電話で相談に乗って貰いたい患者さんに私が言うことは二言だけです。申し訳ないのですが、拝見しないと分かりません。なので、来られるお約束をお取り下さい。電話だけで全部分かるのは占い師。相談に乗るのはカウンセラー。我々は手を動かす技術屋。実際に診て、指先で触れて色々調べて初めて分かる。
徹底的に調べ、緻密に計画立てても、実際の状況は違う!と言うことを、患者さんはご存じない。プロだから何でもかんでも分かる、と誤解している方がとても多い。そう言う患者さんは、殆ど技術関係の仕事とかに縁の遠い方々だ。技術の仕事に関わられている方は話が早い。実際診ないで答える何てしない。
電話だけで熱心に聴かれても、こちら側はスタッフ1人取られるし、何も収入にならないボランティアだし、口開けてる患者さんがいるなかの割り込みだし、良いイメージは抱かせない。実際に動く、来る予約、約束だけ取ろうとされる方が一番分かってるなー、と感心させられる。そう言う方は、技術関係者。
うちで手術とか受ける患者さんは、大抵1ヶ月以上前、忙しい方は3ヶ月前からその日
時間を押さえて下さっている。そんな中、電話がリンリン鳴り、手術に集中してるスタッフの注意が散漫になり、手も取られるのだ。だから、今大丈夫ですか?と必ず気遣いしていただきたい。人としての大切なマナー。
暇で時間あるから電話取る訳ではない。リンリン煩いから、音止める為に出るのだ。それを掛けている方は、出たら話せると思われているようで、勢い込んで話し始めたりされる。失礼だが、ご自分のことだけで一杯一杯なんだろう、とは理解は出来る。しかし、向こう側がどんな状況なのか、決して見えない。
取り込み中の所ではないかどうかは、電話で相手が見えないのでは分かりようがない。掛けた側が、分かろうとする努力をされるしかないのだ。相手を気遣う。見えないのだから尚更。出なければ良いだろうと言うのは、無理。リンリンと実際に煩いのだから。BGMになるように設定していても、変わらない。
そんななので、うちではスタッフが電話直ぐに出ても、少々お待ち下さい、とか今大変なのでお話伺えないです、と最初に伝える。クールに感じる方は感じるかも知れないが、止むを得ない次第。”事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ!”だから。現場第一主義これは絶対に譲れない。
自分が患者さんで、口開けて頑張っている時に、DRが重要な電話だからで待たされたら、どう思うだろうか?私なら絶対にそんなことはしない。現に父が倒れた時も、手止めないで仕事片付けるまで連絡しなかった。幸い一命取り留めたが、万が一があっても仕方がないと覚悟は出来ている。そう言う職業だ。
手を動かす。我々の仕事は究極的に言えば、それに尽きる。流れ作業では絶対に出来ない。その場その場で現場の状況に合わせ、即断即決して、手を可及的に早く動かす。その繰り返し。知的判断と手動かす作業の連続で、常に気が休まることはない。そうは言いながら、オヤジギャグ飛ばしながらするのが私流
オヤジギャク飛ばし捲りながら手術するのは、緊張が周囲にまで波及して逆効果になることを防ぐ為。弓の弦は張り詰め過ぎていては決して遠くに飛ばせない。適度な張りがベスト。車のハンドルにも遊びは絶対に必要。遊びのないハンドルは重過ぎて使えない。緊張を楽しみながら、仕事するのが私の理想だ。
台風の影響?着陸時揺れた。パイロットは凄い。プロの仕事だ。どんな状況でも結果出す。梵天丸も斯くありたい!
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