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インプラント治療と歯周炎 インプラントするなら歯周炎を治すのが鉄則です。

2017年10月04日 | 日々のインプラント臨床の話

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残念ながら、インプラントは特別なモノと思われているらしく、歯周炎の影響を強く受ける、と思われていないようです。


しかし、それは間違っています。


インプラントは顎の骨を支えにして、歯茎貫いて、人工歯冠を支えているモノにしか過ぎません。


歯茎を貫いて骨に支えられてるんですから、その歯茎、骨に問題が生じたとしたら?


つまり、歯周炎と同じような病気がインプラントの周囲に起きたら?


そうしたら、やはり天然歯の周囲に歯周炎が起こるのと同じように、インプラントにも周囲炎が起きて、歯茎が炎症を起こしますし、骨が溶けてなくなります。


インプラントだから、高いお金払ったから、万能なモノで何ともない筈だ、と言うのは全くの間違いです。


歯周炎になって駄目になるなら、インプラントしても意味がないのか!とお怒りになる方もいるかも知れません。


でも、私は敢えて言います。


インプラントになる、つまりは自分の歯を何らかの原因で失うことになったのは、誰のせいですか?と。


日本人が歯を失う最大の原因は、歯周炎です。


歯周炎で歯を失い、欠損を補う為にインプラントがある。


と言うことは、その部位は元々歯周炎が悪かった場所ですよね、と。


そう言う部位にインプラントするんですから、歯周炎の菌がそこには住み付いている筈ですよね、と。


それを、特に治療もしないで、メインテナンスもしないで、インプラントだけしても、歯茎の炎症は起こるでしょうし、骨も溶けるんじゃないでしょうか?


結論的に言ってしまうと、患者さん自身の日常生活習慣によって起きるのが、歯周炎じゃないですか?


その原因を解決しないで、インプラントすれば良いと言うのが違ってるんです。


9月にAAPボストンアメリカ歯周病学会にも行って来ましたが、現在インプラントするなら、基本ベースとして歯周炎治療があるべきである、と全世界的コンセンサスになっています。


話はずれますが、インプラントだけやたら埋めて後は知らないよ、地元の先生の所でメインテナンスしてね、と言うような所は絶対に駄目だ、と言うことです。


歯周炎治療をベースにしてインプラントするなら、ただ埋めるだけとか、そこだけとかの治療はあり得ない、つまり沢山沢山の患者さん診ることが物理的に不可能なんだ、と言うことなんです。


言い換えるなら、このコンセンサスは、インプラント手掛けるDR達に対して、やたらめたら埋めるな、丁寧にしっかりとインプラントしなさい、と言う勧告なんです。


もっと分かりやすく言うと、インプラントで金儲けにやたら走るな、慎重に診療をせよ、と言うことです。



そして、今日の提示している2症例ですが、私がさせていただいた、重度歯周炎でインプラント用いて治療させていただいた方々です。


どちらも、最初のレントゲン写真では、歯根周囲に黒い影が大きく写り、骨が溶けてしまっていて歯周炎が進行しているのが分かります。


そして、最初の症例の方は、残念ですが、全部抜いて全インプラントしています。


2例目の方は、対照的に要所のみインプラントして、それを支えに天然歯を救い全顎的に治させていただいている方です。


どちらの方も、8年以上そろそろ10年という方で、勿論安定しています。


全く違った結果になっていますが、どちらの方も天然歯をまず残せる残せない、に関わらず徹底的に歯周炎の治療から始めています。


お口全体で、歯茎と骨の炎症を治す、、と言うことを徹底的にして、その後で歯がどれだけ残せるかで判断して、インプラントに行っているのは全く同じです。


上で書いているように、歯周炎の菌がいる可能性が高いので、それをできる限り減らして、問題が起き難くなるようにして、それからインプラントしているんです。


ここが最重要です。


インプラントなら、インプラントだけすれば良い、と言うのは間違っている、浅はかな考えである、と言うことなんです。


ちゃんとした歯周炎の治療の元で、それからインプラントするから、安定して長い良い状態が得られるんです。


それには、患者さんご自身の頑張りが勿論必須です。


そこを間違えないで下さい。


インプラントだけすれば終わり、と言う考え方は金輪際捨てて下さい。


お金も掛かる大きな治療なんですから、お口全体で考えて、歯周炎を抑え込むことを考えて、治療を受けるようにして下さい。


そこが、大事な大事な鍵になります!






10月3日(火)のつぶやき

2017年10月04日 | Weblog