TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 464

2023年12月31日 | エッセイ
 殆どの方々にはどうでもいい問題だが、私は妙に気になる。バナナを食する際に、バナナの先端から皮を剝いて先端から食べるか、根元から剥いて根元から食べるか?つまらない事とお考えだろうが非常に気になる。甲州の人たちはブドウの房を先端から食べる。何故なら、先端より肩の方が甘味が強いからだそうだ。バナナはどうか?

 猿が多くいる地域に出張した際、サルにバナナを与えて観察したことがあった。最初の猿の何匹かは根元から皮を剥いて根元から食べた。我々人間の先輩であり、我々よりずっと早くにバナナを餌にしてきた猿たちがそのようにして食べるのかと、私の食べ方と反対であることに気が付いた。だが、それとは別の群れにいた猿は私同様に先端から皮を剝いた奴がいた。それでもう一房のバナナを買い求め、同様に観察したが、先端派と根元派と別れていた。それらはほぼ同数だった。

 マダガスカルに行った際、国の法律では原始猿の飼育を禁止されているにもかかわらず、大きな檻にエリマキキツネザルを飼っているお宅に立ち寄ったことがあった。首都のアンタナナリブから遠く離れていたので「飼っちゃいけない」などと云う法律は完全に無視されていたようだ。或いは知らなかったのかもしれない。飼い主は「この猿に、毎日餌をやっているのになかなか懐かないんですよ」と云いながら私にモンキー・バナナの大きな房を渡してくれた。「網から指を入れたら、引っ搔かれたり噛まれたりしないように気を付けて下さい」と云われた。先端派か根元派かを観察するには絶好のチャンスだった。而し、結論は出なかった。先端から食べたり、次は根元から食べたりした。貴重な体験は、残念だったが無に帰した。飼い主の云った通り、いくらバナナを与えても、全く感謝の表情さえ見せず、敵対するような仕草で私からバナナをむしり取った。
次に訪れたお宅では劣悪な環境で飼われていた。猿どもの正確な名前を教えてくれたが忘れた。キツネザルの一種らしいが、顔が黒く、体の全体が茶色の毛で覆われていた。狐よりアナグマを感じさせた。

 上野動物園にワオキツネザルが飼育されているのをご存じと思う。彼らの囲いの中に入ってきた飼育員のお嬢さんに甘え、中には肩に飛び乗って頬ずりする奴もいたり、彼女が帰ろうとしても肩から降りようとしない奴までいる。同じマダガスカルの原始猿でも、ずいぶんと性格も仕草も違うようだ。或いは大事にされているので、このように人間を信頼し、懐くようになったのか。上野動物園にはいないが、横に飛ぶように歩くシフェカは愛嬌があって可愛らしい。この動物園で観ることが出来るようになれば楽しいのだが。

 マダガスカルの南東部の村で飼われていた二種類の原始猿の写真を掲載するが、以前にも述べたとおり、フィルムのバカチョンカメラで撮ったものをLサイズにプリントし、デジタルの一眼レフで複写したものである。
 次の3枚は上野動物園で撮ったものである。飼育員のお嬢さんに甘えているワオキツネザルの写真はあるが、飼育員のお嬢さんご本人の承諾を頂いていないので掲載出来ない。プライバシー保護のためとご理解頂きたい。













 2023年のブログは今回が最後です。どうか良いお年をお迎え下さい。2024年は1月7日に掲載致しますので、また続けてお読み頂けたらこの上ない幸せです。


折々の写真&雑感 463

2023年12月24日 | エッセイ
 仲のいい従弟から「ラインにすればいい。どうして使わない?」と云われた。パソコンがウィンドウズになってからはエクセルの関数をほぼ自由に使いこなせたが、携帯の設定にはてこずった。携帯電話は「ツーカー」の初期のころから使っていたが、電話を受けて掛けるだけだった。それがガラホになっても同じだった。ラインの存在は知っていたが私には無縁のものと考えていた。だが、従弟に云われて新宿の東口にあるauの大きな店に行った。二階で係りのお嬢さんにラインの設定をお願いし、その使い方を教えて頂いた。それからは従弟や友人たちと全てラインで通話し合った。

