TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 333

2021年07月27日 | エッセイ
 梅雨の明ける前日に江戸東京たてもの園に写真仲間と行った。天気予報では曇りで雨の降らないことになっていたが、嫌な予感がするほど黒い雲が多かった。




 八王子の同心組頭の家だったと云うが、江戸時代にあのような近代的なほうきがあったのだろうかと考えながらカメラを床に置いた。

 ここを撮り終えて外に出るとサイレンが鳴っていた。通り掛かった若いボランティア君に聞くと「雷の警報です」と云われた。だが、雷は聞こえてこなかった。而し、雨が落ちてきた。仲間と相談しコーヒーを飲みに行く事にしたが、結局早めの昼食になった。

 屋内に居たのでそれほど雨が降っているとは感じなかったが、警報が納得出来るほど雷の音は凄かった。


 雨上がりに、茅葺きの屋根から湯気が立ち上っていた。見た瞬間はもっと激しく湯気が立っていたのだが、撮影の位置を考えている間にどんどん小さくなってしまった。

 東ゾーンに行く道々も、雷雨の凄さを証明するように、あちこちに水たまりがあった。









折々の写真&雑感 332

2021年07月23日 | エッセイ
 川崎の日本民家園に久しぶりに行った。コロナの影響で、あれほど多くいたボランティアの方々は誰一人いなかった。その所為か建物の内部に上がれるのは入り口近くにある原さんのお宅だけであった。

 我が家からは新宿経由で小田急線に乗らなければならないので行くのを躊躇っていた。だが、土曜日なら電車も空いているだろうと考え、意を決して日本民家園に行った。途中のスーパー・マーケットで昼食を買った。園内に蕎麦屋はあるが、外の休憩所で一人で食べる方が安全と考えたのだ。だが、失敗があった。蚊よけのスプレーを、どうせマスクをするのだからとその部分を除けて散布したのだ。マスクを外して食事をすることまでは考えなかった。食事中、蚊の集中攻撃にあったのには参った。


 元油屋を営んでいた井岡家の竈。ご存知のように、屋根の下は、例え土間であっても三脚の使用は許可されていない。それで縁側のように張り出た板敷きの上にカメラを水平に置き、リモート・コントローラーを使用してシャッタを切った。レリースでもよいが、三脚を使わない場合は長いコードが邪魔になる。


 佐地家の門。民家園に訪れる度に、この門を何度も何度も撮っている。この門を撮ることに依って今日の撮影が始まるのだとの覚悟のようなものを感じる。


 此の水車は現役であるが、最近は毎日動いていない。だが、今日は土曜日であるため勤務についていた。


 最初に手持ちで撮り、構図を決めてからISO感度を下げ、絞りをf11まで絞ってから井岡家の竈と同じ方法で撮った。




 中壇の右寄りの位置に白い点があるのにお気づきだろうか。板壁の節が抜けてしまった跡である。壁と云っても、この家は薄い板が一枚だけである。冬はさぞ寒かったであろうと想像する。




 菅原家を清宮家側から撮った。右下にあるのは船頭小屋である。
 
 凄い暑さと湿度だった。だが、家の中に入ると熱が遮断されて涼しい風が通り抜けていた。茅葺き屋根の威力を知らされた。だが、家の外に出ると地獄が待っていた。2時間ほどの撮影で逃げ帰ってきた。マダガスカル北部の海岸沿いで40度を超える暑さを何度も経験しているが、湿度が低いので辛さがなかった。だが、口で息をするとのどが焼けるように熱かった記憶がある。

折々の写真&雑感 331

2021年07月18日 | エッセイ
 7月の第二週に、梅雨の合間を縫って調布の神代植物公園に行った。それに先立ち、この公園のサイトに入って予約を終えた。先方から確認メールが届くのを待ち、QRコードをプリントした。当日にそれを受付のお嬢さんに見せた。私の次の人はスマホにインストールされたQRコードを見せ、さも自慢げにしていた。パソコンでQRコードを取得し、それをプリントしたものは時代遅れらしい。

 とりあえずは牡丹園に行った。豪華な花に圧倒されまいと、「お前たちより、俺たち人間さまの方が偉いんだぞ」と云い聞かせながらピンを合わせた。




 気に入ったボタンを撮り終えてから温室に向かった。最初に目についたのが「ナンヨウサクラ」の標識のある赤い花だった。


 ランとベゴニアの部屋に入ると、此処が温室かと思えるほどに涼しい。冬は暖かく、夏は涼しい。年間を通して温度を一定にしているからであろう。冬や夏は、一旦この部屋に入ると出るのが嫌になるほど心地よい。ランを何枚も撮ったが、気に入ったものがない。それに、あの飾り立てた花を私は好きになれない。以下の3枚は全てベゴニアである。同じベゴニアでも、こうも違うものかと驚かされる。







 今回迄は投稿日時を日曜日の午前9時と決めていましたが、次回からは投稿時間は同じにしますが、不定期にする予定です。最低限週に一度は更新する予定ですが、週に二度或いはもう少し間隔があくかもしれません。天候と撮影次第です。








折々の写真&雑感 330

2021年07月11日 | エッセイ
 以前、我が家の近くに一級建築士が住んでいた時期があった。酒が好きでよく我が家にやって来た。私の先輩の家とか開業医の住宅と診療所を設計し、かなりの評判を得ていた。ある日、興奮して我が家にやって来た。聞くと、彼が設計した鉄筋コンクリートの建物に勝手に鉄骨の数を増やされてしまい、それで施主と大喧嘩になったそうだ。

