TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 150

2018年01月28日 | エッセイ
 2017年の最終ブログ(「折々の写真&雑感」146)で黒人の肌の色について多少書いた。このことに関し多くの方々から色々な質問を頂いた。私は歴史学者でもないし人種の専門家でもないが、アメリカの空軍で得た知識と貿易業から得た経験から多少のことはご説明出来ると思う。

 アメリカ人が一般に云う「黒人」とは、アフリカから奴隷商人によって連れてこられたアフリカ人とその子孫である。色が黒いからと云ってエチオピア人、インド人及びその他の地域の人たちは「黒人」のカテゴリーには入れていない。而し、何らかの事情に依って他の国に暮らす人たちの中にも「黒人」はいる。だが、不思議なことに現在アフリカに住んでいる人たちや観光でアメリカにやって来る人たちのことを「黒人」とは云わないらしい。単に「アフリカ人」と呼び、その国名がわかれば「ケニア人」とか「コンゴ人」と呼んでいる。「黒人」に対する根強い人種差別から、このように区別しているのではなかろうか?差別をしていないと表面的には取繕っているが、その根は深いと私は感じている。

 同じアフリカからの黒人でも、先のブログで触れたように肌の色が違う。濃さが違うと云った方がいいかもしれない。私と同じ事務所に黒人の大尉がいた。士官学校ではないが、南部の州立大学を出て空軍に入った。将校になるための試験を受けて少尉になり、中尉、大尉と昇官した。私とは仕事の内容が違っていたが、仲は良かった。彼に昼食を誘われ、将校クラブに行った時に私が疑問に思っていた黒人の肌の色の差について聞いた事があった。彼は次のように説明してくれた。「アフリカでは、その部族により色が違う。真っ黒だったり、薄茶色だったりするが、あのライアン二等兵のような肌の色は特別のような気がする。アメリカに連れて来られてからは色々な種族が交じり合い、その部族独特の肌の色を持っている黒人は少ないのではないだろうか」。アフリカ大陸から自主的にマダガスカルに渡って来たアフリカ系の住民の殆どは他の部族と交じり合っていない。現在は差ほどではないが、以前は厳然と部族間同士の住みわけがあった故であろうか。

 ニグロ(Negro)は黒人を指す正式な学術用語であるが、ニガー(Nigger)は蔑称である。それが「Colored Person」(色付きの人)と呼ばれるようになり、現在は「アフリカ系アメリカ人」と呼ばれている。

 かなり古い話だが、朝鮮戦争が終わったころ、白人と黒人との仲が極端に悪くなった時期があった。それを解決するために、「アフリカに帰るなら一人につき100万円を支払う」と当時の白人が中心だった政府が提案したそうだ。だが、誰一人100万円を受取らなかったと聞いている。現在の金額に直せば何千万円だったのではなかろうか。

 先の大雪の翌日に、小田急線が通常通り運航していることを確かめてから日本民家園に行った。9時半の開園に間に合うように急いで行ったが、到着してみると「開園は12時頃」との張り紙があった。雪掻きをする前に客を入れるわけにはいかないとの配慮はありがたいが、我々は雪景色を撮りに来たのであるから、雪かきの前に入りたかった。結局は10時半ごろに開園になったが、私はビジター・センターでのんびり待っていたので、少し遅れてしまった。
 
 嬉しいことに、偶然二人の写真仲間と園内で一緒になった。「こんな日に写真を撮りに行くなんて!」と家内に呆れられたが、仲間はいたのだ。お二人とも、行けば私がいると確信していたようだ。だが、残念なことに天気が良すぎてどんどん雪が溶けていった。而し、手がかじかむ程に寒いよりは良かったかもしれない。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 日本民家園の入り口の前の道路。一般車の通行が禁止されているので生田緑地関係者の足跡だけが残されていた。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/40秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/25秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/20秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

「訂正とお詫び」
 2017年12月24日付の「折々の写真&雑感」145に、今回のモモコの出産に関して「コモモ、モモカに次いで三匹目」と書きましたが、モモコは2000年7月3日に長男のモモタロウを出産していたとのご指摘を友人から頂きました。現在は上野動物園には居ませんが、確かにモモコはモモタロウを出産していました。調べが行き届かず、誠に申訳ございませんでした。



