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『のはらのはらの』

2010年05月22日 | 読書日記ー漫画

雁須磨子(大洋図書)




《あらすじ》
暑い暑い夏の日、具合が悪くて動けなくなった西戸崎は、同じ高校の先輩・糸島に親切にされる。腰を傷めて野球をやめてしまった糸島。西戸崎は糸島が気になってしかたがない。ずきずきして、くらくらして――この気持ちはなんなのか?


《この一文》
“ なりふりかまわず
  身も世もないほど。   ”





こ、これはヤバイっ……



す、すす、スミマセン、なんか最近マンガばっか読んでてアレかなーとか、でもちょっと逃避したい気分っていうか、私も色々あるんですけど、そういう気持ちを抱えて今日ちょっと別の用事のついでにブックオフに寄ったらこの本と目が合って「そういえば、このマンガは面白いよって教えてもらってたんだー」とも思い出したりしたので、ちょっと買ってみたんですけど、あががが、面白すぎて私はどうにかなりそうです。
ハアハア。


なにこれ、なんなのこの面白さは……


おもしろーい、おもしろいよーー、なんて面白いの! 何がどのように面白いのかまだ分からないのですが(とりあえず5回ほど読み返してみた。でもまだ読むよ)、とにかくツボった。ツボりました。まいった。もうだめ。なんだろ、この作品全体の雰囲気がいいのかな? てか、第1話の最初の数ページからして面白すぎますね。こういうとぼけたユーモアが、まず私の心を打ち砕きました。もう粉々のバラバラですよ、はい。

第1話。高校1年生の西戸崎くんが炎天下でバスを待ってて日射病で倒れそうになっていると(←ここまでの描写がまず猛烈に面白い。灼熱の太陽にニッコリした顔が描いてあったりする表現が私を瞬殺)、そこへペットボトルの水を差し出してくれる可愛らしいレースの日傘の人物が現れるという、そしてその人物が同じ高校の男の子で、しかもボウズで、みたいな! 

で、その糸島くんはボウズで男の先輩なんだけど、西戸崎くんは彼のことがなんか気になって気になって仕方なくなってしまって、夏休みについ糸島くんが住むという街(←聞き取り調査の成果)へふらふらと出かけて行き、これって何て「ストーカー」? と自問してへたりこんでしまったり、運良く知り合うことが出来た糸島くんから電話番号を教えてもらったりしたら、話すこともないのに電話をかけたくなって「イタ電とかする奴のきもち超わかる」とか思ってしまうとか。

……ぐはっ、う、うまいなぁ、この人! だめだ、私はこういうのに弱いんだ。

というわけで、あれよあれよという間に物語の中へ引きずり込まれてしまいました。手が震えたぜ!


この作品には全編を通してほのぼのしたユーモアが漂っているのではありますが、その一方でものすごく真剣な恋愛も描かれていたりして、なんかもうとにかく闇雲に面白かったです。私はこの「真剣な部分」をもっと掘り下げたい気持ちはあるものの、今はまだダメだ、無理だ! ああ、でもここがこのお話の肝心なところなのになぁ。私って奴ぁ……。

あと、主人公の西戸崎くんがなんか死ぬほど可愛かったのですが、糸島くんのお友達の吉井くんという男の子のおとぼけぶりがまた、私にはたまらなく面白かったです。だめだー、おもしろいーー。



うーむ。私はBL漫画を読み始めたのはごく最近になってからなんですが、この領域にはこんなに面白い作品が沢山あることを知らずにいたなんて迂闊でしたねー。てゆーか、知って良かった! 面白い! 私は面白い漫画が読みたいのです!! よ~し、張り切ってもっと探しちゃうぞ~~☆




作者の雁須磨子さんは、白泉社とか他のところでも、BLだけでなく色々描いてらっしゃるようです(たしか)。私はいきなりなんですけど、すっごく好きになってしまいました。『いばら・ら・ららばい』とかいうのも最近出てたような。『のはらのはらの』とか『いばら・ら・ららばい』とか、タイトルの響きが良いですね。大島弓子の『つるばらつるばら』を思い出してしまいます(あれは怖かった…いい意味で)。
よし、今度買って来よっと。へっへっへ☆





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