TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 437

2023年06月25日 | エッセイ
 しばらく連絡が取れなかった友人から電話があった。奥さんの実家である草津に行っていたのだと云った。草津温泉なら何度か行ったことがあるので「奥さんの実家にも温泉が引いてあるのか?」と聞くと、「それは群馬県だろ、俺の行っていたのは滋賀県の草津で温泉とは関係ない」との事だった。初めて聞く地名だった。地図で調べてみると、大津市の少し南に「草津市」と表示されている地域があり、一部が琵琶湖に面していた。インターネットの紹介では交通の便が非常に良くて病院や学校、商業施設も充実しており、住み良さでは関西では屈指の地域らしい。それに人口も年々増加しているとの説明もあった。

 友人には何回も携帯(スマホ)に電話したが全く繋がらなかった。奥さんの実家にいる間は電源を切っていたらしい。彼は、電話は受けるものではなく、用がある時に自分から掛けるものだとの説を未だに曲げてはいなかった。「何のための携帯だ!」となじると、「病人をいじめるな」と云われた。聞くとただの腰痛だったらしい。そんなのは病人でも何でもない。使い捨てカイロを貼っておけばすぐに治る筈だ。

 彼の云う通り、受けたくない電話は煩わしい。而し、彼のようにスマホの電源を切るようなことはしていない。だが、固定電話には二重の防御を施してある。録音してあるとのメッセージ相手に伝えると同時に常時留守電にもしている。まっとうな電話なら、相手が名前を云う、それを聞いてから電話に出ることにしている。殆どは最初のメッセージを聞いた瞬間に詐欺野郎は電話を切る。このようにしてから固定電話に電話が掛かってくる回数はめっきり減った。詐欺野郎と売り込みの迷惑電話がなくなれば慌てて受話器を取り上げる動作が極端に減って安堵している。

 スマホの前の二つ折りの携帯、二つに折れなかった頃の携帯からずっと使い続けているが、現在の通話料金が当時とは比べようもないくらいに安くなったことは助かる。現在は一時間の掛け放題の契約をしている。月々に所定の費用を払えば一時間以内なら何回掛けてもそれ以上の料金はかからない。それにラインを使えば携帯の使い始めと比べれば天と地ほどの差がある。

 雨の合間を縫って自宅近くの団地の花壇に行った。遅かった花、早すぎた種とあったが水滴の残る、雨の後でなくては撮れないものも多くあった。













折々の写真&雑感 436

2023年06月18日 | エッセイ
 ベトナムから中国に大量のドリアンが輸出されていると報道されていた。以前は他の国から買っていた中国が最近はベトナムからドリアンを買っている。中国人はドリアンが大層好きらしく、大量に消費されている。零細な栽培業者が多いベトナムでは天の恵みと有頂天になって喜んでいる。だが、大手の農園の役員の一人がその報道の中で「あの国は信頼がおけないので、この注文がいつまで続くかわからない。従って我々は特別に増産しようとは思っていない」と云っていた。私はそれが正解だと思っている。

 以前に中国は台湾から大量のパイナップルを買っていた。台湾では増産に次ぐ増産を続けていた。それでも間に合わぬほどの大量の注文を受けていた。それがある日、突然に「台湾からのパイナップルの輸入を全て禁止する。理由は虫が多く入っていたからだ」と説明していた。台湾では非常に厳密な検査をしており、あれだけの量のパイナップルの中から、一匹や二匹の虫が入っていたかもしれないことは認める。而し、中国政府の云うようにそれほどの虫が入っていたとは認められない。台湾政府は「たまたま見つけた虫を理由に、他の政治的な理由から輸入を禁止してしまったのだ」と断言した。そして、「それは養、套、殺だ」と云った。ヨウ、トウ、サツ。即ち、育て、与え、そして最後に殺してしまうことを意味する。台湾ではパイナップルを栽培している人たちが必至で増産に増産を重ね、なんとか中国の要望に沿うほどの生産量にした。それが突然に輸入禁止にされたのでは銀行からかなりの融資を受けて増産してきた農園事業者が得たものはとても返しきれないほどの負債だった。

 中国が何年もかけて、気に入らぬ国の農民を窮地に追いやり、その農民たちを使って政府に不満を持つ人たちを作り上げ、政府を窮地に追いやるのなら、実に見事な作戦である。だが、台湾政府の云う「養套殺」とは実に悪質な詐欺行為ではないだろうか。ベトナムの大手の農園の役員は実によく先を見通した人だ。零細農園の経営者たちが「養套殺」の被害に会わぬことを願うばかりだ。

