総義歯治療で難しさを感じるのは咬合採得、と言うのを見たので、私なりの解決方法の提案を書かせていただきます。
咬合採得をちゃんとするには、痛くも何ともない咬合床が絶対に必要です。
それも、臼歯部、そうですね5番相当部位かな、をしっかりと咬合力掛かる方向へ押して、私は人差し指で引っ掛けて開口方向へグーとかなりの力で押すんですが、それでも痛くない咬合床を作製出来ていないと決まらない、と思います。
そう言う咬合床を作製するには、しっかりとした研究用模型が印象出来てないといけなくて、それには、アルジネートの2重印象、重ね塗り印象が有効です。
アルジネート重ね塗り印象は、成書にあるので割愛しますが、(しない方が良いようなら、コメント欄で書くように指示下さい)顎堤にアイロン掛けしたような大き目の広い印象が取れないといけません。
ここが出発点です。
で、咬合床のデザインですが、ロウ堤付けないで顎堤に乗せて、開閉口で持ち上がらない程度の大きさ、にするべきです。
多分、総義歯が苦手な方ほど大きいと思います。
意外に小さいし、えっと思われるほど細かったりするんですよ。
開閉口で、持ち上がらない、動かない咬合床作って、でも歯槽頂のレジンは厚み持たせて、頑丈さを保証しないといけてません。
これが案外難しいかも知れないですね・・・
で、そういう咬合床のポイントは、臼歯後隆起を見抜けるか?覆えているか?です。
他は、まあ良いと思ってて下さい。
臼歯後隆起のポイントは?
簡単です、触診すれば良い!
患者さんに、ポカン程度の開口お願いして、上顎結節人差し指で触診して、そこからその奥に連なる上下顎結ぶ縫線を指を反転させて、指の腹下に向けてなぞって下顎の奥グニッと触れる所。
そこが、総義歯が苦手な方が見抜けない下顎の臼歯後隆起!
ここをちゃんと2分の1程度は覆わないと、咬合力負担出来る総義歯は作れません。
で、咬合床自分でオストロンとかでちゃんと作ること!
頑丈でいながら、床縁はぶ厚くなくて、顎堤に乗せて動かないのを作る!
ここから、チャンとした咬合採得が始まります。
で、痛くなくするには?ですが。
これも簡単!
ちゃんとフィットテスターとかで内面調整すれば良いだけ!
何回かすることになるでしょうが、必ず毎回同じように押して、フィットテスターで内面の当りを取る。
ただこれだけのことです。
どうしても、痛がって駄目だ、と言う患者さん相手の時には、固練りのテッシュコンディショナーでok!
テッシュコンディショナーなら、抜けてる所が痛むところなので、そこくり抜いて、そこだけのテッシュコンディショナー重ね塗りすれば良い!
ハイこれで、必ず痛くなくて入れてられる下顎の咬合床が作れました!
で、これ使って、患者さん自身に練習していただきながら、低めの設定からやや上げて行く形で咬合採得、咬合高径決めれば良い。
咬合高径の決め方は?
これも簡単、お顔を見る、それだけのことです。
これで、良いかなー程度まで上げて、最後に咬合床内面にシリコーン印象材入れて印象すれば、ハイこれで咬合圧印象!です。
そして、人口歯配列したの使って、咬座印象へ!
大事なポイントは床を大きくし過ぎない、臼歯後隆起を覆う、ですよ。
凄くポイントだけ掻い摘んで書きましたが、参考になれば幸いです!