ラモン先生のプレゼン聴いてて、時代がどんどん低侵襲に移行してるんだな、と感じさせられた。
それと生物学的幅径、簡単に言えば長期的に安定している顎堤の構築、のバランスの取り方なんだ、と言うこと。
更にそこに、審美的なことが絡んで来ると、又考えなければならないことが増えて来る。
かつて、今でもそうかも知れないけど、補綴主導型治療と言うモノが根底にある。
私は、この補綴主導型と言う言葉が実は大嫌いで、その理由が、審美的に拘って治療することで、骨造るわ、歯茎足すわ、それでも足らなければ更に追加してやるわ、で一体何回オペすんねん!と言う治療行為の実態であり、そしてそれに伴う治療期間の長期化、のことを誰も口をつぐんで明言しなかったから。
その当時の手術だから、低侵襲に配慮してるって言ってても、まあその程度と言う感じでしかなく、パンパンに腫れ上がるわ、痛むわ、出血班は出るわと言うのが実際で、患者さんによっては寝込んでしまってノイローゼになってしまうとか、それはそれは審美的に治すの美名の元に、患者さん達を苦しめていた。
でも、その内情を私も含めてだけど、誰も業界内のかばい合いで本当のことを表に出さない。
まあ、言い訳だけど、私はブログやSNSでそれを示唆するようなことは、もう12年以上書き続けてるけど・・・
でも、私なんてそんな業界内の力ないし、影響力もないし、患者さんもの凄く沢山診て、バンバン症例上げてる訳でもなく、私本人が変人でもあるので、業界を改善することできてても微々たるものでしかなかった。
何時まで、患者さんを欺き続ける時代が続くのかな?と私は正直業界に関しては悲観的見方しかしてないし、いつも言ってるけど基本同業者は嫌い、です。
真に患者さんを思え、と言うのがその偽らざる心で、お師匠様から教えていただいた大事な大事なバトンで、それが根底に私の中には厳然としてある。
だから、今まで書かなかったけど、恩師と明言している今間司先生に対してだって、それは違う、と言うことではチャンと自分の意見を言って、まあ傍から見たら刃向ってる、と言う時もあった。
その時は、今間先生が人物だったから、マッチャンの言いたいことは分かった、と言うことで、法人代表が仲裁してくれて納まった。
私の根底にあるのは、常にお師匠様に伝えられた教えで、それは、真に患者さんも思え、という言葉に集約される。
だから、私は基本的に外科手術が大好きなんて口が裂けても言えないし、絶対に言わない。
ましてや、インプラント大好きなんて、生涯言わないだろう。
お師匠様から授かった鬼手仏心と言う言葉は、ずっとずっと私の道を照らす光。
勿論、インプラントと言うモノが如何に良いモノで、それが患者さんを救えるのか、はとても良く分かっているし、知っている。
でも、外科手術が伴うモノを大好き、って変態だよ、サドなんじゃないの?といつも感じる。
止むを得ずするモノ、仕方がない、それしか救える手段がない、最もそれが楽に早く綺麗に治せるモノ、だからさせていただくモノですよ、私の気持ちの中、本気で。
今日のラモン先生だって、外科侵襲への言及が私から見たら全然足りない、と感じて仕方がない。
そりゃ、従来の治し方からすれば低侵襲かも知れないけど、見てれば分かるけど、あれは患者さんそれなりに苦労している筈。
お師匠様から始まって、今間先生、添島先生、ラム先生とインプラントの勉強深めて来たけど、やはり2003年に受けたラム先生の教えが究極的だったな、と本当に強く感じる。
振り返って見ると、点と点が繋がって一筋の線のように思える位、私にとって自然の流れの学びであり、我が道とハッキリ明言できる。
やっぱり、私はお師匠様の免許皆伝授かった弟子、なんだなって実感する。
真に患者さんを思え、鬼手仏心って名言で、凄い教えだったんですね・・・
如何に楽に早く綺麗に治して差し上げられるのか、を真摯に考え尽くす。
お師匠様の所でのエピソードですが、ある患者さんは1週間日曜から地方から出て来られて、ホテル住まいして、月曜日から金曜日までの5日間で治療し切って、地元にお返しする、と言う凄いこともさせていただいてました。
端的な例は、重症歯周病の患者さんで、全部抜歯して総義歯入れて、噛めるようにして差し上げて帰っていただく、とか。
で、半年後位に再来院していただいて、最終総義歯入れるとかしてました。
大変ですよ、それはそれは。
重症歯周病ですから、印象取るだけで歯が抜ける所もある訳で・・・できるだけ抜けないように頑張りましたけど、でもダメなときはダメでした。
