TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 477

2024年03月31日 | エッセイ
 カワセミを撮りに行かなくなって久しい。撮りに行きたくても肝心のカワセミが居ないのではどうしようもない。近所の非常識なオバさんの苦情で練馬区の職員がカワセミの巣穴を板で蓋をしてしまったのだ。池の穴を塞がれてはカワセミたちは他に移動せざるを得なかった。「カワセミを撮りに来る人たちの話声がうるさい」と云うのがそのオバさんの主張だが、池と彼女の家とは相当な距離があり、大声を張り上げない限り普通の声が聞こえる筈がない、とその池にカワセミを撮りに行っている人が云っていた。撮影者たちが練馬区に抗議しても無駄だったらしい。従って、この池を棲家としているカワセミは私たちの撮影池には一切飛んで来なくなった。杉並区にもカワセミの生息する池は多くあるが、この区の職員はカワセミを保護はしても練馬区のような馬鹿な真似はしない。繁殖池を失ったカワセミはそれ以来どこへ行ってしまったのであろう。

 カワセミが飛んできたころ、ほぼ毎日のようにカワセミを撮りに来る仲のいいご夫婦がいらした。奥さんがまめまめしく魔法瓶からコーヒーをご主人のために注ぎ、私にもコーヒーをご馳走して下さった。「ごちそうさま、本当においしかった」と礼を云うと、嬉しそうに「私たちはコーヒー屋なの。コーヒーを焙煎しているの。まずいコーヒーは持ってこれないでしょ」と人のいい笑顔を見せてくれた。この奥さんのような人だけが、あの練馬区の池の近くに住んでいてくれたら、カワセミたちが別の池や川を探し廻ることもなかったし、我々もカワセミの撮影を続けていられたと非常に残念に思う。

 同じような話がまだある。花小金井の駅の南に素晴らしいトンネル状の桜並木があったのをご存じだろうか。一人の馬鹿な母親が、娘が帰ってくる時間には桜の枝が邪魔をして街灯の明りが届かない。だから枝を切れと市役所に申し入れたそうだ。練馬区同様の馬鹿な市の職員は見事な桜並木を台無しにしてしまった。

住民の苦情を何でも聞けばいいと云うものではない。たった一人の愚にもつかない苦情に依って他の多くの住人の楽しみを奪ってしまうことになることを考えないのか!

 先週に気象庁の桜の開花時期の発表を確かめに近くの公園に行ったが、硬そうな蕾があっただけだった。だが、別の花が咲いていた。それを掲載したい。
 桜だが、私は開花を待っているのではなく花が散るのを待っているのだ。開花から約一週間で満開になる。そして散り始める。頃合を見て「花筏」を撮りに行く。風のないときは池の鯉に餌をまき、彼らに助けてもらいながら花筏を撮っていた。だが、昨年に池の水を交換してからは、池が汚れるとの理由で鯉に餌を与えるのが禁止された。今年からは風を待つしか方法がないようだ。














折々の写真&雑感 476

2024年03月24日 | エッセイ
 以前はプロバイダーのメールアプリを使っていたが、外国からの迷惑メールが日に何十通となった。プロバイダーにブロックをお願いしたが全く効果はなかった。

 それでマイクロソフトのメールアプリを使ってみたが使い勝手が非常に悪かったので、直ぐにGメールに変更した。迷惑メールは完全に防がれ、非常に快適な日々が送れるようになった。それが最近になってメインのメールの他にソーシャルとプロモーションと云う意味不明な項目が付け加えられ、やたらと必要もない多くの企業の広告が連日入るようになった。「広告をブロックする」の項目をクリックすると、「広告をブロックしました。今後、グーグルではこの広告の表示を停止します」とのダイヤログが出るが、その5分後には同じ企業の広告が臆面もなく入ってくる。一つや二つの企業広告ではない。「広告をブロックする」をクリックし続けてもきりがないのでGメール本体に迷惑メールとして報告するが、それでも入ってくる。

 強固なセキュリティーで定評のあるGメールだが、どのような抜け道を作っているのだろうか、企業の悪賢さには辟易する。何とかならないものかと頭を悩ませているが、我々に出来ることは、これらの企業の製品を絶対に買わないことでしか対抗処置がない。

 Gメールは無料のアプリなので、ソーシャルとプロモーションの項目で収益を上げる努力をするのは理解出来るが、連日のように同じ企業の広告メールが入るのを防げないのには辟易する。何もしないで無視すればいいが、このメールはスマホとコモ(comon、共通)になっているので放置すればスマホの負担が多大になるのではないかと心配だ。だが、実際に放置しておいてみるとスマホに反映するのはごくわずかで、大した負担にはならないことが判明した。二、三日してGメールのその項目を見ると、最初の広告は消えており、新たな広告が入ってきていた。おそらくこの繰り返しになるだろう。

