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上顎のインプラントの事故の代表が、上顎洞に迷入させてしまうものです。
今回の症例も正にそうでした。
インプラントをソケットリフトで植立後、無事にオッセオインテグレーションし、被せて治った筈でした。
それが暫く経ってから、何かおかしい、と言うことでパノラマ写真を撮ってみたら、ビックリの状態になっていたのです。
とても不思議なのですが、インプラントが180度回転して迷入してました。
このような理解するのが難しい事故が現実にあるのです。
一般的にこのような事故のリカバリー手術は大変難しいもので、大きな手術になり、時には全身麻酔まで行われかねないものです。
しかし、私はCTを活用して、横から少しだけ切開する方法でやるやり方を編み出して、痛くない腫れない低侵襲オペで助けました。
コツは患者さんが座位でいてもらい、我々は覗き込む姿勢でやる、と言うことです。
この全く新しいリカバリー手術は、私が創意工夫してやり始めたものです。
最大の利点は、患者さんが楽に治る、腫れたり痛んだりさせない、と言うことです。
普通ならこのような大きなリカバリー手術は、大変侵襲が大きく患者さんが辛い思いをされるからです。
なので、私は辛い思いさせない低侵襲オペでやります。
しかも、それが結果的に治りも早めるのですから、一石二鳥なのです。
何故なら、体を殆ど傷付けないからで、傷が小さいから生体の治癒妨げず早く治るのです。
今回PRDに参加して色々学びましたが、私の考えるような低侵襲な手術は皆無でした。
海外問わず、10年以上前から私がラム先生から授けられたような低侵襲手術は一向に広まりません。
こんなことではいけない、もっと低侵襲手術を広めねば、その思いを更に強く抱きました。