TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 237

2019年09月29日 | エッセイ
 私の友人の一人に髭の非常に濃い奴がいる。朝に剃っても午後になると目立つようになり、退社時間になるとかなり濃く目立つ。所謂「after 5 o‘clock shadow」だ。彼には他社に勤務するガール・フレンドがいた。何回目かのデートの時、「私に会いたければ、ちゃんと髭を剃ってから来なさいよ。そんな無精髭でよく会社を首にならないわね!」と強く云われた。一番気にしていることを云われた友人は何も云わずにその場を立ち去った。

 現役を離れてからは、出かける日を除いて、日課であった朝の髭剃りを省略している。実に気分がいい。自由を得た気分だ。アルバイト、云いかえれば楽しみの一つで行っていたエキストラの有る日はきちんと髭を剃って参加していた。エキストラの仕事は前日にならないとどの番組の仕事を貰えたか、集合場所や時間もわからない。朝の4時半ごろに家を出なければならないこともあった。そんな時は前の日の入浴時に髭を剃る。通常は髭を剃って行くが、中には二、三日は髭を剃らないで来るようにと云われたこともあった。私は人並みの濃さだが、中には上記の友人並みに濃い奴もいた。彼は云われたことを忠実に守り、三日も髭を剃らないで参加した。鍾馗様のようであった。

 エキストラの仕事は毎日あるわけではなかった。有れば嬉しかったが、無い日はそれ以上に嬉しかった。「何処へも行かなくて済む!」「面倒な髭剃りをしなくて済む!」何とも云えぬ解放感に浸れる。此の解放感を味わいたくてエキストラをやっていると云った仲間もいた。同感である。

 今でもエキストラ時代の夢を見る。集合場所がわからず探し廻ったり、時間に遅れたりする夢だ。例えエキストラでも時間に遅れれば撮影に支障をきたす。何が何でも時間に間に合わせる。「サラリーマン時代より緊張しますね。責任感も出てきますね」と私に云った仲間もいた。プロの役者でありながら平気で遅刻する人もいる。今もテレビでよく見かける女優がその一人だった。本人は一流の女優と考えているらしいが、我々エキストラの間では「三流」で通っていた。男優でも女優でも、一流と云われる人たちが遅刻したことなど聞いた事がない。それなりの努力をしているのだ。

 よせばいいのに、また土曜日に上野動物園に行ってしまった。案の定「北京動物園」と化していた。此の日は涼しくて助かったが、それでもパンダを目当てにやってきた人たちには過酷な幕開けであった。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:400、 f5.6、 1/80秒、 露出補正:-1/3、 WB:オート、 PLフィルター使用。
 昨年の12月に上野動物園にやって来たオスの「ブラン」(5才)。三頭いるトラの中では一番若い。何年も上野動物園のトラを見てきたが、このように温泉でくつろぐように池の中に入ったトラを観たのは初めてであった。実にのんびりとしていた。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:400、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート、 PLフィルター使用。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:400、 f8、 1/125秒、 露出補正:-1/3、 WB:オート、 PLフィルター使用。
 ご存知とは思うが、ホッキョクグマのメスは「デア」でオスが「イコロ」である。写真は二枚ともオスのイコロである。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:400、 f8、 1/100秒、 露出補正:-1/3、 WB:オート、 PLフィルター使用。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/200秒、 露出補正:-1/3、 WB:オート。
 嫁さん候補の「ユイ」に振られっぱなしの「ジロー」。応援してやりたいのだが、具体的にどのようにしてやればいいのか見当がつかない。気のせいか悲しげな眼をしているように見えた。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/200秒、 露出補正:-1/3、 WB:オート。
 このでかいあくびを観れば、そうでもないと安心した。ジローとは長い付き合いなので、一日も早く子孫を増やしてもらいたい。結婚適齢期は当の昔に迎えているのだ。

折々の写真&雑感 236

2019年09月22日 | エッセイ
 区役所から「特別区民税、都民税還付通知書」が届いた。それには、此の還付は私の「過誤納」になっているから還付するとの説明があった。冗談じゃない。まるで区の税務課の職員が非常に優秀で、私が勝手に決められた金額以上に納付したので、一方的に「貴殿の間違いを正し、余計に納付した分をお返しする」とご親切に通知してくれたことになっている。「当方で間違えましたので云々」という文言は一行も入っていなかった。区の間違いを認めていないのだ。これは担当者の独断であるのか、区全体の方針であるのかは知らぬ。