 近くの公園や裏の団地の花壇の花もそろそろ咲きだした。先々週に撮影したものであるが、久しぶりにそれを掲載したい。













折々の写真&雑感 475

2024年03月17日 | エッセイ
 キャノンが提供しているTBSの番組「世界遺産」を毎週日曜日には楽しみにしている。前回は「マダガスカル編」であの国固有の動物が紹介された。而し、非常に残念だったのはあの短い時間では充分に紹介しきれなかったことである。それに日本の国土の1.6倍もの面積を持つマダガスカルを「国」と云わず「島」と呼んでいた。オーストラリアやアメリカから見れば確かにちっぽけな島であるが、日本から見れば相当に大きい国である筈だ。

 私は20年近くの間にマダガスカルのほぼ全域に行った。床柱の原料となるパリサンダーを輸入していたのである。インドが全面的に紫檀の輸出を禁止してからは、その代用品を世界中から探した。その結果、日本では多くの代用品を捜したが、私はパリサンダーに的を絞った。一つの森のパリサンダーだけを切らずに、情報を頼ってありとあらゆる森に行った。

 ご存じのようにマダガスカルはフランスに統治されていた年限が永く、今ではフランス語とマダガスカル語が国の公用語になっている。英語はホテルと空港、それに取引先と一部の官庁の職員以外は殆ど通用しない。フランス語の出来ない私は必死にマダガスカル語を覚えた。マダガスカルには18の部族が仲良く暮らしているためか、マダガスカル語はその部族の言葉を集めたような言語である。それで足りない言葉はフランス語で補っている。マダガスカル語には一般的に動詞に現在、過去、未来の表現はない。而し、例外的にいくつかの動詞には現在、過去、未来がある。ややこしいが、私にとっては慣れてしまえばフランス語を学びなおすよりずっと簡単であった。

 番組の中でナレーターが云った。「ラノマ・ファナ公園」と。このような公園は聞いたことがなかったが、よく考えてみると、それは「ラヌ・マファナ」のことであると気が付いた。ラヌは水を意味し、マファナは熱い、暑いを意味する。言語では 「rano mafana」と書く。「no」はマダガスカルでは「ノ」ではなく、「ヌ」と発音する。従ってアンタナナリボ空港と日本では云われているが、正しくはアンタナナリブ空港である。最後の「vo」を「ボ」ではなく「ブ」と発音すべきである。余談だが、この公園の近くの川のほとりに「温泉」がある。近くの住民が楽しそうに温泉につかっている。混浴であるが、一応下着はつけている。そこが「ラヌ・マファナ」(温泉)である。

 折角のいい番組を、あやふやな下調べのせいでミソをつけてしまったことは非常に残念である。この番組に限ったことではなく、NHKではもっと多くのミスがあるが、メールで直接指摘しても返事が来たためしがない。視聴料を無理やり取っておきながら、弱い相手には上から目線の態度を崩さない。

 先週に続いて日本民家園の写真である。かなりの年月の間にかなりの回数を日本民家園に通っているが、しばらく行かないと同じ建物でも新鮮な目で見られる。アングルが変わるとまた、違う建物に見える。














折々の写真&雑感 474

2024年03月10日 | エッセイ
 「何でも聞いて下さい」とAIは云っているが、いい加減な答えがあるばかりではなく、おかしいなと感じたことが間々ある。而し、確かな証拠はないし確信もない。

 スマホやパソコンの操作はAIの答え通りにやっても旨く行ったためしがない。私がその答えをよく理解出来なかったのかもしれないと、色々試してみたが駄目だった。但し、このような動作は避けるようにとの注意事項は守ることにしている。

 太陽光バッテリーの腕時計を二つ持っているので、充電に適した場所を聞いてみた。曇天の日の北向き窓の下と、蛍光灯の下ではどちらがいいかとの質問に、AIは曇天であっても北向きの窓の方がずっと良いと自信をもって答えた。私は輝度計を持っていないのでカメラを使って計ってみた。丁度カメラに装着されていた100mmのマクロレンズで、絞り優先の設定で試してみた。曇天の朝9時半、北向き窓の下に時計を置いて絞りを開放のF2.8にしてシャッターボタンを押してみると、ファインダー内に表示されたシャッタースピードは5秒だった。同じ條件で蛍光灯の下に置いて同じようにシャッターボタンを押してみたところ、1/8秒だった。1/8秒は0.125秒に相当するので、窓の下より4.875秒も早いシャッターを切ることが出来ることが証明されたわけだ。従って私の部屋の場合は、蛍光灯の下の方が良いことが分かった。

