TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 280

2020年07月26日 | エッセイ
 横浜ベイスターズのラミネス監督が今季初勝利のインタビューを受けた。未だに通訳を介しての受け答えだった。2001年にヤクルトに入団し、昨年の2019年に日本に帰化した。日本語を覚えようとしないのか、覚えられないのか?19年も日本にいて通訳を必要とするなど信じられないし、失礼な話だ。

 私のイタリア人の友人は日本人顔負けの達者な日本語を話す。「日本に10年もいて日本語を話せなければ、馬鹿と思われますよ」と云われたのは、アメリカ人に紹介されて彼に初めて会った時だった。英語で挨拶すると、流暢な日本語が返ってきた。そして「日本に10年もいて、、、」と云われたのだ。2年ほどで日本人同様な会話が出来るようになったが、漢字の読み書きは10年経っても苦労しているらしい。それから20年も経っているので新聞は自由に読めるだろう。

 前にも書いたが、私は外国に行くと、その国の言葉を出来るだけ多く覚えるように努力していた。二回、三回と行くようになれば、最低限の挨拶は出来るようになった。外国に滞在し、周囲に日本語を話せる人がいなければ、最短で6カ月、長くとも一年で日常には困らない程の会話は出来るようになると云われている。

 大リーグの大谷選手だが、彼の側には友人のような通訳がいる。友人としての存在は大いに結構だが彼のために通訳は極力控えてあげるべきではなかろうか。私がアメリカ空軍に勤めた最初の事務所は読んで書ければ会話をそれほど必要とされなかった。だが、昇進のために他に移動したときは違った。周囲の人と話さなければ仕事は出来なかった。簡単なことは何とかなったが、込み入った問題になると駄目だった。同じ事務所に三歳年上の先輩がいた。彼女ほど英語の達者な日本人を他に知らない。読み、書き、発音。どれをとってもアメリカ人に劣らない。それどころかアメリカ人よりいい文章を書いた。私が困ると彼女は嫌な顔もせずに助けてくれていた。だが、ある日突然に通訳をしてくれなくなった。「これではいつまでたっても貴方の会話力は上達しない。貴方のためにならない。今日からは幾ら困っても通訳は止すわ」と宣言された。当座は非常に困った。而し、一月,二月と経ったころから複雑な話でも相手の云っていることがなんとなく理解が出来、それに対して何とか答えられるようになった。勿論、努力はした。先輩に感謝だ。

 未だに自由に写真を撮りに行けない。行けば行けるだろうが、電車が怖い。特に鎌倉に行きたいが新宿からの湘南新宿ラインは意外と混む。遅い時間に行けばいいだろうが、それではいい時間帯が過ぎてしまい、思い通りの写真が撮れない。困ったものだ。また花の写真で申し訳ない。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/250秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/40秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

折々の写真&雑感 279

2020年07月19日 | エッセイ
 初めて黒人のポートレートを撮るとき、絞りとシャッター速度をどのようにすればいいか非常に迷った経験がある。露出は通常の露出でいいのか、或いは少し開けた方がいいのか。現在のデジカメのように、撮った写真をその場で確認するとかISO感度を上げたり、露出の補正をするような機能などなかった。感度は、その時にカメラに装填したフィルムの感度のままで最初から最後まで撮らなければならなかった。手を加える事が出来たのは多少の増感現像と減感現像であった。但し、一枚一枚ではなく、そのフィルム全体でしか出来なかった。当時の一眼レフと、現在のデジタルカメラと比べるなら自転車と新幹線の差ほどである。

 失敗を許されない状況であったので、絞りを標準のf8にし、安全のためにf11とf5.6の3枚を一組と考えて撮った。従って、36枚撮りのフィルムで12ポーズの撮影しか出来なかった。

 二回目からはそのような無駄なことはせず、通常の撮影のように行った。いくら肌の色が黒くても、撮影時の露出は同じであることに気が付いた。よく考えてみればその通りであるが、初めての撮影の時は悩んだ。それまでに黒人を見たことは何度かあったが、写真を、特にポートレートを撮るとなると考えは別であった。私は暗室を持っていたので、その日のうちにフィルムを現像し、印画紙に焼くことが可能であった。大多数のアマチュアカメラマンはDPE店にフィルムを持って行き、その結果を知るのは一週間後であった。気に入らないからもう一枚と気軽に撮ることなど出来なかった。

 現在はフィルムで撮影する若者が多くいると聞いた。それもカラーよりモノクロ撮影に興味を持っているとのことだ。私が使っていた当時の一眼レフと違い、格段の進歩を遂げている。露出補正が出来、フィルムの感度内であるならISO感度も自由に変えられる機種まであると聞く。CFカードやSDカードの代りにフィルムを使っている感覚で写真が撮れる。多くの若者が気軽に銀塩一眼レフを使えると納得出来た。

 久しぶりに、本当に久しぶりにいつもの仲間と神代植物公園に行った。前回に続いて神代植物公園の写真であるがご勘弁頂きたい。その日は非常に風が強く花を撮る環境ではなかった。風が一瞬止むのを待つか、花の揺れに合わせて早いシャッターを切ることで対処した。このような日は温室の存在がありがたい。入るまで、仲間は信じなかったが神代植物公園では温室を冷房しているのではないかと思えるほど涼しい。特にランとベゴニアの部屋は出るのが嫌になるほどに涼しい。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/250秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/30秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/40秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

