goo blog サービス終了のお知らせ 

The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

SHERLOCK S4E1 ”The Six Thatchers” : ネタバレ感想と検証 (1)

2017-02-07 |  ∟S4E1 : The Six Thatchers
『シャーロック』シーズン4:「六つのサッチャー」

以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
Sherlock S4 はUK放送直後に一度見たのですが、なかなか把握出来ない部分が多くちゃんと
DVDを見直さなければ と思っていた所、何故か我が家へのDVD到着が遅れました(怒)。
事前の情報、初見での思い等色々あったのですが、DVDが届くまでの空白時間にこれまでの
思いを白紙状態に戻し、まっさらの視点で改めて見直す良い間合いだったのかも知れません。
と言う訳で、少し時間が経ってしまいました。


先ず、皆様既にご存知の事ですが、今回のタイトル”The Six Thatchers”は正典”The Six Napoleons”
「6つのナポレオン」を踏襲している訳ですが、予想以上に正典からの引用部分が多かったですね。
映像的にはグラナダ版もインスパイアされていました。 又追って書きますが”The Sign of Four”
「4人の署名」にも関連する事項も何点か描かれています。


冒頭はS3E3 ”His Last Vow”でのマグヌッセン射殺シーンから始まります。


モリアーティーの”Miss me?”で呼び戻されたシャーロックに対する マグヌッセン殺害の件を問
う諮問委員会でのシーン :


結局公式映像の改ざんにより無罪放免になるシャーロック。

以前「妄想」の時にも書きましたが、”D-Notice”とは政府が機密保持のため特定の報道を差し止
める旨報道機関に発する通告 であると言われます。(100年 !)
マグヌッセンの扱いに手を焼いていた政府にとっても渡りに船ともいえるシャーロックの行動では
あったものの殺人罪には違いないので 折り合いをつけた云う感じでですが、政府の記録がこう
して改ざんされるというのも複雑な思いもするのですが・・・

この時のシャーロックは一段とハイになっている。 薬物検査はクリーンだと言われてはいるがこ
の時はラリッてるとしか思えない。

MI6の公聴会の間もツイッター三昧でマイクロフトと揉めるわ、クッキーを食べまくるわ、歌うわ、
すっかりかっ跳んでいて笑わされる。 何なんだろう、このハイテンションは。


審議の内容はここに出席している5人のみが知る事となる。
シャーロックとコードネーム ”Love”、”Antarctica”、”Polock”、”Langdale”
”Love” → はレディー・スモールウッドですね
”Antarctica” (南極大陸)→ 恐らくマイクロフトでしょうね。 アイリーンも”Ice man”と言っていたし
”Porlock” → ”The Valley of Fear” 「恐怖の谷」に出て来るモリアーティーの部下”Fred Porlock”からか?
”Langdale” → ”The Three Galidebes” 「3人のガリデブ」のLangdale Pikeから?
サー・エドウィンと残る秘書と思われる女性がどちらに該当するのかしら。


で、シャーロックが この女性に ”What's your name ?”と問いかけ、”Vivian” と応える彼女に敢
えて注目させるのは後の布石ですね。
そして、この後に判明する彼女のファミリー・ネーム ”Norbury” (ノーバリー)とは”The Adventure
of the Yellow Face” 「黄色い顔の男」にある場所の名前で 珍しくホームズがミスを犯したケース。
ここで語られる良く知られた語録も後のシャーロックのセリフに取り入れられています。
故に、このヴィヴィアンが何かカギになるのではないかと予感させられます。



この後、水族館のサメのシーンが続き、シャーロックが朗読しています。
”The Appointment in Samarra ”というこの詩(?)は サマセット・モームの同名短編作品 (日本語タイトル
は「バグダッドの死神」)の引用だと思われます。 (John O'Haraによる同名小説もありますが)
又、この作品自体 アラブの昔話を引用していると言われています。

