
里ではキクの仲間の植物や春の野草の狂い咲きが見られるが、山の中では完全に花の季節が終わった。低山の登山道で最後まで目を楽しませてくれる花がリンドウ。霜が降り手いる中で咲いているのを見ることもある。今年、フデリンドウに始まりコケリンドウ、オヤマノリンドウ、ツルリンドウ、エゾリンドウと写真を掲載してきた。これが最後のリンドウ。
「リンドウ」はリンドウ科の多年草。写真は埼玉県との県境にある諏訪山の県境尾根付近に咲いていたもの。茎は30センチほどあるが寝ており、上に落ち葉が重なって小柄に見える。花径は2センチ程で筒状の鐘形をしており、先が5つに割れている。1500メートル前後からそれ以下の中低山で、登山道脇など日当たりの良い場所で見かける。花の季節が終わった頃に、最後まで楽しませてくれる花。落ち着いた紫が心を癒してくれる。
中国名で竜胆(リュウタン)と呼び、これが訛ってリンドウになったのだとか。漢方では根を竜胆といい、健胃剤に使う。他にも黄疸の薬などに使われるのだそうだ。
今年、かなり熱心に探したが見つからなかったのが「ハルリンドウ」。来年はきっと見つかるだろう。