 ガラホからスマホに移行し、以前は無料電話が一回5分だったが、スマホでは1時間のかけ放題の契約にした。それでラインは殆ど使わなくなった。従弟からラインの電話がかかってきた時、その受け方がわからなかった。着信音の鳴りやむのを待って通常の電話で従弟にかけなおした。理由を説明すると従弟は呆れかえった。それで受け方を教えてくれた。その上実地の練習までやってくれた。お陰でスマホでのラインのスタートが切れた。

 以上は仲のいい、親切な従弟とのやり取りである。而し、この従弟ほどの機械音痴を他に知らない。どうしてスマホだけはちゃんと理解してきちんと扱えるのか不思議である。そしてあの機械音痴からラインのことを教わるとは考えもしなかった。

 デジカメの写真をパソコンに取り込み、簡単なレタッチを終えた後にプリントするまでの全てをレクチャーするために何度も、何度も彼の家に通った。またデジカメの一眼レフの使い方、それを撮り終えたCFカードをパソコンにコピーする方法。何度教えても旨くいかないと電話がかかってくる。ある程度の知識がある相手なら電話かメールで説明すれが済むが、従弟には無理だ。そのたびに教えに行っていた。

 そのような従弟からラインの使い方を教わらなければならない自分を恥じた。パソコンとカメラの一連の動作の出来ない奴がスマホのややこしい設定をこなしているようだ。従弟は云わないが、恐らくすぐ近くに住んでいる優秀な彼の長女から教わっているに違いない。或いは奥さんからか?

 話は変わるが、今夜はクリスマス・イブである。人は夫々に、また年齢により過ごし方は変わると思う。ミッション・スクールに7年も通ったが、友人たちとクリスマス・イブを楽しく過ごした経験はない。わざわざ混むクリスマス・イブの盛り場へ行くより、他の日にゆっくり皆と過ごしていた。この方がずっと楽しい。

 写真仲間と他の場所に行く予定だったが、紅葉が期待出来ないため上野動物園にした。ニホンザルの下にある3枚はアルパカであるが、普段は非常に穏やかな顔を我々に見せてくれているが、この日は飼育員が柱に括り付けた植物の葉を夢中になって食し、野生の顔を見せていた。













折々の写真&雑感 462

2023年12月17日 | エッセイ
 アメリカの軍隊用語で午後5時を17:00と書くのは日本と同じであるが、読み方は違うようだ。アメリカの軍人はセブンティーン・ハンドレッド、或いはセブンティーン・オーオーと云う。私は貿易の仕事でアメリカに何度も行き、多くの民間人と接したが、午後5時を民間では何と云うのかを知らない。「一旦ホテルに戻り、セブンティーン・ハンドレッド迄にはサンプルを持ってまた参ります」と云っても確実に、相手には何時であるかが伝わる。それほどに軍隊経験者が多くいるのであろう。ご婦人でも軍隊経験者は多くいるが、親や兄弟にも確実に経験者がいた。大概の軍隊用語を使っても問題なく相手に伝わる。逆に、私は軍隊用語以外に、これは何というのだろうと考えてしまうことがある。そして、私には知らぬ語彙が多くあることに気が付いた。それを親しいアメリカ人の友人に話すと、「そんなこと気にするな。軍隊用語だって相手に通じりゃいいんだ。お前が軍隊用語を使うと、相手は親しみを感じるぞ」と云って慰めてくれた。遂に、私は正式な表現を知らず儘に過ごしてしまった。恥ずかしい事であるが、今も知らない。

 アメリカ以外にヨーロッパや東南アジアでもアメリカの軍隊用語は通じた。そして驚いたことにアフリカのマダガスカルでも通じた。「どうして知っているんだ?」と聞くと、「映画ですよ。テレビで古いアメリカの戦争映画が字幕で再放送されています」と説明してくれた。アメリカの軍隊用語がこれほど多くの国や地域に浸透しているとは思わなかった。アメリカが国外に多くの部隊を派遣したり駐留したりしているのが最大の理由だと考えていたが、アメリカの映画の影響が大きかったとは知らなかった。

