日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(727)「象は鼻は長い」の「述語論理」の「展開」。

2020-10-04 13:50:06 | 論理

(01)
象={a,b}は「集合」である。
鼻={α,β}も「集合」である。
として、
1   (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
 2  (2)∃x(象x)            A
1   (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)  1UE
  3 (4)   象a             A
1 3 (5)      ∃y(鼻ya&長y)  34&I
   6(6)         鼻ba&長b   A
  36(7)      象a&鼻ba&長b   46&I
  36(8)   ∃y(象a&鼻ya&長y)  7EI
1 3 (9)   ∃y(象a&鼻ya&長y)  568EE
1 3 (ア) ∃x∃y(象x&鼻yx&長y)  9EI
12  (イ) ∃x∃y(象x&鼻yx&長y)  23アEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」は、
1       (1){象a→(鼻αa&長α)∨象a→(鼻βa&長β)}&
           {象b→(鼻αb&長α)∨象b→(鼻βb&長β)}  A
 2      (2) 象a∨象b                     A
1       (3){象a→(鼻αa&長α)∨象a→(鼻βa&長β)}  1&E
  4     (4) 象a                        A
   5    (5) 象a→(鼻αa&長α)               A
  45    (6)     鼻αa&長α                45MPP
  45    (7)  象a&鼻αa&長α                46&I
  45    (8) (象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)   7∨I
    9   (9)             象a→(鼻βa&長β)   A
  4 9   (ア)                 鼻βa&長β    49MPP
  4 9   (イ)              象a&鼻βa&長β    4ア&I
  4 9   (ウ) (象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)   イ∨I
1 4     (エ) (象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)   3589ウ∨E
1 4     (オ){(象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)}∨
           {(象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)}  オ∨I
1       (カ){象b→(鼻αb&長α)∨象b→(鼻βb&長β)}  1&E
     キ  (キ)    象a                     A
      ク (ク) 象b→(鼻αb&長α)               A
     キク (ケ)     鼻αb&長α                キクMPP
     キク (コ)  象b&鼻αb&長α                キケ&I
     キク (シ) (象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)   コ∨I
        ス(ス)             象b→(鼻βb&長β)   A
     キ ス(セ)                 鼻βb&長β    キシMPP
     キ ス(ス)              象b&鼻βb&長β    キス&I
     キ ス(セ) (象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)   セ∨I
1    キ  (ソ) (象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)   カクシスセ∨E
1    キ  (タ){(象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)}∨
           {(象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)}  ソ∨I
12      (チ){(象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)}∨
           {(象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)} 24オキタ∨E
といふ「命題計算(Propositional calculus)」に、「相当」する。
従って、
(01)により、
(02)
{aとb}が「象」であって、
{αとβ}が「鼻」である「世界」を想定すると、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)},∃x(象x)├ ∃x∃y(象x&鼻yx&長y)
②{象a→(鼻αa&長α)∨象a→(鼻βa&長β)}&{象b→(鼻αb&長α)∨象b→(鼻βb&長β)}, (象a∨象b)├ {(象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)}∨{(象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)}
といふ「連式(Sequents)」に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
{aとb}が「象」であって、
{αとβ}が「鼻」である「世界」を想定すると、
① 象は鼻は長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長い}。
とするならば、
②{(象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)}∨{(象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)}⇔
②{(象aの鼻はαであって、αは長い)か、または、(象aの鼻はβであって、βは長い)}か、または、{(象bの鼻はαであって、αは長い)か、または、(象bの鼻はβであって、βは長い)}。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(04)
つぎの2章において取り扱をうとする述語計算のような、より複雑なレベルの論理学においては、真理表の方法は無効となる。実際このレベルにおける表現を、妥当なものと不妥当なものにふるいわける機械的な手段は存在しないことが知られているのである。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、115頁)
然るに、
(05)
「述語論理」ではなく、「命題論理」の場合は、「妥当なものと不妥当なものにふるいわける機械的な手段が存在する。」
従って、
(04)(05)
(06)
すべての述語倫理式」が、「命題論理式」に「翻訳出来るとするならば、「矛盾」する。
従って、
(03)(06)
(07)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)},∃x(象x)├ ∃x∃y(象x&鼻yx&長y)
②{象a→(鼻αa&長α)∨象a→(鼻βa&長β)}&{象b→(鼻αb&長α)∨象b→(鼻βb&長β)}, (象a∨象b)├ {(象a&鼻αa&長α)∨(象a&鼻βa&長β)}∨{(象b&鼻αb&長α)∨(象b&鼻βb&長β)}
といふ「連式(Sequents)」に於いて、
①=② である。
といふのは、あるいは、「方便」である。
といふ、ことになる(?)。