 施主の友人から鉄骨を仕入れて建築が始まったまではよかった。鉄骨屋が設計図を見て、工事を請け負った業者に数本の鉄骨の柱を増やすように指示してしまった。「その分の支払いはいいよ、俺のサービスだ」と施主には云っていたそうだ。施主はその友情に大いに感謝した。我々素人は「友達はありがたい」と思うだけだ。

 治まらないのは設計図を苦労して描いた一級建築士だった。綿密に構造計算をし、柱の鉄骨を使う場所と本数を決めた。「鉄骨の本数が多ければいいと云うものではない。何のための構造計算だ」と施主に詰め寄った。そして、その柱を外せとまで云ったそうだ。だが、ボルトで止めて溶接し、それをコンクリートで覆った作業までしてしまった。現場に見廻りに行った時、柱の本数が増えていたことはコンクリートの上からでは見る事が出来なかった。施主から「あいつは友達思いだ、より頑丈にするために柱を無料で増やしてくれた」と云われるまで建築士は知らなかった。それで大喧嘩になったそうだ。今更初期の設計図以外の柱を取り除くことは出来ない。構造計算は何の役に立たなくなったばかりか、大きな地震が来たら崩壊する危険すらある。通常の地震なら問題ないだろうが、それより大きければ耐震を考えた設計も役に立たなくなる。

 大喧嘩のすえ、設計料はいらない。その代りどんなことが起きようと、俺の設計事務所にケツを持ってくるなと云って別れてきたそうだ。我が家に来たときは好きな酒も飲めない程に腹を立てていた。気の毒だったが、私にはどうしようもなかった。

 先週に続き、江戸東京たてもの園の写真である。日本民家園の古民家に比べるとかなり棟数は少ないが、明治、大正時代に活躍した人や政治家の豪邸、東ゾーンにある農家や商家の内部を撮影していると興味が尽きない。

 次回のブログから構成を変え、写真を中心にしたブログにしたいと考えています。これは私の大事な友人で写真仲間の助言により、改めて考えてみたことです。本来は本文と写真との一体化、関連付けを考えていたのですが、それは非常に難しい事でした。発想を転換し、それに何とか挑戦してみる所存です。今まで同様にご購読をお願い申し上げます。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/30秒、 露出補正:-1、 ISO:400、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/25秒、 露出補正:-1、 ISO:400、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/25秒、 露出補正:-1、 ISO:400、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/13秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f5.6、 1/20秒、 露出補正:-1、 ISO:1,600、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f5.6、 1/20秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 ISO:800、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/20秒、 露出補正:-1、 ISO:800、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/80秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/20秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。

折々の写真&雑感 329

2021年07月04日 | エッセイ
 友人のプロデューサーがあるドラマを制作し、その撮影現場となる池にスタッフと同行した。その池には多数の鯉が泳いでおり、「釣り禁止」の大きな看板が幾つも立てられていた。スタッフはそのことを事前に知っていたので、主役の男優が釣り上げる鯉を他所で用意し、あらかじめ釣り針に鯉を掛けて撮影を始めた。

 男優がしなる釣竿を持ち上げたとき、池の持ち主が走ってきた。「撮影を許可したが、鯉を釣っていいとは云ってないぞ!」とすごい剣幕でどなった。これはこの池の鯉ではなく、撮影用に他で買ってきた鯉だと説明しても、持ち主は納得しなかった。証拠を示せと云われても、証拠はなかった。ロケハンをしたときに、この池の鯉を写真に撮り、それと同じに見える鯉を用意したのだった。せめて領収書があればよかったが、既に経理に渡した後だった。

 新人のAD(アシスタント・ディレクター)に鯉を買った業者のところに証明書を書いて貰うために行かせた。ADとは聞こえがいいが、チーフADやセカンドADではない限り使いっぱしりのようなものだ。今のように、スマホで現物の写真を送ったり送られたり出来る時代ではなかった。新人のADが戻ってくるまで、撮影は中断せざるを得なかった。

 主役の男優は次の現場が決まっていたが、間に合いそうもない。「この保証はちゃんとして貰えるんでしょうね」とプロデューサーは詰め寄られた。普通、役者の立場は弱く、プロデューサーに強く云うことはなかったが、よほど切羽詰まっていたのであろう。

 友人は笑い話のようだけど、あれほど弱ったことはなかったと折に触れては今でも思い出すそうだ。

 二回目のワクチンの接種を終えた後、二週間が過ぎるのを待ちきれずに江戸東京たてもの園に行った。抗体が早めに根付いてくれたのか、予防対策がしっかり行われていたのかは不明であるが、幸いなことにコロナに感染した兆候はない。公共の交通機関を使って写真を撮りに行けるようになった。而し、この江戸東京たてもの園以外にも都立の庭園と上野動物園や水族館等々は事前の予約が必要である。予約と云う面倒な作業をコロナ騒ぎが治るまで我慢するしかない。

 久しぶりの江戸東京たてもの園は入園者が少なく、ゆっくり撮影出来た。都内は豪雨に見舞われたようだが、曇ってはいたものの、幸いに雨は一、二滴だった。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/20秒、 露出補正:-1、 ISO:1,600、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1.3秒、 露出補正:+1、 ISO:200、 WB:オート。 リモート・コントローラー使用。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 10秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。 リモート・コントローラー使用。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f5.6、 1/8秒、 露出補正:-1、 ISO:1,600、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f5.6、 1/10秒、 露出補正:-1、 ISO:800、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/13秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/25秒、 露出補正:-1、 ISO:100、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/10秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。


キヤノンEOS5DMkⅣにEF24-105mm、4Lを装着。 f11、 1/30秒、 露出補正:-1、 ISO:200、 WB:オート。