日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(731)「∃y∀x(愛xy)」と「∀x∃y(愛xy)」の「展開と計算」。

2020-10-07 12:10:47 | 論理

(01)
{a,b,c}といふ{3人}が「変域」であるとして、
① ∃y∀x(愛xy)
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)(愛ay&愛by&愛cy)
(ⅱ)(愛ay&愛by&愛cy)∨(愛ay&愛by&愛cy)∨(愛ay&愛by&愛cy)
(ⅲ)(愛aa&愛ba&愛ca)∨(愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc)
といふ「手順」で、「展開」出来る。
同様に、
(02)
{a,b,c}といふ{3人}が「変域」であるとして、
② ∀x∃y(愛xy)
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)(愛xa∨愛xb∨愛xc)
(ⅱ)(愛xa∨愛xb∨愛xc)&(愛xa∨愛xb∨愛xc)&(愛xa∨愛xb∨愛xc)
(ⅲ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)
といふ「手順」で、「展開」出来る。
従って、
(01)により、
(03)
{a,b,c}といふ{3人}が「変域」であるとき、
(ⅰ)
1 (1)∃y∀x(愛xy) A
 2(2)  ∀x(愛xb) A
 2(3)     愛ab  2UE
 2(4)  ∃y(愛ay) 2EI
 2(5)∀x∃y(愛xy) 4UI
1 (6)∀x∃y(愛xy) 125EE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」は、
(ⅰ)
1    (1)(愛aa&愛ba&愛ca)∨ (愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc)  A
1    (2)(愛aa&愛ba&愛ca)∨{(愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc)} 1結合法則
 3   (3)(愛aa&愛ba&愛ca)                               A
 3   (4) 愛aa                                        3&E
 3   (5) 愛aa∨愛ab∨                                   4∨I
 3   (6)(愛aa∨愛ab∨愛ac)                               5∨I
 3   (7)     愛ba                                    3&E
 3   (8)     愛ba∨愛bb                                7∨I
 3   (9)    (愛ba∨愛bb∨愛bc)                           8∨I
 3   (ア)         愛ca                                3&E
 3   (イ)         愛ca∨愛cb                            ア∨I
 3   (ウ)        (愛ca∨愛cb∨愛cc)                       イ∨I
 3   (エ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)                 69&I
 3   (オ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)   ウエ&I
  カ  (カ)             {(愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc)}  A
   キ (キ)              (愛ab&愛bb&愛cb)                 A
   キ (ク)               愛ab                          キ&E
   キ (ケ)           愛aa∨愛ab                          ク∨I
   キ (コ)          (愛aa∨愛ab∨愛ac)                     ケ∨I
   キ (サ)                   愛bb                      キ&E
   キ (シ)               愛ba∨愛bb                      サ∨I
   キ (ス)              (愛ba∨愛bb∨愛bc)                 シ∨I
   キ (セ)                       愛cb                  キ&E
   キ (ソ)                       愛cb∨愛cc              セ∨I
   キ (タ)                  (愛ca∨愛cb∨愛cc)             ソ∨I
   キ (チ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)                 コス&I
   キ (ツ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)   タチ&I
    テ(テ)                            (愛ac&愛bc&愛cc)   A
    テ(ト)                             愛ac            テ&E
    テ(ナ)                         愛ab∨愛ac            ト∨I
    テ(ニ)                    (愛aa∨愛ab∨愛ac)           ナ∨I
    テ(ヌ)                                 愛bc        ニ&E
    テ(ネ)                             愛bb∨愛bc        ヌ∨I
    テ(ノ)                        (愛ba∨愛bb∨愛bc)       ネ∨I
    テ(ハ)                                     愛cc    テ&E
    テ(ヒ)                                 愛cb∨愛cc    ハ∨I
    テ(フ)                            (愛ca∨愛cb∨愛cc)   ヒ∨I
    テ(ヘ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)                 ニノ&I
    テ(ホ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)   フヘ&I
 カ   (マ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)   カキツテホ∨E
1    (ミ)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)   23オカマ∨E
といふ「命題計算(Propositional calculus)」に、「等しい」。
然るに、
(02)により、
(04)
   (ⅱ)
1 (1)∀x∃y(愛xy) A
1 (2)  ∃y(愛ay) 1UE
 3(3)    (愛b) A
 3(4)  ∀x(愛xb) 3UI
 3(5)∃y∀x(愛xy) 4EI
1 (6)∃y∀x(愛xy) 135EE
といふ「述語計算(?)」は、
(ⅱ)
1 (1)(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc) A
1 (2)(愛aa∨愛ab∨愛ac)                             1&E
 3(3)     愛ab                                  A
 3(4) 愛aa&愛ab                                  33&I?
