isseyと愉快な仲間達

日々謝罪と反省なり。

コロニー

2006年10月14日 12時21分06秒 | 青狸外伝
「何か様子がおかしい

 絶対に何か隠している」


ノヴィ太は確信した。


ここ最近、ドラ○もんの私生活に

異変を感じたのは1週間程前だった。


いつものように2階の窓から出て行き

何故かワラや草を拾って帰ってくる。

そして押入に敷き詰めてはまた外へ飛んで行き

ワラや草を拾ってくる毎日を繰り返している。


こないだなんか大量の古新聞を

持ち帰って押入で裁断していた。


何をしているのだろうか?

鶴の恩返しのように何かをプレゼントしてくるのか?

でも草や新聞で出来た品物なんて欲しくない。


そして昨日、遂に部屋の掃除に来たママに

押入が見付かりドラ○もんは部屋を追い出された。


今朝、学校に行く途中で空き地で穴を掘ってるドラ○もんを見掛けた。

空き地の真ん中をクレーター状に掘り

そこにワラや草を敷き詰めて巣を作っていた。


下校する時にはタヌキの置物や

埴輪などを並べてコロニーを形成していた。


その中央でドラ○もんは直立したまま

ペンギンのようにギーギー鳴いていた。



盛りがついたのか?


発情期なのか?


ロ・ロボットのくせに…



ノヴィ太の瞳には未来から来た

ネコ型ロボットの不可解な行動を、信じていた親友の愚行を

止めたいと言う強い気持ちと、自分の知らないもう1つの彼の姿を垣間見て

溢れる涙を振り切って持っていた縦笛を凶器に変え

力の限りコロニーを破壊したい気持ちを

今はただ握り拳の中で抑え込んだ。