9.11について

2001年の9.11事件や、その他色々な感想、思い、などを書いていけたらなと、思っています。

9.11について <債務貨幣システムとは> その25

2017年10月19日 | 日記
とあるスナックで

コー
今日はちょっと写真を見てもらいたんだ。

これは川にある、堰だね、これを (NO1)の写真としよう。

これは田んぼの脇の用水路だ。これを (NO2)としよう。

 これは用水路から田んぼに水を入れる取水口だ。これは(NO3)としよう。
こちらも取水口だが、別の田んぼに入れる取水口だ。こちらは(NO4)としよう。

小林
コーさん、一体何の話をはじめるんですか。


コー
いやいや実は<債務貨幣システム>の中央銀行と一般の銀行が行う(金融緩和)と(金融引き締め)について話がしたいんだ。その説明のために上の4枚の写真を思いついたんだ。
山口薫の表で言えば、上から3番目の(貨幣供給)の話なんだ。
(貨幣供給)は<債務貨幣システム>では、(ベースマネーは中央銀行)そして(預金・信用は銀行貸付)、そして(流通通貨は非金融機関)と書いてある。まず、この中央銀行と銀行と非金融機関のそれぞれの(貨幣供給)の仕方の違いを考えてみようと思う。

(流通通貨は非金融機関)
これはたとえばママが僕にお金を貸したときじゃないかと思う。ママは一生懸命に節約してお金を貯めて、そしてそのお金を僕に貸す。そのときママは<無からお金をつくる>ことは出来ないわけだ。そう<信用創造>でお金を貸し出すことができないんだよ、ママは。いわば右にあるお金を左に、左にあるお金を右に移動してるだけなんだな。政府も企業も一般の商店もみなそうだと思う。右にあるものを左に、左にあるものを右に移動してるだけなんだな。増えたり減ったりしていないんだ、全体のお金の量は。


(ベースマネーは中央銀行)、(預金・信用は銀行貸付)
こちらはそこが違うんだな。こっちは政府にも出来ない(お金を、増やしたり減らしたりできる)唯一の機関なんだ。
しかも、<無からお金を作れる>んだ。保有してる(金・きん)の量に応じてということではないんだ。
黒田日銀はせっせと銀行が持っている国債を買っている。その代金は、日銀にある銀行の(当座預金口座)に積み上がるわけだ。その時日銀は<無からお金を作っている>わけだ。銀行の日銀当座預金口座の通帳に、キーボードで数字を打ち込むだけだと思う。
一方銀行の<銀行貸付>もそうだと思う。<無からお金をつくる>ことだと思う。いままでさんざん話してきた、この事を<信用創造>、<部分準備銀行制度>というわけだ。


ここから今日の写真の話なんだがその前にママ、きょうはちょっと寒いので日本酒をお燗して一本頂戴、お願いします。

ママ
ハイハイ、いつもの純米酒ですね。

コー
だから、この中央銀行と銀行の貸付とで、全体のお金の量がコントロールされるということだと思う。ただこの関係が説明しづらいんだな、そこで今日の写真を使って説明したいんだ。

この4枚の写真は、田植えの時の写真と思って欲しい。

(NO1)は、大きな川にある堰だね。まずここの堰の高さを上げて水位を上げる。そうすると、その水は田んぼの近くの約1メートル幅の用水路(NO2)に流れる。でもこのままではまだ田んぼに水は行かないんだ。(NO3)と(NO4)の取水口を開けないと田んぼに水はいかない。

水は増えたお金としよう。そして川の堰は、中央銀行としよう。そして用水路の取水口は銀行貸付なんだな。田んぼは、一つは実体経済、もう一つは金融経済だ。

まず中央銀行が<量的緩和>をする。川の堰を上げて水位を上げる。そうすると水は用水路にどんどん流れる。でもまだ田んぼには水は流れない。
ここで銀行貸出が出てくるわけだ。銀行貸出が増える、(NO3)と(NO4)の取水口が開いて、そこではじめて実体経済または金融経済にお金が増えていくわけだ。

