とあるスナックで
コー
ではどんどん読んでいこう。p-132
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効能報告4(癌性病変の治療への、尿素結晶の使用)
論文題名「癌治療への尿素結晶の利用」 1933年、ウイリアム・M・ミラー博士、シンシナティ大学医学部・外科、「全米医師会雑誌」1933年5月27日号、1684頁
尿素の抗菌作用についてのファウルガーとフォーシェイ両氏の研究に続き、やはりシンシナティ大学のミラー博士は、尿素結晶を使って、身体外部に露出した癌性の潰瘍の治療を試みました。
癌がきわめて悲惨な疾患となっている一つの原因は、壊死によって脱落した組織が異様な臭気を発するからである。そこで昨年、シンシンナティ総合病院の腫瘍診療科で、こうした症例に尿素の利用を推奨し、実際に処方を行った。癌の傷口に尿素結晶を湿布すると、傷口が発していた臭気は大幅に止めることができた。
尿素結晶そのものは数分間で溶けてしまうわけだが、傷口が発する悪臭という癌性潰瘍の恐るべき問題点は、尿素結晶の湿布を行うたびに改善されていった。
尿素結晶は安価だし、かなり強力な防腐効果がある。しかも全身性の反応を起こすような副反応の心配も皆無である。
尿素の抗菌作用の研究は20世紀を通じて続けられ、次第に広く知られるようになり、ヨーロッパやアメリカでは創傷や感染症の治療に使われていました。しかし、20世紀も半ばになると抗生物質入りの軟膏が普及するようになり、当時は抗生物質が「最新の化学技術が発明した魔法のクスリ」であるという宣伝が徹底的に行われたため、尿素の抗菌剤としての使用はすたれてしまったわけです。とはいえ抗生物質の「魔法のクスリ」という看板だって、じきに薬剤耐性菌が出現して見事にハゲ落ちてしまったわけですが・・・。
尿素は、(そして何よりも尿そのものが)本来タダで簡単に手に入る、きわめて優れた薬効を持った天然物質であり、クスリとして使っても副作用はない。その抗菌作用を活かせばあらゆる種類の創傷(きず)や(火傷)やけどに優れた治療効果を期待できるのです。
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効能報告5 論文報告「自己尿療法」(ライプツィヒ小児科医師会での講演記録) 1934年、マルティン・クレプス博士、小児科開業医、「小児科医師会」誌(ライプツィヒ)422~444頁)
マルティン・クレプス博士はドイツのドレスデンの小児科開業医ですが、彼も他の医者たちと同様に、”さまざまな疾患への治療法として患者本人の尿を使う尿療法が成果を上げている”という情報を知って興味を覚え、自分の医療実践にも採用して大成功したわけです。ニューヨークのダンカン医師はこの療法を「自家分泌療法」と呼んでいましたが、クレプス博士は「自己尿療法」ーー英語では「auto-urine therapy」、ドイツ語だと「Autourintherapie」ーーと呼んでいました。
クレプス博士の場合は、患者に本人の尿を注射するという方法をとったわけですが、たいていは途方もない効き目が即座に現れたことを、感激しながら報告しています。
小児のアレルギーやある種のけいれんは(痙攣)、患児本人の尿を筋肉注射することで顕著に改善した。ぜんそくや(喘息)こそうねつ(姑草熱=花粉アレルギー)では途方もない治療効果が観察できた。出産(分娩)時に新生児が受けた脳の外傷が原因で起こる筋肉のけいれん(痙攣)にも、自己尿療法は成果を上げた。
枯草熱にかかった八歳男児にこの患児本人の尿を五cc注射したところ驚くほどの効果があった。この患児自身の尿を注射するとただちに呼吸障害が治りはじめ、両眼に現れていた極端な充血も二、三分で消え去ったのである。
もう一人、これは喘息のために三年半もサナトリウムでの療養を余儀なくされた小児であったが、自己尿を四cc注射したところわずか六分後には深呼吸ができるようになり、喘息発作で睡眠が中断されることもなくなった。
初めて試した自己尿療法がこのように大成功に終わったことに私は大いに励まされ、他の疾患にも試してみる気になった。そこで局部的な麻痺と筋痙攣を見せている生後10か月の乳児に自己尿療法を実施することにした。この乳児の症状が分娩時に脳に受けた外傷のせいであることは明らかであった。たった一度の自己尿注射で、この男児はそれまで痙攣のために開かなかった両手のこぶしがひらくようになった。また身体の動きも全般的にぎこちなさが薄れ、笑うようにもなった。両親の話では、この患児はそれまで笑ったことがなかったという。さらにこの患児はそれまでに何度か狭心症の発作を起こしていたが、これも自己尿注射の後は起こらなくなった。
尿療法は、これまでに次のような症状や目的に使用できることが判った。
1;妊娠時の毒血症 2;アレルギーの諸症状 3;百日咳 4;痙攣 5;母乳の分泌促進 6;枯草熱 7;喘息 8;扁頭痛をともなった各種の疾患 9;湿疹
私は、自己尿療法は小児科分野の医療で活用するだけの価値があると確信している。特に枯草熱と喘息の治療にはぜひともこの療法を勧めたい。ここに紹介したそれ以外の各種の疾患については、自己尿療法の効果を確かめるため、今しばらく追跡調査をしてみようと思っている。
この講演録でも宣言されていますが、クレプス博士はその後も自己尿療法の小児科的応用についての臨床研究を続け、1940年には「急性感染症の緩和治療における回復期患者の尿の使用」と題する論文を発表しています。この論文では、百日咳やはしか(麻疹)や水痘のような子供の感染症に(かん腸で自己尿を患者の直腸に入れる方法による)尿療法が安全かつ効果的であることが報告されています。
クレプス博士は、感染症の患児58例に対する尿療法が素晴らしい成果を上げたことに感動し、他の医師たちにも小児感染症の治療手段として尿療法の採用を勧めています。そればかりか尿療法の卓越性に気づくや、他の医者や研究者たちみたいに”業界内部の秘密”として隠しておくのではなく、親が子供に対して家庭で簡単に実行できる尿療法の方法を親たちに教えてもいたのです。
効能報告6 論文題名「急性出血性腎炎に対する自己尿ワクチン療法の効用」 1934年、R・ティベリ博士、ペルージャ大学(イタリア)臨床医学研究所、「診断術」誌(イタリア)、1934年6月9日号(第14巻)183~196頁
腎炎とは「急性または慢性の腎臓の炎症」のことを言いますが、これは腎臓の感染症であり、通常の医学的治療では治すのが難しく、しかも場合によっては重症化して致命的になりうるという問題を抱えた疾患です。ーーーーーー。
小林
おどろきましたね、もうとっくにお医者さんは知っていたんですよ、尿療法を。
でもやっぱり、隠したいんでしょうね、こんな療法がはやったら、医者は儲からないですから。
その気持ち、わかりますね。