この患者さんは、定期検診でインプラントブリッジ部がおかしいと言われ、パノラマレントゲン写真を撮ったらインプラントがサイナス上顎洞内に反転して迷入しているのを発見してしまって、リカバリーして貰えないか、と言うことでご紹介をいただいた方です。
何故反転しているのかが非常に不思議ですが、多分接着剤が緩んで噛む力が強くて入り込み、何かの拍子に反転して落ち着いてしまったのだろう、と考えます。
このような事故はリカバリーする場合、非常に大きな術野を作って、やはり大きな手術をしないと出来ない、そして腫れ上がったり痛んだりして大変な思いをさせられる典型的な治療になります。
ただでさえ、インプラントのトラブルが起こって嫌な思いをしているのに、リカバリーで又更に大きな手術されて嫌な辛い思いをさせるのは非常に気の毒なことです。
そこで、私は最低限の侵襲でリカバリー手術をする治療計画を立てました。
手術直前の状態を拝見すると歯茎が綺麗に治ってしまっているのが見て取れます。
なので、3DXCTレントゲン写真で立体的位置を把握し、この辺りだろうと言う部位だけに切開を入れ、そこからサイナス上顎洞内にあるインプラントを取り除きます。
その写真が、歯茎からインプラントのネジが出ている写真です。
その隣りが取り出したインプラントです。
こんな小さい切開、傷口作るだけでインプラントを取り出せるのが最低侵襲手術である、と言い切れる自信の源です。
通常は上顎の歯茎殆どを切開剥離して骨を露出させて手術しますので、術野の大きさは10分の1以下でしょう。
当然、その分患者さんは非常に楽です。
勿論、腫れとか痛みは出ません。
そして、このリカバリー手術をして直ぐにインプラント植立手術もしてしまいます。
そうすることで1回限りの麻酔、手術で終了出来るからです。
インプラント植立は、今回噛む力に負けて迷入したと考えていますから、1本増やして植立しました。
縫合の白い糸が見えているのが、植立直後の写真です。
この写真でも、最低侵襲手術出来ているのが見ていただけると思います。
インプラント植立に必要な部位にだけ切開入れて、植立されています。
その直後に撮ったパノラマ写真が一番最後の写真です。
綺麗にサイナスリフトされていて、インプラントも2本、並行性にやや難がありますが植立されています。
その後は、紹介先の先生に医院に戻っていただいて半年ぐらい待って、無事補綴被せモノをされています。
これが最低侵襲インプラント手術です。
これだけ小さくリカバリーする症例は、私自身では不勉強かも知れませんが、世界、日本の学会、セミナー等でも見たことがありません。
患者さんの苦痛、嫌な思いを最低限にする、最高最善のインプラント治療を追究し続ける、それがKMインプラントセンターのポリシーです。
手術は怖い、腫れるのは嫌だ、長く辛いのは耐えられない、歯がないなんて有り得ない、そう言う強い願いのある方こそお越し下さい。
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松元教貢即時荷重インプラント専門書著者 @mgenchan