折々の写真&雑感 149

2018年01月21日 | エッセイ
 相模湖近くに住んでいる人からシカ肉を頂いたことがあった。シカ刺しで食べた。実に美味しかった。臭みが全くなく、弾力があったが柔らかかった。それ以来、シカが食べられそうな地方に行くと必ずシカ刺しを注文した。だが、初めて食したシカ刺しほどの感激は得られていない。

 相模湖の山の方では、犬にシカを追わせる猟をする。シカは必至で逃げるが岩場が多い所を逃げるせいか、蹄が熱を持つ。それを冷やすために足だけを川の中に入れる。ジューッと音がするほどだと聞いた。シカはフラフラになって川から上がる。それを待ってこん棒でシカの足をひっぱたいて捕まえるそうだ。話してくれた人は愉快そうにしていたが、聞いていた私は何とも残酷な捕まえ方をするものだと呆れた。

 山中でなくとも、最近は市街地でもシカを見かけるニュースを耳にする。猿は捕まえても食べ辛いだろうが、シカやイノシシ、それにクマなどは美味しく食べている人が多くいる。それらの肉を専門に調理をして出すレストランもある。シカ、イノシシ、クマなどを捕まえても肉の流通が確立していないので我々の食卓にまで届くことが殆どないのだそうだ。実に惜しい。

 畑が荒らされる獣被害が年々増加しているなら、それらを捕まえて我々の食卓にまで届く制度を何とか確立させて頂けないだろうか。現在は各地の猟友会に駆除をお願いしているようであるが、会員には夫々の仕事があり専従で駆除に当たるわけにはいかぬであろう。捕まえた獣が売れるのであれば、それを生業とする人が多く出てくるのではないだろうか。それこそ趣味と実益である。

 先々週の土曜日(1月13日)に深川七福神のお参りに行ってきた。寒い、寒いと大騒ぎされていたが、いざ歩き始めるとマフラーを外したくなるほどに感じた。二週目の終りに近い日であったためか、土曜日にも拘らずそれ程の混雑はなかった。皆で楽しくお昼を食べる都合上、逆廻りのコースを選んだ。


深川神明宮「寿老神」
キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


深川稲荷「布袋尊」
キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/320秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


龍光院「毘沙門天」
キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f4、 1/15秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


円寿院「大黒天」
キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/8秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


心行寺「福禄寿」
キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


冬木弁天堂「弁財天」
キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:400、 f5.6、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


富岡八幡宮「恵比寿神」
キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

折々の写真&雑感 148

2018年01月14日 | エッセイ
 人間以外に、顔で相手を認識するのは知能の高い猿だけと聞いていた。それが、上野動物園の飼育員のお嬢さんの経験談に依ると、どうもそうとは限らないようだ。ラマは正確ではなくともぼんやりと相手を覚えているらしいし、他の動物でもその傾向があるとの説明を受けた。スマトラ虎のメスのマニスは私を見るとガラス越しに襲い掛かってくる。厚いガラスに隔てられているので臭いはしていない筈だ。また、この虎は若い女の子を見ると顔を寄せてくる。

 地獄谷野猿公苑の猿は確実に人の顔を認識しているし、それを長い間覚えてもいる。前にも述べたが、私を舐め切っている猿どもは私の背中に乗り、カメラを構えている腕の上にも乗ってくる。親しいからではなく、自分の方が上であると誇示しているのであろう。此の野猿公苑では餌付けはしていない。ただ、猿どもを山から下りて来させるために、少量の大麦を撒いている。また、暖かい時期でも温泉に入って貰えるように、温泉の中にも大麦を撒く。彼らにとって、大麦はご馳走ではないが、多少の腹の足しにはなる。それ以外にボス猿や順位の高い猿だけにリンゴを与えている。一種のお世辞なのだそうだ。彼らのご機嫌を取っておけば、また群れを率いて来て貰えると考えているのだ。

 入苑者が自分から猿に触ったり餌を与えることは許されていない。自分の持ってきた食物を与えてはいけないのであるなら、地面から大麦を拾って与えるのはいいのではないかと勝手な解釈をしたことがあった。手のひらに何粒かを拾って近くの猿に見せた。そいつは私の顔を見ながら一粒だけ摘まんだ。次の奴に見せると、「そんな物はいらねぇ」とばかりに、手のひらの大麦を払いのけた。私から餌を貰ったのでは、私の子分になった気分になるからではないか。この苑の職員氏が云っていたように、自分たちは人間と同等か、上なのだと考えているのは確かのようだ。中には気弱な猿もいるが、このように大麦を払いのける気骨のある、高い自尊心と矜持を持った猿たちが多くいることは頼もしい。彼らを国会や地方の議会に多く送り込みたいものだ。