 その映画のお陰で、イギリス人にアメリカ英語を話しても全く違和感を相手に与えなかったどころか、イギリス人の発音や話し方までがアメリカ英語に近づいてきていた。全てハリウッドで作られている映画の影響らしい。聞いた話ではイギリスでは映画の制作を全て中止してしまったらしい。莫大な費用をかけて自国で作るより、アメリカやオーストラリアから買った方がずっと安上がりであることが最大の理由だそうだ。

 上野動物園に行ったが、暖かな日だった割には人が少なかった。猿山にあるレストランにも待たずには入れた。

 子象の檻の前の人だかりも非常に少なかったが、ガラスの仕切りに反射する太陽の光には参った。PLフィルターを使っていたのだが、少しでも被写体が動くとPLのサーキュレーターを廻して適正な位置にしなければならなかった。絶えず動く子象を追いかけてこまめにサーキュレーターを廻すのは至難の業だった。面倒なので△印を適当な位置に固定して撮った。それで旨くいけばいいが、30度を保てずに無駄な光や乱反射を遮れない場合は不運と諦めた。今回は子象の写真は割愛し、「猿」に絞った。最後の二枚は中央アフリカの森林の奥深い処に生息しているアビシニアコロブスである。













折々の写真&雑感 461

2023年12月10日 | エッセイ
 女の問題や税金の滞納に選挙違反。それらが原因で大臣や副大臣が最近だけでも次々と辞めた。岸田内閣で自分の意志で辞めたり、辞任に追い込まれた大臣や副大臣はこの3人だけではない。だが、全員が議員の職にしがみついている。よほど実入りがいいのだろう。それにしてもこれらの屑を大臣や副大臣に任命した岸田総理の無能ぶりはひどいものだ。

 大臣や副大臣にふさわしい人間ではないとか、無能だからそのような結果になったのだと思うが、そのような資質の人間を議員にしておくべきなのか?日本の国会でこのようなことが何年、何十年と続いている。役職を辞任したり辞めさせられたら、議員の資格も剥奪すべきだと私は考える。

 これほどの無能ぶりを知らなかった当時、岸田さんが首相になったとき、自民党に何十年ぶりかでまともな総理が出現したと思った。だが、阿部元総理を国葬にすると云いだした途端にその考えは変った。国民の大多数が国葬に値する人だったと考えていたのか?そうではあるまい。あらゆる手段を使ってその職を持続させただけではないのか。その間にこれが一国の総理がやる事かと思えるような悪事を働いた。おまけに無知な総理夫人のしでかした不條理なことを庇い、その犠牲になった人を投獄させてしまった。そんな人を国葬か!岸田さんが自身の保身のために阿部派におべっかを使っただけの国葬だ。そのために我々の莫大な税金を使っている。保身だけの為なら、自民党葬にとどめておくべきだった。或いは岸田総理自身も関係の深かったとされる統一教会葬にでもすれば、国民の税金は無駄にしないで済んだ。

 総理の支持率が下がっている今は選挙をやれば大敗する。だから時期を見てから解散する。選挙のために国会があり、各議員は選挙の為に何かをする。だから票になりそうもない拉致問題には深く突っ込まない。旨くやり遂げればいいが、全く進展がなければ票が減る。だからやらない方が安全だと考えているのであろう。国民のために、仮に議員の職を失うようなことがあっても、何かをやろうとする議員はいないのだろうか?

 私の双子の娘が統一教会に騙されて入会してしまった時、当時衆議院議員だった友人に「国会で何とか問題に出来ないか?」と相談に行ったことがあった。彼は「統一教会って何だ?」と私に聞いてきた。議員をやっていてこんなことも知らないのかと呆れたが「宗教に名を借りた金集めのための詐欺集団だ」とだけ云った。彼は私の帰りがけに「娘さんたちは家に帰っているのか?」と聞いてきた。彼は統一教会を知っており、その実態もある程度は知っているのだと判断した。中学からの友人に対してもこのような態度しか取れない議員と云う人種をそれ以来信用しなくなった。その時に、統一教会問題を国会で取り上げ、早急な手を打てば、どれだけ多くの家庭が救われただろうか?考えただけでも腹が立つ。この時から既に統一教会は日本の政府に食い込んでいたのだろうか。その手引きをしたのは岸信介元総理である。そして、孫の阿部元総理にまで引き継がせている。