『There was once a merchant in the famous market in Baghdad. One day he saw a stranger looking at
him in surprise. And he knew that the stranger was Death. Pale and trembling, the merchant fled the
marketplace and made his way many、many miles to the city of Samarra. For there he was sure Death
could not find him. But when, at last, he came to Samarra, the merchant saw, waiting for him, the grim
figure of Death. Very well”, said the merchant, “I give in, I am yours. But tell me, why did you look
surprised when you saw me this morning in Baghdad?” “Because”, said Death, “ I had an appointment
with you tonight, in Samarra”』
(昔バグダッドの有名な市場にある商人がいました。 ある日彼は驚いた表情をして自分を見ている見知らぬ人
に気付きました。そして彼はその人が死神である事を知っていました。 商人は青ざめ震えながら市場から遠く
遠く離れたサマーラへ向かいました。そこなら死神に見つからないと考えたからです。 しかしサマーラ
にたどり着いた時商人が目にしたのは 彼を待ち受けていた怖ろしい死神の姿でした。「仕方ない。」と商人は
言いました。「私の負けです。私は貴方の物です。しかし、今朝バグダッドで私を見た時に何故あのように驚い
たのですか?」 「なぜなら」と死神が言いました。「貴方にはサマーラで今夜会う約束だったから」)

死と云う運命から逃れようと画策しても 既に決められた運命を変える事は出来ないのだという事を示唆している
のでしょうか。 この事がこのエピソードでのテーマになっている様に思えます。

サマセット・モームと言えば、「月と6ペンス」位しか思い出さないし、勿論「バグダッドの死神」も読んでいま
せんでした。
ただ、今回この詩の引用からモームのバイオグラフィーを確認した方によれば、
William Somerset Maugham(サマセット・モーム)は第一次大戦では軍医、諜報部員として従軍していた。又同性
愛者とも言われ不幸な結婚生活を過ごし 娘の名前がElizabeth Maryであった。
等、何かと符合する点があるのは偶然なのでしょうか? 考え過ぎでしょうか?

アガサ・クリスティーの「名探偵ポアロ」の作品 ”The Appointment with Death”「死との約束」にも引用されて
いる様です(良く覚えていない) で、この作品にはゲイティス御大も出演していたのですが、この作品から何か
ヒントを得たのかしら ?

又TVドラマ ”Supernatural” SE11のタイトルも ”Appointment in Samarra”が使われているんです。

この後も何度か繰り返される「サメ」、「水」のシーンなのですが、「サメ」はマグヌッセンの象徴としてシャーロック
が語っていました。 今回はマグヌッセンは出ていませんが 結局”冷酷な悪”、”死の象徴”として不吉な暗示に
なっている様に思えます。 後の問題のシーンの布石にもなっていますね。

この後221B でのシーン、シャーロックが扱う事件が飛び交います。


◎ ”The Dusty Death”
◎ ”違う親指”→ "The Adventure of the Engineer's Thumb" 「技師の親指」からの引用でしょう。
◎ ”The Duplicate Man” → ここで”It's never twins”と言っているのはTABとのリンクでしょうか?

そして、シャーロックはディモックとホプキンズ2人と同時に事件について話し合っている、(ディモックさんは
”The Blind Banker”以来久々ですね) ホプキンズは初お目見えだけど、ドノバンの代わりですか?
ここで語られている事件、
◎ ”The Circus Tarso”
◎ ”The Canary Trainer” ←これは正典”The Adventure of Black Peter”「ブラック・ピーター」の中で語られて
いる「悪名高いカナリア調教師ウィルソン」でしょうね。
そう言えばディモック警部は「ブラック・ピーター」にも登場していますね。
◎ ”The Cardiac Arrest” ← Cardiac arrestは”心停止”の意味で、arrest”逮捕”と掛け言葉?


ところで、 依頼人が相談に来ている時メアリーが同席しているのですが、
いつの間にかメアリーも助手に? これってどうなの?
正典でのワトソンでさえ 依頼人が来た時に席を外そうかと気遣うケースが多々あったというのに首をかしげたく
なる点の1つではあります。

捜査から221B に戻って来たシャーロックとジョン。
ジョンの ”You can't arrest jellyfish !” 「クラゲは逮捕出来ないよ!」は正典”The Adventure of the Lion's
Mane" 「獅子のたてがみ」からでしょう。 
捜査でサセックスに入っていた為電波の状況が悪く メアリーからの着信記録が59回になっている事に気付き慌てる2人。









・・・・ to be continued です。





→ SHERLOCK S4E1 ”The Six Thatchers” : ネタバレ感想と検証 (2)