 発端は区の税務課から納付請求書が届き、「自動支払いにするには所定の手続きをしろ、但し一期目は間に合わぬので現金で振り込め」との説明があった。区に対する種々の支払いは既に「自動振込み」の手続きを何年も前にしてある。おかしいなと思いながら、一期目は現金で支払い、それ以降の分は改めて自動支払いの手続きを行った。年金が増えたわけではなし、他に収入の道があったわけでもない。

 どうも気になったので、運良く取っておいた昨年の書類を出してみた。区役所からの書類は読み終わるとすぐに捨ててしまうのに、去年の分は処分していなかった。収入は同じだったが、区民税の額がかなり違っていた。それで区役所に電話をした。何カ所か廻され、担当者につながった。「原因を調べて電話します」とのことだったが一向に電話がない。翌日に当方から電話すると、他の係員が「彼は窓口で対応中なので終り次第電話させます」とのことだったが、電話はなかった。再度電話し担当者を捕まえた。原因は家内の配偶者控除が抜けていたためにその分の収入が増えたことになっているのだと説明された。而し、原因はそれだけではなさそうだった。それでも、昨年と同じ額に訂正されたので、それ以上の追及は止した。

 念のために、健康保険料の訂正のことを聞いた。驚いたことに、「健康保険その他への訂正はそちらで電話して下さい」と云われた。冗談じゃない、勝手に間違えておいて被害者に後始末をさせるなどとんでもない。「区のパソコンは全部が繫がっている筈だ、税務課できちんと訂正するのが当たり前だろ」と云って突っぱねた。だが、もっと信じられないことを聞いた。「訂正の文書がそちらに郵便で届くまで、最低でも一カ月はかかります」と云われた。パソコンでの訂正に5分程、郵便は翌日には届く。そのことを云うと、「窓口に受取りにお出でになれば、その場でお渡し致します」と云われた。どうせ出来ていないだろうと考えたが、翌日に他の用事もあったので区役所に行った。指定された窓口に行ってみると、何人も係員が変り、くどくどと云いわけを聞かされた。結局、全ての書類を受取ることは出来なかった。「三ず主義」を目の当たりに見た。「休まず、遅れず、働かず」だ。民間企業なら三日でつぶれる。

 本来は皆で上野動物園に行く予定だったが、暑そうだったので相談の結果日本民家園にした。かやぶき屋根の実力は素晴らしく、完全に太陽の熱を遮断してくれた。
 日本民家園は仲間と何度も何度も通っているが飽きることはない。そば処の「白川郷」がまだ改修工事中なので、前回同様に途中で買い求めた昼食を外の休憩所で食べた。美味しかった。食事後は気合を入れなおして午後の撮影に向かった。


キヤノンEOS5DMkⅣに24-105mm、4Lを装着。 ISO:1,600、 f4、 1/20秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/20秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣに24-105mm、4Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/20秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣに24-105mm、4Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/45秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。
 明治44年(1911)に建てられた原家のいびつな窓ガラスはガラス製造の歴史を伺え、また面白い写真が撮れる。このガラスが割れると手に入らず、二階から外して取り換えるそうだ。


キヤノンPowerShotG7XII、24-100mm。 ISO:125、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キヤノンPowerShotG7XII、24-100mm。 ISO:125、 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

 今回は一眼レフとコンパクトカメラを併用した。レンズ交換の手間を考えると、一眼レフからコンパクトカメラに持ち替えるだけの方がずっと簡単であったが、集中して写真を撮れていなかったように感じ、今では反省している。その時に与えられた機材で工夫して、どのような場面でも撮る方がいいように思う。これは私の感想であって、皆様に勧めようとしているわけではない。我々の仲間で、億劫がらずに何度もレンズを交換して撮影しているご婦人がいるが、無精者の私には真似出来ない。初期の頃のデジカメでゴミの付着を恐れるあまり、いつの間にか外でのレンズ交換を避けるようになってしまった。そして、レンズ交換の時間があれば一枚でも余計に撮った方がいいと勝手な理屈をつけるが、本来は仲間のご婦人のように目的に合わせてレンズを交換すべきであると考えている。

