高齢者医療の鍵って、患者さんに苦痛を与えないこと、安らかな人生を送っていただくこと、に尽きるのではないか、と言う思いが益々強く成って来た。
治せますよ、でも手術とかに耐えて下さいねとか、噛めるようになるまで暫く辛抱して下さいね、と言うのは出来る限りなしにしなければならないと、と言う思いが本当に自分の中では大きくなっている。
自分が年取って来ているせいもある、と思うのだが、今のインプラント業界の中の風潮で、骨造れるとか、直ぐに噛めるとか、それは出来ますけど、実際にして見たら仕上りはずっと先ですよって、患者さんの人生をどう考えているんだろう?って思ってしまう自分がいる。
AO、AAP、PRDに参加し続けているけど、そのことに関しては、欧米人はあまり関心がないらしい。
まあそうは言いながらも、グラフトレス、即時荷重、と言う流れもあるけど、これが又実態見るとうんざりするようなモノで、奴等と来たら平気でグッドリザルト、とのたまわってくれるから、ハ―――ン???だったりしてる。
で、つくづく思うのが、インプラント業界は腐ってるなー、と言う現実・・・
真っ当なのは20%もないだろう・・・
そんなこと言い出したら、高齢者医療の世界だって、まともな義歯一つ造れないDRがそう言う所に行かされてたりするから、傍から見てて嫌になる・・・
これじゃ、患者さん達、国民の信頼何て、業界全体で得られる筈ないよ、と悲しくなる・・・
どうしたら良いのか?私にも分からないけど、頑張り続けるしかない・・・
真面目に頑張っている良識ある人が、報われる社会にするにはどうしたら良いのか?
難しい問題だ・・・
結局、自院に来て下さって治療受けて下さった方々の、長く平安な人生をお守りするしか出来ない。
有り難いことに、開業20年になり、20年平安を保つことに役立たせていただいた方が、次々と出て来てくれているし、寿命が終わるギリギリまで機能を守らせていただけ、寝たきりになってしまうとか胃ろうになってしまうとかの患者さんは、殆ど経験することなく来れている。
小さな診療所で大した数でもない経験でしかないが、歯科医療がしっかり関わって差し上げると、どうやらその方をかなり自分の人生を全うさせて差し上げられるらしい、と明言出来るかな、と思う。
昔は、歯科はターミナルとか究極の所に関われない、と思っていたりしたけど、ここ10年位から、否歯科こそが関わって差し上げて、その患者さんの人生好きなように生きるお手伝い出来るんじゃないか?と考えるようになって来た。
その鍵握るのが、冒頭に書いた辛いことしない、長く待たせない、だ。
私の出来ることなんて小さいことでしかないけれど、でも受け継いだバトンは次代に渡し、何処かで花咲かせてくれる、と信じて淡々を進もう・・・