これは失言と言って済ませられる問題ではないと思います。
総理大臣に、親しく助言もできる立場と言う人が、今の日本のコロナ事情を「さざ波」と言ったということです。確かに他国に比べれば重症患者も死者も少なくすんでいます。でも、今、病と闘っている人、亡くなってしまった人、その方々を必死で看病していらっしゃる医療従事者の方のご疲労、どの方の立場にしても、辛い現実です。死に瀕した重症の方の入院先がなく、命の選別もせざるを得ない医療崩壊も現実です。
それを「さざ波」と言い捨てるのですか。おまけに、「笑笑」と笑うのですか。
思うに、言葉を考えて使っていないのではないのでしょうか。自分も楽しんで、便利に使っているラインなど、早く、短く、すぐ返すことが第一なのだそうですね。表現を考えることなど捨ててしまっているのでしょうか。古い時代がよかったとは言いませんが、私どもは、友人に出す手紙も、自分の考えていることを、いかに相手によく通じさせるか、表現に気を使い、適する語彙を選び、相手の感情も思いやり、書き上げたものです。
それがスピード第一、自分でもあやふやな考えを、スタンプとか、絵文字とか、短縮語とか、あまりにお手軽ではないですか。この度の「笑笑」でも、この人は単に記号としか思っていないのではないのかしら。ここで笑って深刻さを誤魔化して、「うまいだろう」とほくそ笑んでいたのかしら。
ここで、自分の子供の恥をさらします。子どもはこのブログを読んでくれているようですから、紙面でお説教です。
つい最近、娘の義父が亡くなりました。コロナ拡大の時期なので、家族葬で済ませるとのこと、私どもも駆けつけることなく、ご仏前とお花を供えるようにしました。義母さんも身体が万全でなく、娘がよく働いてくれたとおっしゃっていました。葬儀の後、ラインで私どもがお供えした花を写真で送ってくれました。ここ迄は、今まで経験したことのない葬儀を、取り仕切る夫を助けて無事義父さんを送った良い嫁だったのねと安心していました。
ところがラインを見て、思わずのけぞりました。「こんなお花を供えさせていただきました」の文の前に、「ありがとう」の言葉つきのスタンプが踊っていたのです。
娘はおしとやかな、お嬢様育ちとは言えない人です。でも常識のない人だとは思っていませんでした。近頃の若者にしては文章もうまく書くし、この度は義母さんから褒めていただく働きぶりだったようでした。
それがこのスタンプです。非常識です。現代に生きる娘は、ラインにはスタンプが悲しみを薄めるためにも入れたほうがいいと思い込んでいるのでしょう。
私に言わせると非常識です!!。
私の方が非常識なのかなあ。かんがえてみてください。