グラナダ版シャーロック・ホームズ : 「まだらの紐」 ”The Speckled Band ” その(3)
・・・・続きです。
夜になりロイロット邸の狩猟小屋に戻って来た2人は ここなら見張りに最適だと暫らく偵察を
する事になります。
(※ 正典では近所の宿屋から見張る事になっていますが この狩猟小屋の方がより不気味
な雰囲気を出しています。)
ここでもホームズは 「医者が道を誤ると最悪の犯罪者となる」と云います。
(※ 「瀕死の探偵」の時カルバートン・スミスに対しても同じ様な事を言っていますね。)
そして、
”I really have some scruples taking you tonight” 「危険な事件だから君を同行させるか
どうか悩んだ」と言うホームズに、”If I can be of assistance” 「役に立てるなら本望だ」と
と答えるワトソンに、”That's very kind of you” 「それは本当に有難い」・・・
(※ おー、何だ何だこのやり取りは。 ホームズの表情が何とも言えないんです。 それ
に対するワトソンの答え、そして あのホームズが素直に「ありがとう」なんて言っちゃうん
ですから。
そして、以前にも書きましたが このシーンが「忌まわしき花嫁」にも踏襲されているんですね。
尤も2人の会話の内容は全然違ってましたけどね(笑)
既に動かぬ証拠を見つけたのだろうと尋ねるワトソンに対し、未だ推理の段階だがと断りながら、
換気口が作られ紐が垂れ下がっている。 ベッドが動かない様に固定されていた(ホームズ床を
チェックしてましたね)。それはベッドと換気口の位置を変えない為だ。 等検証した結果を知ら
せると 「やっと分って来た。今回は未然に防げそうだ」とワトソン。
そんな時ロイロットが帰宅し、ヘレンはホームズの指示通りに部屋に下がります。
やっとヘレンの部屋からランプの合図がありホームズがワトソンに知らせます。
「合図だ!」 (※ この時ワトソン寝てたし・・・)
二人はヒョウやヒヒがうろつき回る庭を横切り元ジュリアの寝室であった部屋に忍び込みました。
ホームズは、「決して眠るな。君の命に係るぞ」とワトソンに耳打ちし、マッチとロウソクを用意
した上でランプを消します。
(※ この時ホームズの手が微かに震えるんです)
突然気配を感じはっとした表情になり灯りを付けたホームズは持ってきていた棒を振り回し叫びます。
”You see it, Watson, you see it ? ” 「見たかワトソン、あれを見たか!」
その直後隣室から恐ろしい叫び声が聞こえる。
「全て終わった。 恐らく最良の結末だろう。」、「ピストルを持ってきてくれ」と云いながら
ホームズはワトソンと共に隣のロイロットの寝室に向かいます。
部屋に入ると ロイロットは首にヘビが巻きつかれ既に事切れていました。
「これがまだらの紐の正体だ。 インドで最も恐れられている猛毒のヘビで噛まられたら数秒で死ぬ」
と言うホームズ。
そして、先が輪になった紐で慎重にヘビを捉えると 金庫の中に入れました。
「無法な行いをするものは同じ報いを受ける。 落とし穴を掘れば それは自らの墓穴になる」
↑ 教訓 by ホームズ。
無事事件を解決し ロンドンに帰る汽車の中。
ホームズは事件解決の経緯を語ります。
ヘビだと気づいたのはインドの動物の話を聞いた時。 あのヘビは即効性の猛毒を持ちその毒は
化学分析では見つけられない。
牛乳を餌に口笛で戻る様に仕込んだのだろう。 又ロイロットの部屋には換気口に手を延ばす為に
椅子に乘った跡があった。
そして入って来たヘビをホームズが換気口に追い込んだため 興奮したヘビが次に見た人物に噛み
ついた。
等々説明するホームズに、ワトソンは、
「つまり君は間接的に彼を殺したことになる」
「良心の呵責はそれほど感じていないよ」とホームズ。
(※ 見方によれば相変わらず冷徹とも思えるホームズですが、自業自得だと言う まぁホームズ
らしいとも言える言葉でした)
↑ このホームズは珍しく髭が・・・徹夜したからね。(うーん芸が細かい)
で、先ずは目出度く事件解決となりました。
この後のエンディングクレジットが印象深いのです。
換気口から紐を伝って降りて来るヘビ。 この辺りが赤と言うかオレンジ色のトーンで不気味さを
醸し出しています。
そして、そのヘビを棒で換気口に追いやるホームズ。
あの有名なシーンです。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
先に書きました、例の列車のシーンに関して・・・
これは正典”The Adventure of the Silver Blaze" 「銀星号事件」或は「白銀号事件」のパジェット版
挿絵そっくりのシーンがあり、何度も拙ブログにも載せた事があるのですがすっかり勘違いをしており
まして、グラナダ版でも「銀製号事件」のシーンだとばかり思い込んでいました。
今回観直して、「まだらの紐」のシーンであった事、例の挿絵と同じシーンは本編には無かった事にやっと
気付きました。(もしかして他のヴァージョンにはあるのかも知れませんが、今回観直したヴァージョン
には含まれていませんでした。 或は deleated scene なのかも・・・とも思われるのですが、確かな
事は不明です)
確認の為に グラナダ版「銀製号事件」(or 「白銀号事件」 )の汽車のシーンと比較しました。
(ワトソンが2代目のエドワード・ワードウィックです。)
以上で終わります。
お付き合い頂き有難うございました。
← グラナダ版 『まだらの紐』 : 2/3
『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index