折々の写真&雑感 278

2020年07月12日 | エッセイ
 ミネソタ州の州都であるミネアポリスで、警官に首を押さえつけられて黒人が死亡した事件があった。その後にミネアポリスに就いての記事が新聞に掲載された。非常に詳しく書かれていたが、無機質な記事であり、私が受けた印象とはかなり違っていた。
 
 ロサンゼルスからミネアポリスの空港に初めて降りたのは何十年か前のことであるが、黒人の姿を見かけることはなかった。非常に奇異な印象を受けた。迎えに来てくれた取引先の役員でもある営業部長は「ロサンゼルスとはかなり違うでしょう」と云った。当時のミネソタ州の黒人の比率は僅か2%だった。黒人とヒスパニック、それにアジア人の中に白人が埋もれているようなロサンゼルスとは全く違う国に来たように思えた。

 アメリカ空軍に勤務していた時に、非常に仲の良かった少尉から「ミネアポリスに行く事があったら、ホテルに泊らず、是非従兄の家に泊ってくれ」と云われていた。既にアメリカに戻っていたが、今回の出張前にその計画を伝えるとすぐに先方に連絡を取ってくれた。後で知ったことだったが、当時は少尉だった彼は少佐に昇進していた。

 ミネアポリスで面倒をみて下さったのは少尉とはかなり年の離れた従兄であった。私にあてがわれた部屋のベランダの下は直ぐに湖だった。「この部屋は、冬季は閉鎖するんだ。凍りついてしまう」と説明してくれたのは従兄の退役軍人で、元空軍大佐であった。対岸が見えぬ程の広大な湖が人造湖であることに驚いた。不動産会社が、此処に住宅地を造成することに先立ち、湖を作ったのだ。

 休日に大佐の長男がミネアポリスを案内してくれた。名前は忘れたが、アメリカで最初に作られたと云う銀色に輝くドーム球場があった。ミネソタ・ツインズの本拠地である。そして川幅が30センチもないミシシッピー川の源流。お昼を食べた後に昔からある住宅街に連れて行ってくれた。そこはヨーロッパを想像させた。アメリカ大陸に渡って来た初期の移民が開拓した歴史がある街だからだと長男が説明してくれた。

 ミネアポリスの最後の夜に取引先の営業部長が夕食に招待してくれた。そのレストランはビルの最上階にあった。ビルは新しかったが、エレベーターの振動は激しかった。

 ミネアポリスで接した人たちは、警官も含めて非常に大人しく、親切で粗暴なところは全く感じなかった。歴史の深いヨーロッパの人たちと接しているようだった。

 以下の写真は、いつもの写真仲間との再開後の神代植物公園に行くに先立ち、私一人で様子を見に行った時のものである。バラ園と温室以外では人に会うことは殆どなかった。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS5DMkⅣにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS5DMkⅣにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS5DMkⅣにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。

キャノンEOS5DMkⅣにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/40秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS5DMkⅣにEF70-200mm、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


折々の写真&雑感 277

2020年07月05日 | エッセイ
 大学に入った年の夏に、友人の兄貴に誘われ、と云うか命令で伊豆に魚を突きに行った。兄貴は免許を取りたてで、中古のフォルクス・ワーゲンを母親から買って貰ったばかりだった。やたらと車を運転したがっていた。それの助手席に乗れとのことだった。

 「お前、明日は朝が早いから今日は泊れ」と一方的に云われた。兄貴のベッドの横にマットを敷き、其処に寝かされた。大きな目覚まし時計は私の枕元に置き、自分はさっさと寝てしまった。

 やっとのことでトイレを済ませて助手席に座った。「冷蔵庫からこれをかっぱらってきた。食え!」と云って渡されたのは大きなハムの塊を半分にちぎったものだった。飲み物もパンもない状態でハムだけを食えと云われたって簡単なことではなかった。だが空腹で海に潜るわけにはいかないので、なんとか平らげた。コンビニや自販機がどこにでもある時代ではなかった。

 車は快適に走り、真鶴を過ぎ、熱海を過ぎると目的地である網代までは早かった。強力な生ゴムのついたヤスを持つと我々は直ぐに潜った。海水は冷たかったが気持ちよかった。魚は多くいたが、ウツボがやって来ないかと心配でもあった。二人は予想以上の成果に有頂天になった。そして私が何かに刺されて二の腕が腫れていることにも気が付かなかった。

 友人宅に着くころにはかなり腫れが目立ち、痛さも加わってきた。医師の母親がザルブロ(ザルソ・ブロカノン、消炎剤で解熱と鎮痛の効果がある)の静脈注射をしてくれた。痛さと腫れは治まったがもう一泊することになった。我々の成果は夕食のおかずになったが、右手が自由に使えなかったのでその美味しさを充分に堪能出来なかったのは残念だった。

 先週に続き花の写真である。花以外に撮るものがないのかとのご意見があった。無いわけではないが、撮った写真に自信を持てない。先日も雨の中、早起きして住宅街の裏道を歩き廻った。17-40mmの広角レンズを付けて行った。ご存知のようにこのレンズには手振れ防止装置がついていない。早朝で、その上雨がかなり降り始めた。充分な採光が取れず、ろくな写真が撮れなかった。撮影を諦めた。ISOを12,800とかそれ以上すれば撮れたであろうが、私はISOを上げての撮影に抵抗を持っている。

 花の写真だが、何日も蕾のままでいたものが、たった一晩の雨で花開く。競馬、競艇、古民家、寺や神社、このような被写体からはこの自然の妙は絶対に味わえない。花の撮影だけにのめりこんでいる先輩カメラマンの気持ちの一端が分かる気がしてきた。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/40秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


ャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/320秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/200秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/320秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/400秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。