最近のテレビドラマをご覧になって奇異な感じを持たれたことはないだろうか?そうである。コンビニ、レストラン、バー、旅館、その他の店にテレビ出演者以外に客がいないのである。番組に依っては一人か二人の客がいることはある。エキストラに支払うほんの少しの経費を削減しているのであろう。だからドラマから現実味が消えてしまう。従って、どうしてもアメリカの三流ドラマの方に惹かれてしまう。
私が貿易業をたたみ、写真ばかりを撮っていた時期があった。その時、友人の元プロデューサーから「何もしていないなら、エキストラをやれ。大変だが面白いぞ」と云われた。彼から紹介されて或るエキストラ事務所に所属した。その時のギャラの安さに驚いた。最初の6時間は5千円であった。だが、毎日仕事があるわけではなかった。別の事務所にも登録した。そこは最初の5時間が4千円であった。爾後一時間増すごとに400円から600円。一番高く払う事務所でも800円であった。中には6時間で3千500円、爾後一時間で500円と云うところもあった。交通費は殆どが自腹であった。原則として山手線内は自腹だが、その外に出た場合は交通費が出ることになっていた。だが、殆どが反故にされていた。但し、鎌倉とか八王子に行く場合は東京駅からの運賃、或いは新宿からの運賃がギャラに上乗せされ、二か月か三か月後のギャラ日(出演料の支払い日)に支払われた。また、もっと遠いところに行く場合はロケバスが出た。ひどい事務所はロケバスに乗っている間はギャラの対象外としていた。即ち、朝6時に新宿を出発し、夜の10時に帰って来たとする。拘束時間は16時間であるのに、ロケバスに乗っていた時間の9時間を引かれると7時間分のギャラでしかない。その平均的ギャラは4千800円である。これを世間一般の常識である16時間で割ると時給300円でしかない。ばかばかしくてやっていられない。私の生活はエキストラのギャラを当てにしているわけではなかったので、一日を楽しく過ごせればそれで良かった。子供を育て上げてしまい、ギャラを当てにしていない主婦も多くいた。だが、それで生活をしている若い男女も多くいた。中にはプロの俳優を夢見ている人たちもいた。我々はプロのエキストラであったが、決してプロの俳優にはなれない。私の周囲には大勢のエキストラがいた。多いときは100人近い仲間がいた。その人たちの中には一部上場企業の役員や部長だった人、大学教授、キャリアの公務員、会社経営者。生活費をエキストラのギャラを当てにしていない人が多くいるのをいいことに、エキストラ事務所はいいように我々から貪っていた。我々のギャラは事務所の利益を差し引いた額で支払われている筈であるが、ギャラの支払い時は更に仕事の紹介手数料と称して別途に上前が撥ねられていた。手数料の二重取りである。文句を云えば次の仕事を貰えないので誰も文句を云わなかった。噂だが、放送局が支払うエキストラの一日の費用は一人につき1万2千円、中間業者が2千円を取り、エキストラ事務所には1万円が入る。通常は放送局から直接仕事を取っているので1万2千円が丸々入る。相当な利益である。
我々エキストラは事務所との契約の一つに撮影現場での出来事やプロの出演者(俳優)のことについて他言しないとの條項があった。だが、エキストラの苦労話をしたところで契約違反にはならないであろう。既にエキストラを辞めて久しいが、人に云われぬ苦労と楽しみがあった。次回に述べたい。
雨が激しく降った翌日、急に思い立って明治神宮御苑に行った。花菖蒲には遅いかと危惧したが前日の雨が彼女らを若返らせてくれたようだった。
キャノンEOS5DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
キャノンEOS5DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
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私が貿易業をたたみ、写真ばかりを撮っていた時期があった。その時、友人の元プロデューサーから「何もしていないなら、エキストラをやれ。大変だが面白いぞ」と云われた。彼から紹介されて或るエキストラ事務所に所属した。その時のギャラの安さに驚いた。最初の6時間は5千円であった。だが、毎日仕事があるわけではなかった。別の事務所にも登録した。そこは最初の5時間が4千円であった。爾後一時間増すごとに400円から600円。一番高く払う事務所でも800円であった。中には6時間で3千500円、爾後一時間で500円と云うところもあった。交通費は殆どが自腹であった。原則として山手線内は自腹だが、その外に出た場合は交通費が出ることになっていた。だが、殆どが反故にされていた。但し、鎌倉とか八王子に行く場合は東京駅からの運賃、或いは新宿からの運賃がギャラに上乗せされ、二か月か三か月後のギャラ日(出演料の支払い日)に支払われた。また、もっと遠いところに行く場合はロケバスが出た。ひどい事務所はロケバスに乗っている間はギャラの対象外としていた。即ち、朝6時に新宿を出発し、夜の10時に帰って来たとする。拘束時間は16時間であるのに、ロケバスに乗っていた時間の9時間を引かれると7時間分のギャラでしかない。その平均的ギャラは4千800円である。これを世間一般の常識である16時間で割ると時給300円でしかない。ばかばかしくてやっていられない。私の生活はエキストラのギャラを当てにしているわけではなかったので、一日を楽しく過ごせればそれで良かった。子供を育て上げてしまい、ギャラを当てにしていない主婦も多くいた。だが、それで生活をしている若い男女も多くいた。中にはプロの俳優を夢見ている人たちもいた。我々はプロのエキストラであったが、決してプロの俳優にはなれない。私の周囲には大勢のエキストラがいた。多いときは100人近い仲間がいた。その人たちの中には一部上場企業の役員や部長だった人、大学教授、キャリアの公務員、会社経営者。生活費をエキストラのギャラを当てにしていない人が多くいるのをいいことに、エキストラ事務所はいいように我々から貪っていた。我々のギャラは事務所の利益を差し引いた額で支払われている筈であるが、ギャラの支払い時は更に仕事の紹介手数料と称して別途に上前が撥ねられていた。手数料の二重取りである。文句を云えば次の仕事を貰えないので誰も文句を云わなかった。噂だが、放送局が支払うエキストラの一日の費用は一人につき1万2千円、中間業者が2千円を取り、エキストラ事務所には1万円が入る。通常は放送局から直接仕事を取っているので1万2千円が丸々入る。相当な利益である。
我々エキストラは事務所との契約の一つに撮影現場での出来事やプロの出演者(俳優)のことについて他言しないとの條項があった。だが、エキストラの苦労話をしたところで契約違反にはならないであろう。既にエキストラを辞めて久しいが、人に云われぬ苦労と楽しみがあった。次回に述べたい。
雨が激しく降った翌日、急に思い立って明治神宮御苑に行った。花菖蒲には遅いかと危惧したが前日の雨が彼女らを若返らせてくれたようだった。
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雨に濡れた花しょうぶの写真は風情があって素晴らしいです。
花菖蒲の写真をお褒め頂き、ありがとうございました。