 6月の初めに久しぶりに、本当に久しぶりに上野動物園に行ってきた。真っ先に行った虎の檻には運よくマニスがいた。マニスは仕切りのガラスのそばにいたが、すぐに奥に引っ込んでしまった。ダメもとで、マニスと目が合った時に、以前のように手を振って呼んでみた。彼女は不思議そうな顔をして私のそばに来るには来たが、以前のように仕切りのガラス飛び掛かることはしなかった。二年半も会わなかったので、私の顔を忘れたのは仕方がない。而し、嬉しいことに多少は覚えていてくれたようだ。

 次に向かったのはゴリラの檻だ。かつてはシルバーバックの武蔵とピーコが交代で客を楽しませていた檻には若いゴリらが三頭いた。旨そうにニンジンを食べ、まるでおかずかサラダを食べているように緑の葉を旨そうに食べていた。前回に上野動物園に行った時にはピーコの体調が悪く檻には出ていなかった。私がコロナを心配して上野動物園に行かなかった間に死んでしまったのだ。知らなかった。インターネットでは、死亡したのは2021年の12月2日で、推定年齢は51歳と出ていた。被り物を楽しそうに選んでいた姿を忘れられない。
 
 ヘビクイワシの檻にはもう一羽増え、二羽になっていた。メスが新たに入ってきたようだ。見た瞬間はわからなかったが、動きから以前からいたオスがどちらであるか判断出来た。掲載したヘビクイワシは、せわしなく動く以前からのオスの方である。新入りのメスは柵の近くに寄り羽を広げたり、背をまっすぐに伸ばした行進の姿勢をとったり非常にサービス精神が旺盛であった。















折々の写真&雑感 435

2023年06月11日 | エッセイ
 もう一か月ほど経つが、メキシコでは報道の自由が守られておらず、ジャーナリストが殺されてしまったとの暗いニュースを聞いた。私の知っているメキシコは非常に自由で明るく、大らかな国であったと思うが、変ってしまったのだろうか?

 カルフォルニア州の南の方に住んでいる人たちはメキシコによく行く。世界で一番安く酒が買えるからだそうだ。出張でカルフォルニアに行った際、取引先の社員らとメキシコに行ったことがあった。サンディエゴから海岸線に沿うように一気に南に向かうルート5号線に乗ってメキシコに向かった。道路の先に検問所が見えてくると、車はスピードを落とした。その検問所は高速道路の料金所を思わせるゲートが多数連なっていた。メキシコに入国するにはパスポートが必要だろうと、ポケットから出そうとしていたら、車を運転していた社員がメキシコの係官に、何も見せずに「アメリカン・シチズン」と云った。彼は肯き、助手席に座っていた私の方を見た。それで私も「アメリカン・シチズン」と云ってみた。彼はすぐに私から目を離し、後部座席に顔を向けた。全員が同じことを云ってメキシコ側に入った。出国するときはもっと簡単だった。係官がゲートを出るように手を振る合図を待っただけだった。

 メキシコから戻り、帰国する前にキース・マキャリスターの家に二泊ほど厄介になった(キース・マキャリスターについては2015年7月20日付の「折々の写真&雑感#18」をご参照頂きたい)。私がメキシコに行ってきたと話すとキースは「お前、水を飲まなかったろうな!」と強く云われ、奥さんまでに「まさか、お水を飲んでいませんよね」と云われた。メキシコのレストランに入った時、氷入りの水が大きなコップで出された。暑かったので一気に飲んでしまった。一緒にテーブルに座った連中が何か云ったようだっ
たが、よく聞こえなかった。だが、その一人が「念のため、これを飲んでおいて下さい」と白い錠剤を渡された。意味が分からなかったが、すぐに飲んだ。しかも。コップの底に氷が溶けた水が少しあったので、それで錠剤を飲んだ。メキシコに一緒に来た連中は「もう、お手上げだ」と口々に云った。飲んだ薬はメキシコの水を飲んでしまった私への下痢止めの薬だったらしい。その薬を「メキシコの水」で飲んでしまってはお手上げもいいところだ。その薬が効いたのか、日本に戻るまで下痢をするとか体調を崩すこともなかった。

 水を飲んだレストランで食べた辛い牛肉料理はおいしく、トマトが丸々一個入ったスープもおいしかった。それにウェイターもウェイトレスも愛想が良く、親切に料理の内容を説明してくれた。料理を注文する前に、ビールはピッチのビールではなく缶か瓶のビールを注文しろ、サービスでついてくるサラダには手を付けるなと細かい注意を受けた。要はメキシコの水は安全な飲み水ではないと云うことだ。マダガスカルの水道水と考えればいい。だが、マダガスカルでは新鮮な野菜のサラダをずいぶんと食べた。

