半透明記録

もやもや日記

市川春子『宝石の国(1)』

2013年09月09日 | 読書日記ー漫画


市川春子(講談社アフタヌーンKC)



《あらすじ》
遠い未来、僕らは「宝石」になった―――。
粉々になっても再生する不死のカラダを持つ宝石28人と、彼らを装飾品にしようと襲いかかる月人(つきじん)との果なき戦い。
強くてもろくて美しい、宝石たちの新感覚アクション・バトル・ファンタジー。



このあいだkajiさんとお茶した時に借りました。その前日に私も梅田の書店まで買いにいったのですが、ちょうど在庫切れで買えなかったんですよね。今は最寄りの本屋で自分用にも買いましたが、売れているということなんでしょうかね? 売れているということなんだろうな。だって面白いものね。第1巻発売記念で、アニメPVが製作・公開されていますが、なかなかよく出来ていました。ああ、全編アニメ化しねーかなー。


さて、市川春子さんの新刊、『宝石の国』です。『虫と歌』『25時のバカンス』に続く3冊目。これまでの2冊は短編集でしたが、この『宝石の国』はアフタヌーンで連載中の長編とのこと。前2冊はいずれもとても、とても面白かったので、今作品にも期待が高まります。


で、早速読んでみた。気づいたら、忙しい合間を縫って5、6回は読み返していました。息子の唸り声にも気づかず読みふける、そろそろ秋。でも読むだけで精一杯で、感想を書くのには1週間以上かかってしまった。なにやら要求があるようすの息子から何度も妨害工作を受けるので遅々として進まず。くそー。


それにしても、面白いよ~~! 面白かったよ~~~!!

kajiさんから事前に聞いていましたが、設定としては「25時のバカンス」の世界がずっと進んだような感じですね。


 “月がまだひとつだった頃 繁栄した生物のうち
 逃げ遅れ 海に沈んだ者が
 海底に棲まう微小な生物に食われ無機物に生まれ変わり
 長い時をかけ規則的に配列し結晶となり
 再び浜辺に打ち上げられた
 それが我々である ”

ということらしい。ふむふむ。なるほど。何という美しい設定だろうか。身悶えするほど美しい世界ですね。SFファンタジーなところもたまりません。最近の漫画界に詳しい訳ではありませんが、こういう世界観は珍しいですよね。うーん、うーん。素敵だなぁ。


主人公は、脆く壊れやすく、なにをやらせてもダメなフォスフォフィライト。間抜けで可愛い人物です。
彼ばかりでなく、全体的に登場人物は可愛い。宝石たちの一人称がすべて「僕」であるというところにも悶絶ものです。ダイヤモンドなんかは今のところもっとも女の子っぽいのですが、やはり「僕」なので、それはそれは可愛らしいのです。あーもーだめだーーー!

しかし、愛らしい宝石たちよりもさらに愛らしいのが、途中で登場する謎のナメクジ。市川作品では、こういうヌルヌル系の生き物が異常に可愛いんですよね。


ほかにも書きたいことはある気がしますが、正直まだ読み足りないというところ。読み応えがありますね。さすが長編! とりあえず、もっと何度も深いところまで読んでみたい。そしてはやく2巻が出てほしい。





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
シンシャ! (kaji)
2013-09-09 19:12:31
私はシンシャが好きすぎます!

とにかくこれはすごいって感じがヒシヒシと伝わる一巻でした。空の高さとか、シンとした空虚なまでに清浄な大気とか、絵で表現できちゃうのがすごい。
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シンシャですか! (ntmym)
2013-09-11 16:48:47
kajiさん、ありがとうございました♪

シンシャもいいですね~!
かわいい、かわいい(´∀`*)☆

市川さんの作品は、画面がシンプルで美しいですよね。見開きのページを見ているだけでも結構楽しめます(^o^)


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