(NO3)を実体経済の田んぼの取水口としよう。そして(NO4)を金融経済の田んぼの取水口とする。

だから、お金の流れを見ていくときには、この(NO1)と(NO3)と(NO4)の関係を見ていかなければならない、ということなんじゃないかなと思う。

中央銀行の政策だけで、(NO1)の堰の高さを上げただけで、(NO3)と(NO4)のそれぞれの市場にお金は増えないというわけだ。
これが現在の黒田日銀の金融緩和の実体じゃないんだろうか。(NO2)の用水路には溢れるくらいの、水が流れているんだけどね。もう一部は溢れているのかな。

逆に堰の高さを少し下げても、用水路にある程度の水が流れていれば、用水路の取水口を大きく開けると水はどんどん田んぼに流れるという事だ。
この関係が、日本がかつて株式市場でバブルができ、土地の値段がどんどん上がって行った時の仕組なんではないだろうか。
日銀の<窓口指導>によって、強制的に金融市場の(NO4)の取水口が大きく開けられたということだ。当時はお金を借りたい人はいっぱいいたわけだから。

さらに堰の高さを下げていくと、こんどはいくら(NO3)と(NO4)の取水口を開けても、用水路に水が流れてこないわけだから、逆に田んぼから水が用水路の方に出て行ってしまう。これが中央銀行による<金融引き締め>だと思う。金利が高くなれば、お金を借りにくくなる。銀行の貸出額がだんだん減っていく。新しく増えたお金が株式市場、土地取引に流れなくなる。そうなればバブルは終わりだ。右肩下がりにならざるを得ない。

(NO3)と(NO4)は銀行の貸出だけれど、これは銀行だけで取水口を開けることは当然できないよね、借りる側がいないとできないわけだから。でもおおきく開いた口をだんだん小さくしていくことはできるんじゃないだろうか、銀行自身で。貸出を制限するわけだ。

だから中央銀行だけで、好景気やバブルを作り出すことはできないんだと思う。銀行の貸出が関係してくるわけだから。写真で言えば、(NO3)と(NO4)の取水口を開けなければならないということだから。この取水口は現在は<窓口指導>がなくなって、中央銀行で勝手に開けられないんだな。しかも肝心の田んぼの方でちっとも借りようとしない、水を引き入れようとしないんだな。いやーちょっと気温が低いもので水を入れてもなかなか稲が育たないといっているのか、日照時間が最近短くなってやっぱり稲が育たないと言っているのかわからないけれど、なにしろ用水路にはたっぷりの水が流れているんだけど、ちっとも肝心の用水路の取水口が開かないんだな。

そこで出てくるのが、<お金を直接ばらまく>という意見だと思う。ちっとも田んぼの方で銀行からお金を借りようとしないなら、ここは用水路からポンプで直接田んぼに水を流してしまえということだ。銀行貸出という取水口を通さずに、直接国民に(お金)を<無からつくって>渡しちまおうということだ。そのお金が使われれば、国全体のお金の量が増える。当然消費が増える。今の日本はデフレ傾向だから、そのデフレが止まり好景気になるきっかけを作れる。インフレの時は絶対出来ない政策なんだろうけど、ますますインフレになるからね。でもいまはできるんだな。


ママ
ほんと?うれしいわ。どうせやるなら思い切って国民ひとりあたり、子供から老人まで全員100万円を配って欲しいわ。そうすればすこしは景気が良くなるんじゃないの。売上が増えてみんなの給料も上がると思うわ。なにしろお給料が上がらなくちゃ話にならないわよ。


コー
そうなんだ。でも思い切ってやれる政治家は今の日本にいるんだろうか。おれはいないと思うな、残念だけど。それに次またと何回も何回も出来るわけはないんだと思う、この政策は。


