TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 272

2020年05月30日 | エッセイ
 以前、アメリカのスーパーマーケットに「スィート・テン」と云う人工甘味料があった。今も販売されているかどうかは知らない。日本でも売られていた事があったズルチンとかサッカリンと同様のものであるが、それと比べてスィート・テンは自然の砂糖に近い甘さだった。

 ご存知と思うが、アメリカ人は良くないものを「ナンバー・テン」と云う。一番から数えて10番目の意味なのだろうか。人に対しても「あいつはナンバー・テン」だとも云う。スィート・テンのように優れた商品に「テン」を入れた商品名を不思議に思ったが、非常に響きの良い名前だった。

 缶詰の大きさを「No.1 Can」とか「No.3 Can」と呼び、一番大きな缶を「No.10 Can」と呼んでいた。粗挽きのコーヒーや業務用のトマト缶などがこれに当る。

 スィート・テンを初めて購入したのは何十年も前だが、未だにゴロのいい商品名と洒落た容器を忘れないでいる。だが、最低を表す「10」を何故商品名に用いたのか今でも不思議に思っている。

 前回に続いて鳥の写真を掲載する。野鳥だけを撮っている人がいる。特に渡り鳥は季節に応じて全国を撮り歩く。此の趣味にはまり込むと一財産も二財産も失うと云われている。私の周囲にも野鳥の撮影を趣味にしている人が何人もいる。だが全ての財産を注ぎ込んでしまうほどに無分別な人はいない。それでも機材には大金を投じている。私も鳥を撮るが、彼等のように600ミリや800ミリのレンズは持っていない。100-400ミリのズームレンズだけで満足している。野鳥の撮影には役不足だが、動物園の鳥やボートレース、オートレース、それに競馬の撮影にはこれで充分だ。


キャノンEOS7DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:3,200、 f11、 1/30秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/250秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS5DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:800、 f11、 1/50秒、 露出補正:±0、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f5.6、 1/400秒、 露出補正:±0、 WB:オート。
 いったん咥えた魚を飲み込みやすくするために宙に放り投げ、見事に捉えた。鳥は何も考えていないと云う人がいるが、動物園で多くの鳥を観察していると私より頭がいいのではないかと思える瞬間に出会うことがある。コロナ騒ぎが治まり、安心して動物園に行きたい。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f8、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/400秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/320秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

折々の写真&雑感 271

2020年05月23日 | エッセイ
 初めてビジネスクラスに乗ったのは、タイのバンコクから成田までだった。マダガスカルのアンタナリブからモーリシャスを経由しクアラルンプールに早朝に着いた。それから急ぎ足でバンコク行の便に乗り、そこから成田行の便に乗り継いだ。私のチケットは成田⇒バンコク⇒クアラルンプール⇒モーリシャス⇒アンタナナリブで、帰りはその逆のルートを辿って日本に戻ってくるものだ。ご存知と思うが、クアラルンプールから直接成田には帰る事は出来ない。バンコクでTG(タイ航空)の事務所に行き、ツーリストクラスからビジネスクラスにアップグレードして貰った。金銭のことを考えられないほどに疲労を覚えていた。

 ツーリストクラスでは飛び立って並行飛行に移るまでは水も貰えなかった。而し、ビジネスクラスでは搭乗してすぐに飲み物のサービスがあった。疲れた体に熱いコーヒーはありがたかった。辺りを見廻すと私よりかなり若いサラリーマン風の乗客が大半を占めていた。彼らは会社の経費でビジネスクラスに乗っているのだ。私のように零細貿易会社ではビジネスクラスなど贅沢であった。

 食後に出されたタイ産のパパイヤが素晴らしくおいしかった。スチュアーデス(当時はこのように呼んでいた)が「如何ですか?」と聞いてきた。「ものすごく美味しい」と云うと笑顔でもう一皿持ってきてくれた。目が覚めたときは成田に着く寸前であった。新宿から乗ったタクシーを降り、玄関までやっとたどり着いた。マラリア発症の前兆であった。

 マラリアが癒えてからは、クアラルンプールとモーリシャス、或いは香港とモーリシャスの間だけはビジネスクラスを買うことにした。本来、出発地点から最終到着地までは同じクラスにするのが原則である。而し、エアー・モーリシャスの好意でその間だけをビジネスクラスにしてくれた。お陰で10時間のフライトはゆっくり眠れた。

 今回から鳥の写真を掲載する。以前の写真で申し訳ないが、自由に写真を撮りに行けないのでご容赦願いたい。


キヤノンEOS10DにEF28-135mm、f3.5-5.6を装着。 ISO:100、 f22、 1/20秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キヤノンEOS10DにEF75-300mm、f4.5-5.6を装着。 ISO:100、 f5.6、 1/180秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 以前にも書いたが、このレンズは70ー300mmの書き間違いではない。それより以前に発売された75-300mmである。また、後で聞いた話だが、手振れ防止のISがレンズ側に付けられた世界で最初のレンズでもあったらしい。


キャノンEOS7DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/200秒、 露出補正:-1/3、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:1,600、 f5.6、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f5.6、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

折々の写真&雑感 270

2020年05月17日 | エッセイ
 その人のご自宅は、私が卒業した小学校の裏門の近くにあった。日本には何人もいない剣道八段の達人であるとの噂があった。偶然だったが私が合格した中学の体育の教師であった。噂通り、剣道の八段であることは間違いではなかった。課外活動、今で云う部活には柔道部の他にフェンシング部と剣道部があった。武道には興味がなく、ラグビー部と野球部にかけもちで入った。

