大森インプラントクリニック松元教貢歯科医院腫れ痛みなく早く、骨不足でも骨ができて直ぐに歯が入る幸せのブログ

松元教貢歯科医院は骨が不足で骨造りしても腫れ痛みのとても少なく早く治せる方法をしてる即時荷重インプラントパイオニアです。

大きなインプラント手掛ける前に総義歯を知るべきだ、と明言します。

2020年08月16日 | Weblog









下顎の総義歯の模型と完成した総義歯のスクリーンショットと、その歯並びと歯槽頂に黒いラインを比較して分かり易く見れるために書きました。

この2つのアーチの位置の違いがとても大事です。

理想的に排列された総義歯の歯冠部の位置、人工歯排列と模型の残存歯槽頂の位置。

機能的に良く噛める歯冠の位置は、それぞれの患者さん固有の口腔内容積、舌房と頬唇、上下の顎堤、顎の関節の3次元的連携で決まります。

それは、総義歯だろうとインプラント補綴だろうと、そんなに大きく変わりません。

否、変わってはいけないのです。

その理由は、その患者さんがそれまで生きた人生の中で獲得した機能運動だからです。

人は誰でも生まれておっぱいとかお乳を吸い付き、そこから口腔機能を獲得します。

誰にも教わることなく、生まれたばかりの赤ちゃんは、生まれたばかりなのに、母親の腕に優しく抱かれると、顔を振り乳首を探し吸い付きます。

私は自分の子供を自分で取り上げた経験がありますので、その現場に立ち会い、とても感動したことを覚えています。

赤ん坊は生まれて直ぐ、誰にも教わらないのにおっぱいに吸い付くんです。

つまり、口腔機能は舌から始まるのです。

と言うことは、舌はもの凄く口腔機能に重要なんです。

老人ホームに行くと、歯がなくても生活してる方は沢山います。

そう言う方は、全て顎堤と舌だけで好きなものを召し上がり、何も不自由を感じてません。

それが現実なんです。

そうです。

歯科補綴治療なんてのは、元からさして要らない、プラスαのモノでしかないんです。

でも、歯が生えて、噛めるようになれば、噛み応えを求めて歯科補綴治療を求められることもある、が現実です。

そこが分からないと何も分かりません。

噛み応えを叶えるために、入れ歯を入れ、最終的に総義歯になっても噛みたい患者さんがいる。

見た目も求めて、人工的歯を求める患者さんがいる。

それに応えるのが、我々ですよね。

なら、口腔機能を侵す治療はしてはならない、と言うのが大原則である、と明言しても間違いはないでしょう。

口腔機能の始めは、舌と顎堤による吸引嚥下です。

噛むとか咀嚼は、歯が生えて来て獲得される機能です。

どちらが大事かと問われたら、私は舌と顎堤による機能の方が大事、と明言します。

ところが、この2つのアーチの位置の違いを良く見てみれば、総義歯の方が外側、頬唇側に歯冠があり、模型の歯槽頂とはズレているのが分かります。

私の禿げ隠しのズラがずれるのは大した問題ではないでしょうが、このような歯冠部の位置と歯槽頂の位置のズレは舌を考え、嚥下を考えると看過できない、と思います。

ましてや、そこに舌を考慮しない、できないインプラントによる固定式の人工歯が並んだら?

良く模型と総義歯の状態を見比べて下さい。

歯槽頂は模型の真ん中に位置してます。

総義歯は、明らかに外側、唇頬側に歯が並んでます。

特に前歯の位置の差が大きく見えますよね。

そして、何度も繰り返しますが、赤ちゃんは直ぐにおっぱいに吸い付きます。

吸い付くのって、真正面からですね、必ず。

ある程度大きくなり、遊び吸いをしだすと吸い付きながら斜めとかにしたりして遊びますが、生まれてしばらくは真正面からです。

鼻が潰れて、息大丈夫かな、と心配になるくらい、一所懸命におっぱいを吸うのが赤ちゃんです。

真正面の舌の来るべき位置は侵してはならないのです。

最も原始的な口腔機能を侵すからです。

ここを侵されたら、患者さんはとても不幸になります。

でも、インプラント手掛けた歯科医は、固定式で噛める歯にしたんだから、そんな訳ない、と理解しないんです。

そんなことを勉強してないから、私は馬鹿にするんです。

歯科医は、口腔機能を回復させる仕事です。

固定式の補綴にこだわり過ぎ、それで万事解決、と言う単純思考の連中とは話ができません。

この2つのアーチの位置のズレをどう解決できてるのか、してるのか、明白に写真などの結果を幾つも見せられない限り、私は信じません。

今回は、残念ながら、下顎のでしか例示できませんが、このようなことは上顎ではもっと顕著である、と私は知ってます。

上顎前歯部は、最後まで残る下顎の前歯部のせいで、最後の最期まで叩かれて、激しく顎堤が吸収することは、歯科医なら皆んな知ってることです。

つまり、上顎ではこのような現象はもっと顕著だ、と言うことです。

真正面からの吸い付き、機能回復こそ、命を回復させることなんです。

その機能回復を担う舌の邪魔をするような歯科治療を、私は認めません。

痩せこけた顎堤で理想的な歯並びを回復して、口腔機能を回復させたのは、総義歯が一番始めです。

そこから学ぶべきこと、学べることは沢山あります。

しかし、インプラント業界では、かつて義歯治療はもう不要の長物、滅びゆくモノだ、と蔑視されました。

その根底には、インプラント手掛けた先駆者はことごとく義歯のできない者ばかりだった、と言う屈折した思いがあります。

余談ですが、歯周病治療も下手で歯を助けられない、残せない者ばかりだった、と言う屈折した思いもあるでしょう。

そこから来てるから、人工歯排列も分からない、骨だけ見てインプラント埋める、が起きてしまったのです。

黒い過去を直視し、未来への展望を描けなければならない、と私は思い、私にしか直言できないと思うからこそ、あえて発言してます。

今は、その過去の反省から、世界でもインプラント専門教育の中で総義歯人工歯排列が加わって来ている、と言う話も聞いてます。

やっと、私が25年以上前から言って来たことが理解を得られる時代になって来たのです。

正直時間かかり過ぎだろ、お陰で禿げたジーさんになっちまったよ、が本音です。

私の大先輩であらせられるインプラント界の大カリスマは、勤務医時代その医院の患者さんの排列は全てやらされてたそうです。

それが御大の植立の美しさ、上手さ、正に匠としか言いようのないインプラント治療に出てるのです。

解剖学的特徴を捉え、全てお見通しであらせられます。

あっ御大は総義歯もお得意なんだろうな、と直ぐに分かりました。

そこなんです。

誤解を招くような書き込みをfacebookで本日してしまい、反省して、出来る限り詳しく解説してみました。

後世の有志のお役に立てれば幸いです。