小林
そうするとコーさん、金融経済のバブルや実体経済の好景気を作るためには、中央銀行の金融政策だけでは作れないということですか。

コー
そうなんだ、川の堰の高さを上げて用水路に水をいっぱい流しても、田んぼへの取水口が開かなければ、田んぼには水は行かないということだと思う。またその取水口は田んぼ側の要請があって初めて開くわけだ。水が流れてくれば、気温もあったかいし天気がよくて太陽もよく照って、稲も順調に育つなと思えれば水を田んぼに引き入れるんだと思う。

でもこれだけははっきり言えると思う。<バブル>や<好景気>を作るために、中央銀行は<必要条件>を作ることはできる、ということが。

<バブル>や<好景気>の前にはかならず中央銀行の金融緩和があったはずなんだ。

でも中央銀行の金融緩和があれば、かならず<バブル>や<好景気>が起こるとは限らないということだ。


だから中央銀行は<バブル>や<好景気>を作るための<必要条件>を作れるということだと思う。必ずしも<必要十分条件>を作れるというわけではないということだと思う。


小林
でも一旦出来てしまった<バブル>や<好景気>を下り坂にしてしまうのは、簡単なんですよね。


コー
だいたい、<バブル>なんて、自然に壊れるんだよ。だって個人にしろ会社にしろ、借りられるお金の量は限度があるんだから。個人で言えば、いくらでもお金は借りられますといっても、収入が月20万の人が、返済額が月20万円を超えて借りられるわけはないんだよ。食べなくちゃいけないし家賃だってかかる訳だから、返済額が月20万円の前に、借りられる限度は来てしまうわけだ。会社でも国でも同じなんじゃないだろうか。
そうやって借りられる人が少なくなってくると、銀行貸出による、新しいお金がその市場に入らなくなってくるわけだ。そうすれば自然に右肩下がりになって、売りが売りを呼ぶようになるんだな。みんな銀行から借りて買っているからね。それが<バブル>なわけだ、金融経済で言えば。


小林
ちょっとコーさん、ここで一休みしましょう。だいぶ寒くなってきましたよ。ママ僕にもお酒燗して下さい、お願いします。

ママ
はーい、いますぐ持っていきますからね。
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9.11について ちょっと 一服

2017年10月15日 | 日記
とあるスナックで

小林
コーさん、<債務貨幣システム>の話もいよいよ佳境に入ってきたんですが、ここらでちょっと一服しましょう。いつものように<上原ひろみ>の音楽でも聴きましょうか。


コー
きょうはちょっとおもしろい動画があったんで、そちらを見てみようと思う。

いやーこれが本当の話なのか、これから世界中の地域のユダヤの人たちがいろいろ確かめに、淡路島に来る事になるんじゃないだろうか。

この動画は世界中で見れるんだろ、大変なことになっちゃいそうだな、淡路島は。ちょっと心配だな。


小林
それにしても第二次世界大戦後、GHQは仁徳天皇陵からも埋まっていたものを持っていったそうだし、そしてこの淡路島からもいろいろ持っていったみたいですね。

一体なにを調べていたんですかね。
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9.11について <債務貨幣システムとは> その24

2017年10月15日 | 日記
とあるスナックで

コー
山口薫のこの表を見ていたら、新しい<公共貨幣で新国生み イニシアティブV・9>ができたみたいだ。<最新版 2017年9月17日>となっている。
いいね、着々と進んでいるんだろうか。


小林
そうですね。なにしろ今のままでは、いずれ消費税は10%になるんでしょう。10%で済むんでしょうか。12%、15%になるんではないんですか。ゆっくり、ゆっくり上げていけば、反対も抵抗も少ないということですかね。


コー
まさしく、(ゆで蛙)状態だな、日本は。そして年金も支給年齢がだんだん遅くなっていくんだろう。そのための<生涯、現役>なわけだ。


ママ
そういえば、こないだ来たお客さんの会社で65歳で定年だけれども、健康上問題がなければ嘱託として75歳まで働けるようになったといって、喜んでいた人がいたわ。


コー
おいおい、それは喜ぶことなのかい、ちがうだろ。


小林
山口薫の本、<公共貨幣>の p-143の<第7章 債務貨幣システムはデット・エンドだ>を読むと、消費税を10%にしても日本経済は良くならないと書いてありますね。結局今の<債務貨幣システム>のままでは、どうにもこうにも行かないということらしいですね。p-158