折々の写真&雑感 235

2019年09月15日 | エッセイ
 友人の奥方に毛筆の上手な人がいる。展覧会にも毎年出展している。墨の濃淡、筆の穂先の使い方。字の全くダメな私でも、その素晴らしさに息をのむ。だが、硬筆で書く字のお粗末さは私といい勝負だ。どうも理解出来ない。

 その奥さんより私の字はへたくそだ。貿易屋を志したのは字が下手であることが最大の理由だったかもしれない。日本語を書かなくて済む。取引相手にはタイプライターで印字した手紙を送ればよかった。唯一書くのはサインだけである。だが、銀行、保険会社や通産省に出す書類、それに発注書には日本語で書く必要があった。これには困った。仕方がないので家内に代筆させた。

 貿易業として独立して何年かたったころ、長男がワープロ専用機をプレゼントしてくれた。有難かった。下手な日本語を一切書かなくて済むこの機械は神からの贈り物ではないかと感じた。NECの「文豪ミニ」は日本語を書くばかりではなく、「表計算」の機能も備えていた。現在のエクセルとは比べようもないほど幼稚なものではあったが、此の表計算のお蔭でワープロ専用機からパソコンに移行するのに一週間もかからなかった。然も独学で果たした。ワープロに関しては使い方がパソコンとほぼ同じであったので全く問題はなかった。そして、ワープロ専用機とパソコンでは処理の速さが格段に違った。

 以来、現役を離れた今でもパソコンのない生活は考えられない。必要なものは全てパソコンの中に保存している。だが、困ったことに、何処に保存しておいたか忘れてしまう事だった。その予防策として紙に書いておいたが、その紙を無くしてしまう。処置なしだ。今ではノートに、見出しを付けて書いている。

 今でも世界の主要通貨の為替の変化を毎朝パソコンに記録している。全く無駄なことであることは承知している。だが、夫々の通貨の過去の最大値、最小値、その変動のパーセンテージをいくつもの関数を組み合わせて一目のもとに理解出来るような票を自動的に作られるようにしてある。また、その表の最大値には赤の斜体に、最小値には青の斜体の数字が自動的に記入されるようにしてある。関数を駆使することでボケ防止に役立っていると感じ、現在では今までに使わなかった関数にも興味を示している。

 8月の最終土曜日に写真仲間と江戸川競艇場に行った。川辺に立つと、磯のいい香りがし、涼しい風が吹いてきた。それが暫くすると、磯の香に慣れてしまったのかその匂いが感じられなくなり、風も止ってしまったようだった。舟券は誰も買っていなかったが、写真を撮ることに集中し、暑さはそれ程に感じられなかった。だが、午後からは違った。終りとは云え、やはり8月だった。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/125秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/350秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/180秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。
 そのレースが始ってすぐに事故が起きた。ターンのブイの右側で転覆したので、その瞬間を目撃していなかった。選手の不運には同情するが、その瞬間を撮りたかった。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/180秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。
 レスキューボートがすぐにやって来た。此の救助活動中にもレースが中断することはなく、各ボートはターンのためにレスキュ―ボートの向こう側を大廻りしていた。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/250秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/350秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。
 スタートしてすぐに差がついてしまう。この差は最初のターンで取り戻す。観ていると、ターンの上手な選手は必ず先頭集団に入り、3周の終りには必ず先頭になっている。この、ターンの旨い選手の名前をメモしておき、舟券を買えば大儲けすると思いながら、未だに買ったことはない。

折々の写真&雑感 234

2019年09月08日 | エッセイ
 嫌な歯科衛生士に出会い、永年通っていた歯科医院に行くのを止した時期があった。行くたびに歯の磨き方にケチをつけられ、果ては必要でもない歯ブラシ迄売りつけられた。私は電動歯ブラシを使っているのだ。

