友人のプロデューサーがあるドラマを制作し、その撮影現場となる池にスタッフと同行した。その池には多数の鯉が泳いでおり、「釣り禁止」の大きな看板が幾つも立てられていた。スタッフはそのことを事前に知っていたので、主役の男優が釣り上げる鯉を他所で用意し、あらかじめ釣り針に鯉を掛けて撮影を始めた。
男優がしなる釣竿を持ち上げたとき、池の持ち主が走ってきた。「撮影を許可したが、鯉を釣っていいとは云ってないぞ!」とすごい剣幕でどなった。これはこの池の鯉ではなく、撮影用に他で買ってきた鯉だと説明しても、持ち主は納得しなかった。証拠を示せと云われても、証拠はなかった。ロケハンをしたときに、この池の鯉を写真に撮り、それと同じに見える鯉を用意したのだった。せめて領収書があればよかったが、既に経理に渡した後だった。
新人のAD(アシスタント・ディレクター)に鯉を買った業者のところに証明書を書いて貰うために行かせた。ADとは聞こえがいいが、チーフADやセカンドADではない限り使いっぱしりのようなものだ。今のように、スマホで現物の写真を送ったり送られたり出来る時代ではなかった。新人のADが戻ってくるまで、撮影は中断せざるを得なかった。
主役の男優は次の現場が決まっていたが、間に合いそうもない。「この保証はちゃんとして貰えるんでしょうね」とプロデューサーは詰め寄られた。普通、役者の立場は弱く、プロデューサーに強く云うことはなかったが、よほど切羽詰まっていたのであろう。
友人は笑い話のようだけど、あれほど弱ったことはなかったと折に触れては今でも思い出すそうだ。
二回目のワクチンの接種を終えた後、二週間が過ぎるのを待ちきれずに江戸東京たてもの園に行った。抗体が早めに根付いてくれたのか、予防対策がしっかり行われていたのかは不明であるが、幸いなことにコロナに感染した兆候はない。公共の交通機関を使って写真を撮りに行けるようになった。而し、この江戸東京たてもの園以外にも都立の庭園と上野動物園や水族館等々は事前の予約が必要である。予約と云う面倒な作業をコロナ騒ぎが治るまで我慢するしかない。
久しぶりの江戸東京たてもの園は入園者が少なく、ゆっくり撮影出来た。都内は豪雨に見舞われたようだが、曇ってはいたものの、幸いに雨は一、二滴だった。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/20秒、 露出補正:-1、 ISO:1,600、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1.3秒、 露出補正:+1、 ISO:200、 WB:オート。 リモート・コントローラー使用。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 10秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。 リモート・コントローラー使用。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f5.6、 1/8秒、 露出補正:-1、 ISO:1,600、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f5.6、 1/10秒、 露出補正:-1、 ISO:800、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/13秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/25秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/10秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。
キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/30秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。