 毎年正月に催される清澄庭園での獅子舞。以前に家内と行ったのであるが、とにかく寒かった。而し、舞が始まると、その熱気が伝わって来たのか寒さは忘れた。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/80秒、 露出補正:-2/3、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-2/3、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-2/3、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f8、 1/125秒、 露出補正:-2/3、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f8、 1/13秒、 露出補正:-2/3、 WB:オート。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f8、 1/50秒、 露出補正:-2/3、 WB:オート。

折々の写真&雑感 147

2018年01月07日 | エッセイ
明けましておめでとうございます。今年もお目にかかれて非常に光栄です。

 友人の一人に大型犬を連れて散歩している奴がいる。実に羨ましい。我が家では大型犬を飼っていない。何年も前のことだがシェパードと柴犬の雑種を飼っていた時期があった。柴犬と云うよりシェパードに近かったらしく、かなりの体格であった。今は二階に住んでいる長男一家が小型犬を飼っている。耳のやたらとでかいパピヨンとかいう犬種だが私には懐いていない。私の方でも小さな犬はどうも苦手である。キャンキャン鳴くだけで、犬らしいどっしりとしたところがない。隣家が以前に飼っていた犬は、我が家のボス猫に凄まれて吠えるのをやめるような意気地のない犬であった。そのような犬には魅力を感じない。

 大型犬を飼いたいとは思っているが、私の都合の悪いときに家内が散歩を代ることは無理であろう。体力の問題もあるが、家内は私ほど犬を好きではない。だが、夢だけは捨てていない。次に飼うのはゴールデン・レトリバーか牧羊犬のボーダー・コリーを願っている。ボーダー・コリーは大型犬の範疇に入らないが、風格は大型犬である。本来はシェパードを飼いたいが、血筋のいいシェパードはとても手が届かない。

 戦前、叔母が素晴らしいシェパードを飼っていた。名を「メイ」と云った。名前の通りの名犬であった。幼かった私の面倒をしっかりと見てくれていたらしい。疎開から帰って叔母を訪ねてみると、そのメイはいなかった。出征したのだ。復員の日を待っていたが、その日は来なかった。この戦争でどれだけのシェパードが戦死したのか、行方不明になったのかを考えると心が痛む。

 家内に散歩に行けと常々云われているが、「大の大人が犬も連れずに歩けるか」と一蹴してしまう。而し、健康のために散歩がいいのは承知している。友人が、「犬がいなくても、お前はカメラを持って行けばいいだろう」と助言してくれたのを思い出しては歩くようにしている。同じようなところを歩くのだが、行くたびに違う被写体に巡り合う。これも楽しい。


キャノンEOS10DにEF28-135mm、f3.5-5.6を装着。 ISO:400、 f5.6、 1/10秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 友人宅で飼っている犬。友人より私に懐いており、彼の家にいる間は私から離れようとしない。


キヤノンEOS5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:400、 f5.6、 1/30秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 長男一家が飼っているパピヨン。私が玄関のドア―を開けたとたんに吠え始める。私が同じ家の住人であることを全く理解していない。「大家に向かって吠える奴がいるか!」と叱っても一向に云うことをきかない。学習能力のないまま何年にもなる。だが、外で会うと尾を振りながらすり寄って来る。彼の行動は理解に苦しむ。


キヤノンEOS5Dに17-40mm、4Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/25秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 これはレタッチのソフトで流し撮り風にしたのではない。群馬県の川場村の農家を覗いた途端に番犬が飛び出してきた。びっくりして後ろにのけ反りながらシャッターを切ったのである。期せずして流し撮りになった。


キャノンEOS5DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 近所のお宅で飼っている犬だが、私とは相性が良くない。理由は知らない。


キャノンEOS5DにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/160秒、 露出補正:±0、 WB:オート。
 非常に面倒見のいい雌犬。近所の公園に集まる子犬を保護者の目でじっと見ている。


キャノンEOS10DにEF28-135mm、f3.5-5.6を装着。 ISO:400、 f4、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 妻籠の民宿の飼い犬。前日に支払いを済ませ、朝早くの出発であったため、見送ってくれたのはこのセントバーナードと高校生のお嬢さんだけだった。