 やっと見つけた良さそうな歯科医院では歯と歯茎の間にプラスティックを詰めさせられた。かなり高額であった。何回目かの時、代診の女医に「こんなもの、何の役にも立ちません」と云われた。馬鹿馬鹿しくなって行くのを止した。次は名医と評判の医院に行った。だが、歯石除去だけでは儲からないのか、かなり粗雑に扱われた。それで止した。その次は、美人の歯科衛生士だけを大勢抱えている駅の近くの歯科医院だった。此処は、全て歯科衛生士任せで医師の診察は一度もなかった。

 家内から、あの嫌な歯科衛生士が居なくなったとの情報を得た。それで元の歯科医院に戻った。爾来安心して歯石除去の他に傷んだ歯の治療をお願いしている。歯科衛生士が歯石の除去を終えると、必ず医師が丁寧に診察して下さる。6カ月ごとに通っているのだが、実に気持ちがいい。医院がきれいで必要以上の治療費の請求は全くない。その上スタッフが全員親切である。

 頸椎の損傷の所為で歯科医の治療用の椅子を倒されると肩と腕に激痛が走る。看護婦さんが治療に差しさわりのないぎりぎりの高さまでバスタオルで枕を高くして下さる。あとは少々痛くとも歯石の除去が終るまで痛さを我慢するしかない。それが、前回から痛さを感じなくなったのだ。整形外科に通い、肩の運動をし、肩甲骨のマッサージのお蔭である。

 学生の頃に順天堂の眼科では名医から診断を受け、マラリアでは都立駒込病院の名医が治療をして下さった。私は名医に恵まれているらしい。マラリアで適切な治療が受けられなければ、確実に死は免れなかったであろう。このことは以前にも書いたが、血中にマラリア菌が5%あれば重態であるとのことだ。私の場合は10%もあったのだから、生きていることが奇跡だとマダガスカルの日本大使館の医師に云われた。

 良い病院と医師に巡り会っていたことで大半の運を使い果たしてしまったのだろう、宝くじに当たったことは一度もない。最近はお年玉の切手さえも手に入らない。それで不平を云うと友人たちに睨まれる。悪ガキ仲間の中では、私は最も健康なグループに入っているらしい。有難いことだ。この暑い中、今でも平気で写真を撮りに行く。水さえ切らさなければ問題ない。ある写真仲間は、私が熱い国への出張で鍛えられているからだと云うが、南半球の暑さの方が日本の夏よりずっと過ごしやすい。湿度の問題であろう。

 8月の第4週、暑いさなかの、上野にある「北京動物園」に行ってきた。幸いなことに日本語が通じる。トラとゴリラを撮りたかったが、中国人で溢れて前に行けなかった。成田から帰国予定の中国人たちは大きなスーツケースを引きずり、トラやゴリラの檻のガラス戸の前に平気で置いておく。そして大きな声で仲間同士で喚き合っている。小さな子や乳母車を押している母親たちは前に行けない。西洋から来たご夫婦が私の方を見て首を振っていた。恐らく彼らの国でも同様な事態になっているのであろう。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f5.6、 1/90秒、 露出補正:±0、 WB:オート。
 画面では大きく見えるが、子供のプレリードッグである。次の写真の、両親の間に挟まれた姿と比較して頂きたい。この子は周囲で何が起ころうと、餌を食べることを中断することはなかった。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f5.6、 1/60秒、 露出補正:±0、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:1,600、 f5.6、 1/160秒、 露出補正:±0、 WB:オート。
 手のひらに乗りそうな小さな猿はブラジル産のコモンマーモセットである。驚いたことに、インターネット上にこの猿の飼い方が出ていた。ペットショップで売られているらしい。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:1,600、 f5.6、 1/60秒、 露出補正:±0、 WB:オート。
 このような小さな猿でも、ニホンザルと同様な方法で毛づくろいをしているのだ。ミニチュア―の世界に入ったようだった。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:1,600、 f5.6、 1/90秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。
 コモンマーモセットとほぼ同じ大きさのケープハイラックスである。トルコをはじめとするアラビア半島に生息すると案内に書いてあった。


キャノンEOS7DMkⅡに100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:1,600、 f5.6、 1/125秒、 露出補正:-1/2、 WB:オート。

 上の二種類の猿が飼育されている「小獣館」には何度も何度も入っているが、今回は特に長くいた。冷房が効いていて快適である。冬も暖房があって有難いが、夏は特に助かる。冬はそれ相当の寒さ対策が出来るが、夏は半袖シャツでの対策しかない。