まさに債務貨幣システムのもとでの現行マクロ経済システムは、袋小路のデット・エンドに迷い込み、デット・エンドとなる危機的局面を孕んでいる。換言すれば、現在のマクロ経済が債務貨幣システムのもとで運行される限り、債務危機回避の解決策はない。債務貨幣システムのシステムデザイン自体に欠陥があるからである。したがって、この本質的なシステムデザインの欠陥を指摘しない経済学者のいかなる処方箋も債務危機の本質的問題解決の処方箋とはなり得ない。これが会計SDマクロ経済モデルを構築して、シミュレーション分析した結果得られた結論である。本書の第一部で辿り着いた結論である


コー
だから山口薫は、<政府紙幣>を発行しただけでは、本質的な問題解決にはならないと言っているんだと思うな。
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9.11について <債務貨幣システムとは> その23

2017年10月14日 | 日記
とあるスナックで

コー
日本の中央銀行、日銀による<金融テロ>、いや<日本破壊>については、

天野統康の本、<世界を騙し続けた[洗脳] 政治学原論> 

にわかりやすく書かれている。なぜあんなに経済が良かったのに、急に株が下がり始めてそして不景気に突入していったのかが、実にわかりやすく書かれている。、今までの30年間の日本の経済を、自然な景気循環のためと説明するほうが無理というものだ。 p-135

資本主義経済と民主政治の原理を連動させて日本社会を人工的に大改造

今まで長々と自由民主制のモデルを説明してきた。実はこのモデルを巧みに用いて国際銀行権力によって破壊され改造されてきたのが、ここ30年間の日本なのである。
日本が大規模な社会改造の対象になったのは、産業資本主義として目覚しい成功を収めた日本経済が、欧米の株主資本主義にとって大きな脅威となったためだ。
実際に日本型経済システムは、90年初頭の日本のバブル崩壊までは、世界で最も高い経済成長を実現していた。戦後の焼け野原から世界最強の経済大国になるまでに成功を収めた日本の経済モデルは、全世界から注目されるようになった。マレーシアのマハティール元首相がルックイーストと述べたように、多くのアジア諸国が日本モデルを取り入れ始めた。そして、多くの国で日本と同じような経済成長を達成した。

その日本型産業資本主義モデルの世界的な普及を防ぐために、国際銀行権力は自由民主制の原理を巧みに用いて、日本が独自に築いた経済システムを完全に解体した。

ここ30年余りの日本は世界最大の産業資本主義を、欧米型の株式資本主義に変化させていく壮大な社会改造の実験場であったのだ。
残念なことだがその実験はほぼ達成されたのである。



ママ
そう昔は景気がすごっく良かったのよ。いまの若い人には想像もできないくらい景気がよかったのよ。

小林
あれママいたんですか。

ママ
いつだってそばにいるって言ったでしょ。それにしても昔は景気がよかったなー。給料はバンバン上がるし、株もバンバン上がっていって、その頃は結構株で儲かったのよママも。店も繁盛してたわ。

小林
そうですね、最近の中国みたいだったですね。日本中に活気がみなぎっていて、だいぶ浮かれた感じだったかも知れませんね。今思うと。
国全体の成長も、年10%を超える成長だったんですから、いまじゃ想像もできないですね。


コー
そうこのまま成長が続けば、いずれ経済的にアメリカを超えるだろうとまで言われたんだな。10%の成長が続けば、それは複利で増えていくわけだから、計算上はそうなると思うよ。


小林
そんな日本を認めるわけには行かなっかたんですね、彼らは。


コー
そうなんだ、そして日本潰しが計画され実行されてきたわけなんだ。ありとあらゆる面から実行されてきたわけだ。政治の面から、法律の面から、マスコミを通した世論(外国の)の面から、、ありとあらゆる方向から、日本潰しが始まったわけだ。そしてここが大事なことだが、それは今も続いているということだ。今も続いているんだ、日本潰しが。気が付いていないのは当の日本人だけかもしれない。