そして、翌日に全部抜歯して、総義歯装着。
重症歯周病なんで、針麻酔だけ、で20本くらいポンポン抜いて、浸麻しないから出血も多くて、その中で総義歯ちゃんと入れると言う・・・
どうしても顎堤の形が悪い、と言う時は、麻酔してそこも骨整形して、縫ってました。
で何とかかんとか、金曜日には大丈夫、使える、と言う状態でお帰りになる。
人によっては、今までのゆらゆらの歯よりも全然良く噛める、ととても喜ばれました。
これなんかも、侵襲とか治療内容とか聞くと、そりゃ全然真に患者さん思えじゃないじゃない、本当に鬼手仏心なの?と思う方もいるでしょう。
それに対しての、お師匠様の教えは、歯周病で歯茎が膿んでで、その毒を毎日毎日食べてる、それが身体に良い訳がない、と言うことでした。
モノは言いようですが、でも一理あるな、否百理あるな、と私は治っていった患者さん拝見してて思いました。
だって、たったの1週間ですよ。
お近くの患者さんだったら、そのまま通って下さって、日々義歯修理して、より良い状態にさせていただいてました。
そして、顎堤が固まったら、最終総義歯製作。
これも、早く行く人は1週間。
こう言う実例こそ、鬼手仏心なのでは、と私は考えられます。
補綴主導型で治すことは否定はしませんが、でも患者さんが受ける辛さ、苦労、大変さを言及できないうちは、それは嘘八百なのでは、と私は常に思います。
ラモン先生なんかは、これから出てくるレクチャラーで、従来の反省の元、低侵襲を標榜してるんでしょう。
やっと本当のこと、真実が白日の元晒される時代が来ようとしている、とその点では、私はとても嬉しく思います。
でも、まだ発展途上ですね。
外科に長けてれば、この手術がどれだけ患者さんに辛いだろうかとか、どれ位治癒期間掛かるだろうか、と予測はつく訳で、そこまでしないで済む方法、を創意工夫するって大切でしょうね。
ラモン先生が、一番最初にエビデンスは新しいモノにはない、だから自分で創意して外科手術考えてやっていくしかない、なかった、と明言したことには、凄く共感しました。
まあ我が国の場合には、エビデンス病が今もなお蔓延っていますから、2000年から部分即時荷重、2003年から低侵襲外科して来た私はもの凄い、それはそれは凄い逆風でしたね・・・
ラモン先生たちの世代では、海外でもありますし、そこまでの逆風じゃなかったんじゃないのかな…なんて思ったりもして・・・それでも、そう言うこと言ったので、彼も大変だったんだろうな、と思ったりしました。
まあ、日本と言うこの国は、一旦確立した権威、これが正しい病は、修整したり正しい道に戻すのがとてつもなく大変ですよ。
それは自分の体験でとても良く思います。
この国の人々は、洗脳されるとそれが解けるのが物凄く遅い。
それが最大の欠点です。
洗脳したもん勝ち、なんだと言うことは、知って置いて損はない、と思います。
でも、科学、医学は、時間と供に何が正しいのか、どれが良かったのかは明らかにしてくれるので、良い世界だと思います。
それを信じて、私は明日からの臨床に、又全力を尽くして参ります。
蛇足、余談ですが、私が臨床感で間違えないのは、患者さんを真摯に見詰め続けるからです。
実際に起きていること、これは何?と言うのを、ずっと自分で答えを探し続ける。
だって、従来のこれが正しいで説明が付かない現場の臨床なんて掃いて捨てるほどあるんですから・・・
それを、私は見逃さない。
考え続ける、勉強し続ける。
そうしていると、答がある日天啓のように降って来て悟ったりできるんです。
これが楽しんですよね。
偉い先生が言ってるからとか、教科書、セミナー、学会がこうだから、なんてクソ喰らえ、と基本思ってます。
正しいのは目の前の患者さんに実際に起きていること、です。
そこも、お師匠様の教え、ですね・・・
で分かって見ると、なあんだ!だったりして・・・
コロンブスの卵、なんですよ。
自分はできる、賢い、と思ってしまったら、そこで終わりですね。
だから、外科大好きとか、インプラント大好きとか、死んでも言えないし言わないです。
常に真摯に学び続け、向上することを心掛け、改善改良に努めます、としか私には言えません。
まあ、かなり長くなりましたが、最近身の回りで起きてることとか、ラモン先生の講演とか聴いて、凄く思ってたことと共振したので、書き綴ってしまいました。
失礼しました。