、乗客全員に白いビニールのカッパが配られた。なぜカッパが必要なのか、乗船してみて分かった。急流を下るときはすごい波しぶきで、カッパを着てなかったらずぶ濡れになってしまうからだ。
船頭さんは船首に2人、船尾に1人いた。曲がりくねった狭い川筋では岩に衝突しないように、竿で岩を突いて方向転換させる。その岩を突くタイミングがほんのちょっとでもずれたら、船はたちまち岩に激突する。あの時の船頭さんの竿さばきの技は見事だったなあ。
船が揺れて大きな波しぶきが上がると、みんなキャーキャー悲鳴を上げていた。私たちは一番前に座っていたので避けようがないから、顔までびしょ濡れ、スッピン同然になった。京都の夏は蒸し暑い。川下りで涼しくなると期待していたのに、ずっとカッパを着ていたから暑かった。
保津川沿いには亀岡と嵐山を結ぶトロッコ列車が走っている。ちょうどタイミングよく船と並走、双方の客が手を振り合っていた。トロッコ列車の方がよかったかなあ、思ったりもした。
当面の間、保津川下りは運航中止、運航再開は未定とか。これから連休を控え、観光客でにぎわうときなのに…。楽しみにしていた人も多かろう。
一歩外へ出たら、いつどこでどんな事故に遭うかわからない。運・不運は紙一重! 天に任せてどうにかなるものでもないし…。
天国から地獄へ真っ逆さま。
美しい景色も美味しかった食事も一瞬にして悲劇となる。
運、不運は紙一重 仰る通り
誰も不幸を望んで行動しているわけでは無いのにね
保津川下りはこれからが絶好期、緑したたる山間を船頭さんの竿が急流を見事にさばく
何度か乗船したが幸い事故も無く楽しい思い出だけで幸運に感謝
船の大小にかかわらず操縦は人の腕次第。が、どんな優秀な技の持ち主でも長くかかわれば慣れが生じます。その慣れがどんなアクシデントにつながるか、こればかりはだれにもわかりません。
どんな遊びにも危険はつきもの、とはいってもスリルがあるから余計にやりたくなるのでしょうね。遊びも命がけ?