天野統康 著 <世界を騙し続けた[洗脳] 政治学原論>の第二章 マネーの詐欺学によって破壊・解体され、形作られた30年間の日本の軌跡
日本が徹底的に騙され操作されてきた実例集


を読むとよくわかる。


小林
わたしは始めの頃は半信半疑だったんです、日本銀行が日本潰しを行ったなんて。信じられなかったんです。
でも、リチャード・A・ヴェルナーを読み、天野統康を読み、そして山本幸三の<日銀に潰された日本経済> 2010年4月 (株)ファーストプレス という本を読んで納得しましたね。

日本は意図的に破壊されたんだと。
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9.11について <債務貨幣システムとは> その22

2017年10月12日 | 日記
とあるスナックで

コー
1929年のウォール街の株暴落から始まった恐慌も、すさまじかったんだな。

天野統安(もとやす)著 <詐欺 経済学原論> (株)ヒカルランド 2016年4月 p-109

FRBによる世界恐慌の演出

米国発の1929年の世界恐慌はFRBの金融政策によって作られたものであった。
毎度の事ながら、一部の国際銀行家と結びついた中央銀行の金融政策による意図的な景気変動と、その変動を加熱させる怪しい金融商品とのコラボレーションである。
世界恐慌は米国で1920年代に起きた空前の株バブルとその崩壊による暴落で生じた。その経緯は以下のとおりである。

1920年代にFRBが金融緩和政策を行い、各銀行の貸出量を急激に増加させた。前述したとおり、銀行が貸し出しを行うと新たなマネーが創造される。当時の米国の融資の担保は株だったために、融資の拡大は株に対する需要を高め株価を上昇させた。しかも融資の多くは証券業や不動産業など金融経済の業種に向けて行われた。1921年~29年までの銀行融資の総額は、約241億ドルから、357億ドルに増加し、その内の80億ドルは金融経済向けの融資だった。つまり融資の増加の70%が金融経済向けだったのであり、これが株バブルを作り出した根本原因である。

更に、株を購入するときに元手が10%でよく、残りの90%は金融ブローカーがローンを組んでくれるというマージンローンといわれる新しいローン商品が販売された。10%の資金で、担保になり、かつ市場で上昇している株を購入できるできるのだと、人々は喜んでローンを組んだ。これが更に株式市場を上昇させ、ダウ平均の株価は1921年~29年まで6倍に上昇した。しかしこのマージンローンにはとんでもない契約内容が記されていた。金融会社からの返済請求があったら、24時間以内に株を購入した時のローンを返済しなければならないのである。1928年にFRBは、それまでの政策を180度変化させて、金融政策を引き締め、銀行の新規の貸し出しを厳しくおさえはじめた。29年8月には金利を6%に上昇させた。更に、マージンローンの返済が金融会社から出されると、人々はパニックになり、株価は売り一色になり10月24日に大暴落を起こした。後ほど説明するマネタリズムの創設者、ミルトン・フリードマンはこの世界恐慌をFRBの金融政策のせいである、と批判している。

担保価値の暴落は多くの銀行を倒産させ、個人を破産させた。一方で、ロックフェラーやモルガンなどFRBの株主と仲間たちは高値で売り抜けており、暴落した企業の株や、破産した個人の土地を買い占めた。米国は独立してから150年の開拓の歴史によって多数の独立した銀行、企業、農業者が存在していた。潰れた多くの銀行はFRBのシステムに加入していない独立系の銀行だった。
こうして歴史的なバブルとその崩壊により米国の富はFRBの株主たちによって独占されていく。