・・・・続きです。
夜になりロイロット邸の狩猟小屋に戻って来た2人は ここなら見張りに最適だと暫らく偵察を
する事になります。
(※ 正典では近所の宿屋から見張る事になっていますが この狩猟小屋の方がより不気味
な雰囲気を出しています。)
ここでもホームズは 「医者が道を誤ると最悪の犯罪者となる」と云います。
(※ 「瀕死の探偵」の時カルバートン・スミスに対しても同じ様な事を言っていますね。)
そして、
”I really have some scruples taking you tonight” 「危険な事件だから君を同行させるか
どうか悩んだ」と言うホームズに、”If I can be of assistance” 「役に立てるなら本望だ」と
と答えるワトソンに、”That's very kind of you” 「それは本当に有難い」・・・
(※ おー、何だ何だこのやり取りは。 ホームズの表情が何とも言えないんです。 それ
に対するワトソンの答え、そして あのホームズが素直に「ありがとう」なんて言っちゃうん
ですから。
そして、以前にも書きましたが このシーンが「忌まわしき花嫁」にも踏襲されているんですね。
尤も2人の会話の内容は全然違ってましたけどね(笑)
既に動かぬ証拠を見つけたのだろうと尋ねるワトソンに対し、未だ推理の段階だがと断りながら、
換気口が作られ紐が垂れ下がっている。 ベッドが動かない様に固定されていた(ホームズ床を
チェックしてましたね)。それはベッドと換気口の位置を変えない為だ。 等検証した結果を知ら
せると 「やっと分って来た。今回は未然に防げそうだ」とワトソン。
そんな時ロイロットが帰宅し、ヘレンはホームズの指示通りに部屋に下がります。
やっとヘレンの部屋からランプの合図がありホームズがワトソンに知らせます。
「合図だ!」 (※ この時ワトソン寝てたし・・・)
二人はヒョウやヒヒがうろつき回る庭を横切り元ジュリアの寝室であった部屋に忍び込みました。
ホームズは、「決して眠るな。君の命に係るぞ」とワトソンに耳打ちし、マッチとロウソクを用意
した上でランプを消します。
(※ この時ホームズの手が微かに震えるんです)
突然気配を感じはっとした表情になり灯りを付けたホームズは持ってきていた棒を振り回し叫びます。
”You see it, Watson, you see it ? ” 「見たかワトソン、あれを見たか!」
その直後隣室から恐ろしい叫び声が聞こえる。
「全て終わった。 恐らく最良の結末だろう。」、「ピストルを持ってきてくれ」と云いながら
ホームズはワトソンと共に隣のロイロットの寝室に向かいます。
部屋に入ると ロイロットは首にヘビが巻きつかれ既に事切れていました。
「これがまだらの紐の正体だ。 インドで最も恐れられている猛毒のヘビで噛まられたら数秒で死ぬ」
と言うホームズ。
そして、先が輪になった紐で慎重にヘビを捉えると 金庫の中に入れました。
「無法な行いをするものは同じ報いを受ける。 落とし穴を掘れば それは自らの墓穴になる」
↑ 教訓 by ホームズ。
無事事件を解決し ロンドンに帰る汽車の中。
ホームズは事件解決の経緯を語ります。
ヘビだと気づいたのはインドの動物の話を聞いた時。 あのヘビは即効性の猛毒を持ちその毒は
化学分析では見つけられない。
牛乳を餌に口笛で戻る様に仕込んだのだろう。 又ロイロットの部屋には換気口に手を延ばす為に
椅子に乘った跡があった。
そして入って来たヘビをホームズが換気口に追い込んだため 興奮したヘビが次に見た人物に噛み
ついた。
等々説明するホームズに、ワトソンは、
「つまり君は間接的に彼を殺したことになる」
「良心の呵責はそれほど感じていないよ」とホームズ。
(※ 見方によれば相変わらず冷徹とも思えるホームズですが、自業自得だと言う まぁホームズ
らしいとも言える言葉でした)
↑ このホームズは珍しく髭が・・・徹夜したからね。(うーん芸が細かい)
で、先ずは目出度く事件解決となりました。
この後のエンディングクレジットが印象深いのです。
換気口から紐を伝って降りて来るヘビ。 この辺りが赤と言うかオレンジ色のトーンで不気味さを
醸し出しています。
そして、そのヘビを棒で換気口に追いやるホームズ。
あの有名なシーンです。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
先に書きました、例の列車のシーンに関して・・・
これは正典”The Adventure of the Silver Blaze" 「銀星号事件」或は「白銀号事件」のパジェット版
挿絵そっくりのシーンがあり、何度も拙ブログにも載せた事があるのですがすっかり勘違いをしており
まして、グラナダ版でも「銀製号事件」のシーンだとばかり思い込んでいました。
今回観直して、「まだらの紐」のシーンであった事、例の挿絵と同じシーンは本編には無かった事にやっと
気付きました。(もしかして他のヴァージョンにはあるのかも知れませんが、今回観直したヴァージョン
には含まれていませんでした。 或は deleated scene なのかも・・・とも思われるのですが、確かな
事は不明です)
確認の為に グラナダ版「銀製号事件」(or 「白銀号事件」 )の汽車のシーンと比較しました。
(ワトソンが2代目のエドワード・ワードウィックです。)
以上で終わります。
お付き合い頂き有難うございました。
← グラナダ版 『まだらの紐』 : 2/3
『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index