 写真仲間と久しぶりに神代植物公園のアジサイを撮りに行った。一緒に行った元看護婦さんの話では、同じアジサイなのに色が違うのは種類の違いではなく、土壌のPHの相違によるものらしい。また、開花からの時間の経過によっても色の違いが出る。アジサイの葉は有毒だと聞いた。その他に、茎や蕾、特にたくさんの蕾を口にすると命にかかわるほどの毒性があるとの事だ。今まで意地汚くかじったりしないで良かった。













折々の写真&雑感 434

2023年06月04日 | エッセイ
 5月の最後の火曜日に、写真仲間たちと多摩動物公園に行くことになっていたが、残念なことに雨の予報で中止した。雨の日の撮影は風情があって良いのだが、雨の動物園は風情とは程遠い。

多摩動物公園はご存じのように東京都の日野市にある日本最大級の動物園で、約350種の動物を自然に近い環境で見ることが出来る。上野動物園より遠いのでつい足が遠のいてしまうが、行くと上野動物園よりずっと長い時間を過ごせる。

 ライオンの檻を巡るバスに乗るのは実に楽しい。而し、カメラには望遠レンズをつけているので、バスの窓近くにライオンが寄ってきても撮影出来ない。それで、今回はバカチョンのG7Xを持っていくべく用意していたのだが、あいにくの雨の予想で出番はなくなってしまった。

 パソコンに保存してある一眼レフで撮った写真をスマホに移す方法を教えて貰うべく、メーカーから相談員が来たが、自分の力量を見せびらかしたかったのか私のような全くのスマホ初心者には早すぎてついていけなかった。相談員が帰った後に、メモを頼りに復習してみたが、最初に開かなければならない「内部共有ストーレージ」までたどり着けなくて弱った。メーカーのサポーターに相談する前に、インターネットで調べて自分流にやった時は「内部共有ストーレージ」を簡単に見つけ出せたのだが、今回はどうもうまくいかない。パソコンとスマホを繋ぐと最初に出てくる「ファイル転送」をタップしても、肝心の「内部共有ストーレージ」がパソコン上に表示差されない。前回は確実に出たが、スマホへのコピーが旨くいかなかった。ほんのちょっとした作業の手違いだけの問題と考え、サポートに電話した。すると、たったそれだけのことなのに再度30分で¥2,000を要求された。冗談じゃないと電話を切った。このサービスの悪い、無能だらけのサポートをしているのはJCom(ジェイコム)だ。サービスの悪さを公表したのでは気の毒と思い、メーカー名を伏せておいたのだが、そのサービスの悪いスマホはJCom(ジェイコム)だ。Tuka(ツーカー)のころから30年近くも使用していたAU(KDDI)からJComのスマホに移行したのだが大失敗だった。

 ダメもとで、私の使っている富士通のサポートに相談してみると、「要はスマホを認識させればいいのですね」といとも簡単に方法を教えてくれた。そして「内部共有ストーレージ」の項目が出てきたので、あとは自分で出来るからと礼を云って電話を切った。そのあとで、楽々とパソコンの写真をスマホにコピー出来た。要はエクスプローラーでスマホのデータを認識させればいいだけの話だった。30分で¥2,000の相談員を訪問させなくても、5分ほどの電話説明で充分な、非常に簡単な問題であったのだ。JComを使い始めて半年ほどだが、元のAUに戻りたくなった。とりあえず、「おまかせサポート」はキャンセルする予定だ。JComの営業に相談しようと思い、電話した。留守電に入れておいたのに一週間も経つのに未だに連絡がない。JComはKDDIと提携してから良くなったと聞いて契約したのだが、全く以前の状態と変っていないようだ。良くなったのはAU並みの通信状態だ。「止せ」と云った友人の忠告を素直に聞くべきだった。

 エクセルの関数に関してインターネットで「條件付き書式は嫌だ」と嘆いていた人がいた。私も同感である。何回同じことをやっても旨くいかないし、その書式はコピー出来ないので同じ作業を何回も繰り返さなければならない。私にとってのスマホはこのエクセルの「條件付き書式」と全く同じように思える。スマホは嫌だ。電話を掛けたり受けたりするだけにしたい。だが、高額な使用料を払っているので、可能な機能は充分に使いこなしたい。スマホなんかにするんじゃなかったと後悔しているが、今更どうなるものでもない。

 本来なら多摩動物公園の写真を掲載する予定だったが、撮影日の当日が雨の予報だった為に仲間と相談して中止してしまった。従って、多少は色のつき始めたアジサイを掲載することでご勘弁願いたい。