小林
この株バブルの崩壊とその後の不況で、失業者が世界中で発生したんですね。

恐ろしく大きな大きな<羊毛刈り>だったんですね。


コー
<羊毛刈り>なんてのものじゃないよ、<金融テロ>、いや、<金融による破壊戦争>とでも呼んだほうがいいくらいだ。
しかもここが大事なとこだと思うが、すべて合法的だということだ。
<債務貨幣システム>の特徴である独立した中央銀行は、これができるということだ。どんな政策をしても、政府などから干渉されず、法律的に罰せられないということだ。せいぜい政策的に失敗したと非難されるくらいだろう。失敗なんかではなく、彼らにしたら大大成功なんだ。株バブルを作り、そしてその崩壊、それに続く不況は、何年もかけて作り上げてきた仕組みの最終的な成功なわけだ。

これが中央銀行の独立の本当の意味かもしれない。


小林
そしていよいよ日本の中央銀行による<金融テロ>ですね。


コー
これがまたすさまじい。しかも国民はいまだに、仕組まれたということがわからないということなんだ。

リチャード・A・ヴェルナー 著 <円の支配者> (株)草思社 2001年5月 p-161

債務が所得より急増すれば、災厄は目前

銀行融資は国の借金ということもできる。借金の金利を払えるかどうかは、所得の創出に左右される。つまり、国内総生産の伸びである。大まかに見て貸出額の伸びが国内総生産の伸びを上回る分だけ、非生産的な信用創造が行われているということだ。このお金はすべて、生産に使われるのではなく、土地や株式市場での投機に使われた。そして、債務しか残さなかった。信用創造の額の大きさを考えれば、アインシュタインでなくても、日本が破滅に突き進んでいたことはわかる。個人だろうと、会社あるいは国家であろうと、借金が増えるほうが所得が増えるよりも早ければ、どこかで返済が不可能になるに決まっている。

資産価格は新たなお金が市場に流入しているあいだは上昇する。信用がふくらませたバブルを破裂させるには、貸出額の伸びを抑えればいい。信用というピラミッド全体は、トランプの家のようにがらがらと崩れ去る。資産価格は下落する。おおぜいの投機家は多額の借金を抱えて放り出される。彼らは資産価格が上がらなければ金利を払えない。まして、元金など返済できはない。そこで、資産を叩き売る。資産を叩き売りする投機家が増えれば、資産価格はますます下がる。投機的な借金がさらに白日のもとにさらされる。多くの投機家は破産に追い込まれる。銀行には不良債権が積み上がる。あれこれを考えあわせれば、問題の最終的な規模を推測するのはたやすい。バブルが破裂すれば、国内総生産の伸びを上回る貸出額の伸びの分だけ、不良債権化する。

バブル崩壊--1990年代の物語

そしてもちろん、1990年代にこのとおりのことが起こった。1989年半ば、銀行はとつぜん貸出額の伸びを抑えだした。半年後、株価が最高値をつけて、急落した。つぎに、地価の上昇が止まった。資産市場に新たなお金が流入しなくなると、資産価格はもう上がりようがない。投機家はポジションをカバーするために売りに出た。1990年だけで、日経平均株価225種で見た株式相場は32パーセントも下落した。地価も急激な下降に転じた。商業地区で特に投機対象となった土地だと、「市場価値」が70パーセント以上も下がった。不動産投機家はますます追い詰められた。彼らが破産すると、銀行のほうは何十年もなかった不良債権の不安を感じだした。問題があっというまに拡大しかねないことに、銀行は気づいた。そこで、銀行は慎重になった。慎重になったどころではなかった。不動産や建設関係、ノンバンクの金融業者への貸出を急激に引き締めたのだ。そのために、資産価格はますます下落した。市場に流入する新たな資金がますます減ったからだ。破産件数は増加した。
潜在的な不良債権の規模の大きさにおののきはじめた銀行は(99兆円の「バブル」融資のほとんどが焦げつく可能性があった)、恐怖のあまり投機家への融資を止めただけでなく、バブルとは何の関係もない製造業の企業への融資も制限しだした


小林
信用収縮(クレジット・クランチ)が始まったということですね。
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