折々の写真&雑感 233

2019年09月01日 | エッセイ
 現役時代の海外出張の必需品―云いかえれば戦士の武器の装備品―であるスーツケースとアタッシュケースを最初に買ったのはどちらもアメリカ製のサムソナイトだった。乏しい資金の中からこの二品を選んだのは、戦闘中に弾丸が出なくなるような粗悪品の武器を避けたい意味もあった。スーツケースはへこんだ箇所があるが未だに現役である。而し、アタッシュケースは途中で買い替えた。あまりの寒さに焚火の近くに寄り過ぎた。その所為でかなりへこんでしまった。使って使えないことはなかったが、良い品物を見つけたので買い替えることにした。

 タイのバンコクのシーロム通りから50メートルほど入ったところに、食材を選び、好きな料理法で調理してくれるレストランがある。その50メートルほどの通路の両側にはあらゆる品物を扱う商店と露天の店が連なっている。そこで素晴らしいアタッシュケースを見つけた。本革のアタッシュケースだった。これと一緒に並べられていたグッチ、セリーヌ、シャネル等のマークが浮き彫りにされているビニール製の偽物のアタッシュケースも売られていた。私が選んだ本革のアタッシュケースは、それらの偽物より安かった。理由を聞くと、私が選んだものは地味すぎてバンコクの市場には合わないのだと云われた。臭いを嗅いでみると牛革の匂いがした。本革に間違いないと、それを買うことにした。ケースの枠は金属製ではなく木製だとのことだったので、「これに座っても大丈夫か?」と聞くと、店員のお嬢さんは少し下がり、私の体格を見ながら答えた。「問題ありません」と自信ありげだった。

 日本で本革のアタッシュケースを買うと、私がタイで買った値段の3倍から4倍は払う必要があった。いい買い物だった。タイでも本物の皮に似せた製品を作る技術はあるが、匂い迄つけるほどの智慧は廻らない、いやそれ程に狡くはないと信じた。現役を終えるまで、多少すり切れた個所はあったが、皮は皮のままであった。

 物を売りに行くのと違い、買いに行く場合はビニールのアタッシュケースを持ってはいけなかった。多少すり切れてはいても、本革のアタッシュケースは貫禄があり、物を大事にする人間であるとの評価を受けたのは間違いない。安い買い物だった。

 上野動物園で既に寿命が尽きてしまった鳥、他の施設に移された鳥、以前は展示をしていたが、今は園の都合で取りやめになってしまった鳥たちを掲載する。私にとっても非常に懐かしい鳥たちである。最初の2枚は初めて買ったキャノンの一眼レフの10D(僅か530万画素しかなかった)と今では販売していない古いレンズでの撮影したものである。4枚目の魚を咥えたハシビロコウは、現在も飼育されてるハシビロコウか、そうではないかの判断はつきかねる。だが、彼等の寿命から云って現在も元気でいる可能性は大である。


キャノンEOS10DにEF75-300mm、f4-5.6を装着。 ISO:100、 f11、 1/30秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS10DにEF75-300mm、f4-5.6を装着。 ISO:100、 f5.6、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:800、 f4、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。 
 南米産のコウカンチョウ。ゴリラの檻の向かい側にあるバードハウスのケージには充分な光が廻っておらず、動きの速い鳥の撮影には苦労した。


キャノンEOS7DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:200、 f5.6、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 動きが遅いと云われるハシビロコウだが、池から餌を捕まえる時の動きは「電光石火」と云っても過言ではない速さがあった。捕まえる瞬間は撮れず、その後の飲み込む前の写真しか撮れなかった。彼等の平均寿命は36年程だと聞いている。フラミンゴの、道路を挟んだ北側の檻にいるハシビロコウである。


キャノンEOS7DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 モノレールの走る下にいたエミューだが、今はどこかに移されているようだ。場所は知らない。


キャノンEOS7DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 ショウジョウトキ。南米産。非常に鮮やかな色をしている。撮っていて楽しくなる鳥である。以前は弁天門に出る途中の檻にいたが、改装後はどこか別の場所に移されて出番を待っている状況らしい。