 以下の写真は吾野の東郷公園の紅葉である。ここへは十数回行っているが紅葉で裏切られたことがない。駅から遠いのを別にすれば、東京近辺では最良の紅葉の撮影スポットであると考える。掲載した最初の2枚はキャノンの10D全盛時代の20年以上も前の写真であるが、それ以外は5Dが発売された以降のものである。
















折々の写真&雑感 460

2023年12月03日 | エッセイ
 イスラエルのそれは戦争ではない。大量の殺人、ジェノサイドだ。ナチスがユダヤ人に行ったことをユダヤ人がパレスチナ人に行っている。現在のイスラエルがある場所は神から与えられたカナンの地(現パレスチナ)だとイスラエル人は云っているが、武力で無理やり奪った土地である。

 キリスト教信者には申し訳ないが、旧約聖書は単なるおとぎ話過ぎない。そのように云っているキリスト教信者もいる。非常なインテリの信者から「神を信じてはいるが、聖書を全て信じてはいない。旧約聖書などは手にしたこともない」と聞いたことがある。

 百歩も千歩も譲って、旧約聖書は神の意志でユダヤ人に向けて書かれたものとしても、旧約とは古い約束の意であり、イエス・キリストによって新しい約束の新約聖書が生まれたのである。従って旧約聖書は無効になっている筈だ。ユダヤ人だけではなく、その無効になった旧約聖書を何百万人もの福音派のアメリカ人が一字一句神の言葉として信じているとは信じられないことだ。それに進化論も信じていない。いや、否定している。

 上述のインテリ信者の他にも、私に「あれはユダヤ人向けのおとぎ話よ」と云った若いお嬢さんがいた。彼女は非常に聡明で「私は神を信じてはいるわ。だけど、神が突如として地球を作り、人間を作ったなどと書かれている旧約聖書など信じられない」とも云った。
 旧約聖書の中に、「羊が針の穴を通り抜けられる。神の御業ならそれが出来る」と書かれている個所がある。100キロを超えるような羊が、糸さえもやっと通る針の穴をすり抜けるなど考えられない。だが、福音派のクリスチャンはそれを信じているのだから不思議だ。宗教は怖い。

 ユダヤ人の裏切りに依って神の子であるイエス・キリストは十字架にかけられた。そのユダヤ人がパレスチナ全土を神から与えられる筈がない、と考える福音派の人はいないのだろうか?「神から与えられた土地」と宣言してパレスチナを武力で奪ったユダヤ人が、イスラエルと云う国を勝手に作った。イスラエルはハマスへの報復だとジェノサイドを続けているが、全てのパレスチナ人は気の毒な被害者であると私は考える。

 ユダヤ人が神との約束でカナンの地を与えられたなどとはパレスチナ人にとっては全く関係ないことだ。先祖伝来の土地を武力でユダヤ人に奪われて楽しい筈がない。それを後押ししている理不尽なアメリカに対しても怒りを持つのは当たり前のことであろう。

 以下に掲載する神代植物公園の写真は先週の火曜日のものである。大勢の人たちがきれいな紅葉を求めてやって来ていた。紅葉の小路に行く前にダリア園に寄った。盛りが過ぎていたので、良さそうなものだけを選んで撮った。モミジは一部を除いて色が汚く、その上紅葉が全てにいきわたっていなかった。だが、イチョウの黄葉はきれいだった。

 同じ日に、仲間うちでも非常にいい写真を撮るご婦人が千葉県松戸市の本土寺と東新寺とをはしごをしだが、どちらも良くなく、良さそうな木を見つけてやっとお撮りになったそうだ。今年は緑から赤に変るのではなく、緑から直接茶色に変るのでないかと云っている人も多くいる。どこの紅葉もきれいではないようなので、吾野の東郷公園に行くしかないようだ。だが、吾野駅から東郷公園までの距離を考えると二の足を踏んでしまう。