 雨の日に体育館で剣道部が練習をしていた。その中に同じクラスの奴が何人かいた。休憩の時間に竹刀を借り、時代劇よろしく試合を申し込んだ。だが、何回やっても簡単に打ち込まれてしまった。喧嘩には自信があったのに、これ程たやすく打たれるとは思ってもみなかった。敵は素早く私の動きを察知し、的確に私の上腕部に竹刀を当てた。頭や顔面は狙わなかった。普段はおとなしい奴がこれほどのゆとりをもって私をあしらっているのに驚いた。彼は剣道を始めて三ヶ月も経っていなかった。正式に剣道の練習を始めた同級生と、ただ棒を振り廻しただけの私との差は歴然としていた。

 遠くで我々を観ていた教師は私に「やってみないか?」と入部を勧めて下さった。だが、ラグビーの面白さが分かりかけてきたところであったのでお断りした。それに、野球部の先輩たちにも不義理はしたくなかった。だが、今になってあの達人教師にご指導願わなかったことを悔やんでいる。

 また花の写真で申し訳ないが、コロナウィルスの影響で歩いて行ける場所での撮影しか出来ない。「Stay Home」と云われているが、散歩は許されている。歩いて行ける、あまり人のいない処はその範疇に入るのではないかと勝手に決めている。そして、そのような場所で目につく被写体の殆どが花壇の花と野草である。これらを撮り続けると今までには想像したことのない美しさを被写体から深く感じるようになった。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/250秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/160秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/250秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/160秒、 露出補正:-1、 WB:オート。



折々の写真&雑感 269

2020年05月10日 | エッセイ
 折々の写真&雑感#267と#268の続きである。その医師のダイエット方法は気に入った。今までの食生活をほんの少し変えるだけでよかったが、夕食の量を減らすのは大変だった。それでも、快適に写真を撮り続けるには実行しなければならない。夜間に空腹を感じると水を飲んで我慢した。だが、仲間たちと夕食を共にするときは例外とした。此の抜け道が長続きする秘訣だったのかもしれない。

 恩人とも云える医師の方法と、私のささやかな努力のお蔭で6カ月を過ぎる頃には70キロにまで体重が落ちた。10キロ近い減量に成功したのだ。あとはリバウンドに気を付ければいい。更に3カ月ほど続けた後にタバコをやめた。すると、同じ食生活を続けていたのに4キロも体重が増えた。この4キロの体重を減らすのに、更に6カ月を要した。そして、かかりつけの医師の勧めで68キロに体重を落とし、それを維持する努力をした。

 現在も同じ食生活を続けているが、以前ほど神経質にならずに夕食に好きなものが出るとご飯を余計に食べるようになった。その所為か、68キロは維持出来ずに70キロになっている。だが、それを敢えて落とそうとは考えていない。70キロを何年も保っている。

 コレステロールの数値だが、身体検査のたびに医師から数値を抑えるために食生活の改善を迫られる。だが、これ以上に改善するつもりはない。コレステロールだって体内にはなくてはならぬ重要な役目を担っている。基準より多少多くても気にしないことにしている。基準値内のコレステロールで、やせ細った体つきではコロナウィルスにも勝てない。

 花を専門とするプロの写真家が推奨する方法での花の撮影は私には向かぬ事に気が付いた。花のプロは露出オーバーや中途半端なF値、手振れを心配してか必要以上にISO感度を上げる。基本的な写真の知識と技術がないのではないのだろうか。そして馬鹿の一つ覚えのように「日の丸構図はいけない」と云う。それは被写体に依るであろうし、迫力のある写真を撮りたければ、被写体の重要部分が中央に寄るのは当たり前であろう。従って、花でも私の撮り慣れている被写体と同じ方法で撮影することにした。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/30秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/30秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/40秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

折々の写真&雑感 268

2020年05月03日 | エッセイ
 過酷な環境下での肉体労働と椎間板ヘルニア、肋間神経痛、それに体重の増加については前回に書いた。今回はその続きである。

 マダガスカルでの仕事を止した後、仲間うちでデブだ、デブだと云われ続けている友人と何キロも変わらぬほどに太ってしまった。これではジャングルの中を軽やかに歩けないし、ローアングルの写真を撮ろうとしても気軽にしゃがめない。

 意を決して、テレビから得た知識に依ってダイエットに挑戦することにした。その時の医師(お名前は失念してしまった)は、「朝食を沢山食べることだ。そのためには前日の夕食を極力控えることだ」と仰った。大量の朝食を消化するには非常に多くのエネルギーを必要とするらしい。それで痩せられるとの事だった。毎日どれだけの運動をしろとか一時間は歩けなどと面倒なことは一切なかった。これなら食い意地のはった私でも実行出来ると、その方法に飛びついた。

 取引先のマダガスカル人と朝食を一緒にすると必ず「よくそんなに食べられますね」と云われ、呆れた顔をされる。もっとひどいのは「貴方と一緒に朝ご飯を食べると気持ちが悪くなります」だった。フランスの植民地支配が長く続いたマダガスカルではフランスの影響を強く受け、朝はカフェオレとクロワッサンだけ、中にはカフェオレだけで済ます人が大部分だ。勿論朝食を抜く人も少なくなかった。

 定宿のコルベール・ホテルのレストランでの朝食に卵、厚めのハムやベーコン、バターをたっぷり塗った大振りのバンズ、山盛りにしたヨーグルト、そして食後に果物を食べるのは日本人である私とアメリカからの観光客だけだった。

 今の時期に写真を撮るなら、歩いて行ける公園でしかない。花筏の終ったばかりの4月初めには、この公園で咲き始めた花は数少ない。それでも他へは行けない。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/250秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/400秒、 露出補正:-1/3、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/160秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/250秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

 何年も前にマクロレンズを買ったのだが旨く使いこなせていなかった。それで今年に入ってからは集中的にマクロレンズを使ってきた。やっと慣れてきたように思うが、如何であろうか。