 AIには北向きの窓の状態、蛍光灯のワット数や蛍光灯と時計との距離の正確なデータを提供していなかったので、正しい答えは出なかったのは理解出来る。而し、AIの答えはどのような場合でも、どのような條件でも絶対に窓の下の方が良いのだと云い切ってしまうところが心配だ。AIの答えは用心して利用するしか手はないようだ。

 冗談のつもりで、「納豆に刻んだオクラを入れると何故匂いが消えるのか?」と聞いてみた。するとAIは「知りませんでした」と意外に素直な返事を出した後で、匂いの消えた理由を10行にも渡って書いてきた。それは斜めに読んでおくだけにした。

 久しぶりに、本当に久しぶりに川崎の日本民家園に行ってきた。前回に工事中だった古民家の修復が終わっていたが、ほぼ同じ時期に始めた他の民家の補修工事はまだ終っていなかった。屋根の張替え、傷んだ個所の修復、それに耐震工事等々。個人ではとても古民家を維持しきれないほどの修繕費であろう。

 行ったのは2月の末の温かい日であった。向ヶ丘遊園駅近くのスーパーマーケットで買ったサンドイッチを、持参のコーヒーを飲みながら食べた。外のテーブル付きのベンチであったが、全く寒さを感じず春のような陽気だった。コーヒーもサンドイッチもおいしかった。
















折々の写真&雑感 473

2024年03月03日 | エッセイ
 前回に書き足りなかった元特攻隊員の話を続けたい。「自分が元特攻隊員だったことはお前さんと社長しか知らない。あの戦争のことは誰にも話していないからだ」。と云って不思議な笑顔を向けてくれた。私を弟のように思ってくれているからか、まだ社長にも誰にも話したことはないと前置きをして以下のことを話してくれた。

 出撃の順番だが、俺の想像では、俺が真っ先に志願したので、怖くなって出撃から逃げることはないだろう。最後になってやっと手を挙げた奴から出撃させたのではないだろうか。これはあくまで俺の想像だ。事実ではないかもしれない。出撃基地にいた戦友がどんどん少なくなっていくと、あの夢のようだった銀シャリがのどを通らなくなったと俺にこっそり云った仲間がいた。本当のことを云うと俺もその一人だった。だが三度のメシの時は無理にでも銀シャリを旨そうに食った。
 俺たちの基地から出撃して、生きて帰った奴は一人もいなかった。他の基地でも同じようだと思う。だが、どうして映画やテレビドラマでは特攻隊員がどのようにして敵艦に突っ込み、或いはその前に撃ち落されてしまったのか詳細に描かれている。誰がどうして知ったのか未だにわからない。戦争が終ってずっと経ってから聞いた話だが、敵艦に突っ込まず、近くの島に着陸して命を永らえた隊員がいたと聞いた。特攻機には行きの燃料しか積んでいない。島に着陸した奴が敵艦を見えるところまで行ったのでは着陸出来る島を探すことは出来ない。奴は出撃と同時に島を捜したのだ。だから仲間が敵艦に突っ込んだ様子や撃ち落されたりしているところを見ているわけがない。俺が思うに、特攻機が敵艦に突っ込む瞬間を機関砲の届かない上空から見ていた上級将校がいたのではないか?

 彼の話はまだまだ続いたが、彼の悲痛な話は聞くに堪えなかった。復員してから十年以上も経っているのに、それを未だに引きずっている。特攻の出撃基地は内地に近い場所にあったためか、終戦後まもなく復員したが、東京の惨状を見てまともに生きる希望を失った。そしてヤクザな生活を送っていた。その時、特攻隊員になる前の部隊の上官だった今の社長に拾われ、運転手兼用心棒になった。

 三條美紀さんと将来の夫になる建設会社社長がマージャンをしに来なくなると、彼とのつながりも自然に終った。而し、特攻の生き残りの「苦悶」を抱えたままになっている彼を今でも覚えている。戦争映画でしか知ることの出来ない当時の軍隊の中で、「兵士一」とか「兵士二」としか字幕に出てこない人々の戦後の生活を誰も気にかけていない。これでいいのか?

 先週に続いて100回目の上野動物園である。上野動物園にはかなり多くのの種類の動物が飼育されているが、写真になりやすいもの、そうではないもの。夜行性の小動物は暗い檻に入れられているので非常に撮りにくい。ISO感度を上げればいいが、色彩にかなりの影響がある。従って、私はISO感度を3,200か、せいぜい6,400までと決めている。ISO感度を12,800にして撮ってみたことはあったが、どうも色が気に入らなかった。従って、上野動物園で撮る動物はISO感度の加減と私の好みで被写体となる動物が決まってしまう。次回には歩く範囲を広げて新しい動物に挑戦してみようと考えている。












 「あぁ、うめえな!」