 3(〃)(愛aa&愛ab&愛ca)                             33&I?
 3(5)(愛aa&愛ab&愛ca)∨(愛ab&愛bb&愛cb)               4∨I
 3(6)(愛aa&愛ab&愛ca)∨(愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc) 5∨I
といふ「命題計算(?)」に、「相当」する。
然るに、
(05)
(ⅱ)
 3(3)    (愛b) A
 3(4)  ∀x(愛xb) 3UI
は、「規則UI」に対する、「違反」であって、尚且つ、
(ⅱ)
1 (2)(愛aa∨愛ab∨愛ac)                             1&E
 3(3)     愛ab                                  A
 3(4) 愛aa&愛ab                                  33&I?
 3(〃)(愛aa&愛ab&愛ca)                             33&I?
といふ「計算(?)」も、「デタラメ」であって、
例へば、
①(愛aa&愛ba&愛ca)∨(愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc)
②(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)
③(愛aa        )&(    愛bb    )&(        愛cc)
に於いて、
① ならば、② であって、
③ ならば、② であるが、
③ と ② は、「同時である」ことが、出来るが
③ と ① は、「同時である」ことは、出来ない
cf.
1    (1)  ①→②  A
 2   (2)  ③→②  A
  3  (3)~(③&①) A
   4 (4)  ②→①  A
    5(5)  ③     A
 2  5(6)    ②  25MPP
 2 45(7)    ① 46MPP
 2 45(8) (③&①) 57&I
 2345(9)~(③&①)&
         (③&①)
 23 5(ア)~(②→①) 49RAA
従って、
(01)~(05)により、
(06)
{a,b,c}といふ{3人}が「変域」であるとき、
① ∃y∀x(愛xy)≡(愛aa&愛ba&愛ca)∨(愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc)
② ∀x∃y(愛xy)≡(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない
然るに、
(07)
① ∃y∀x(愛xy)≡(愛aa&愛ba&愛ca)∨(愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc)
の場合は、
① ∃y∀x(愛xy)≡(愛aa&愛ba&愛ca)
であっても、「真」である。
従って、
(07)により、
(08)
① ∃y∀x(愛xy)≡(aは、a自身を愛してゐて、bは、aを愛してゐて、cは、aを愛してゐる。)
であっても、「真」である。
然るに、
(09)
{a,b,c}といふ{3人}が「変域」であるとして、
①(aは、a自身を愛してゐて、bは、aを愛してゐて、cは、aを愛してゐる。)
といふことは、
① aといふ、ある人は、すべての人(a、b、c)に、愛されてゐる。
といふことに、他ならない。
然るに、
(10)
② ∀x∃y(愛xy)≡(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)
の場合は、
② ∀x∃y(愛xy)≡(愛aa∨愛ab∨愛ac)
② ∀x∃y(愛xy)≡(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)
であれば、「偽」であり、それ故、
② ∀x∃y(愛xy)≡(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)
でなければ、「真」には、ならない。
然るに、
(11)
②(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)
といふことは、
②(はa自身を愛してゐるか、または、はbを愛してゐるか、または、はcを愛してゐる。)そして
②(はaを愛してゐるか、または、はb自身を愛してゐるか、または、はcを愛してゐる、)そして
②(はaを愛してゐるか、または、はbを愛してゐるか、または、はc自身を愛してゐる。)
といふことであって、といふことは、
② すべての人()は、ある人を愛してゐる。
といふことに、他ならない。
従って、
(06)~(11)により、
(12)
{a,b,c}といふ{3人}が「変域」であるとして、
① ∃y∀x(愛xy)≡(愛aa&愛ba&愛ca)∨(愛ab&愛bb&愛cb)∨(愛ac&愛bc&愛cc)
② ∀x∃y(愛xy)≡(愛aa∨愛ab∨愛ac)&(愛ba∨愛bb∨愛bc)&(愛ca∨愛cb∨愛cc)
といふ「式」は、それそれ、
① ある人は、すべての人()に、愛されてゐる。
② すべての人()は、ある人を愛してゐる。
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
① 例へば、aが、すべての人によって愛されてゐる。
といふのであれば、
② すべての人は、ある人(a)を愛してゐる。
然るに、
(14)
② すべての人が、ある人を愛してゐる。
としても、
② すべての人が、一人の同じ人物(例へば、a)を愛してゐる。
とは、限らない
従って、
(01)~(14)により、
(15)
① ∃y∀x(愛xy)≡ ある人は、すべての人によって、愛されてゐる。
② ∀x∃y(愛xy)≡ すべての人が、ある人を愛してゐる。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない