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大阪教育合同労組 勝利の最高裁決定 非常勤雇用継続要求は義務的団交事項

2015年04月07日 | 格差社会
 ◎ 混合組合に関する最高裁決定についての声明

2015年4月1日
大阪教育合同労働組合
執行委員長 酒井さとえ

 昨日(3月31日)、最高裁は2014(平成26)年(行ツ)274号上告事件について棄却決定ならびに2014(平成26)年(行ヒ)287号上告受理申立事件について不受理決定を行った。
 本件は、2010年度及び2011年度講師雇用継続団交を大阪府・府教委が拒否したことは不当労働行為であると認定した中央労働委員会命令の取り消しを求めて、大阪府が提起した行政訴訟に対する最高裁の決定である。本件は、中労委命令取消請求を東京地裁及び東京高裁において棄却されたため、2014年3月に大阪府が上告及び上告受理申立を行っていたものである。
 大阪府労働委員会、中労委、東京地裁、東京高裁における争点は、混合組合である当労組は不当労働行為救済申立人適格を有するか、また講師雇用継続要求は義務的団交事項かであった。
 申立人適格については、大阪府労委は当労組が1992年に救済申立を行って以降2009年まで地方公務員法適用者が構成員の多数を占めると推測されるとの理由で、これを認めてこなかった。他方、中労委は、労働組合法適用者に関わることについて混合組合は構成員の量的割合に関わりなく申立人適格を有するとの判断を行ってきた。この間、大阪地裁が2001年に、大阪高裁が2002年に、当労組の申立人適格を否定して当時の大阪地労委命令を支持する判決を出していた。
 このように、混合組合の不当労働行為救済申立人適格については裁判所及び労働委員会で見解が分かれていたが、今回の最高裁決定によってようやく決着がついた。
 すなわち、混合組合は、労働組合法適用者については労働組合法上の労働組合として、地方公務員法適用者については地方公務員法上の職員団体として、複合的性格をもって法律に保護された団体交渉を行う権利を保障されるというものである。
 今回の最高裁決定は、全国の地方自治体で急増する非常勤職員等が、同一の職場に働く一般職員とともに団結することを推奨するものである。もはや一般職と特別職が、常勤と非常勤が、正規と非正規がバラバラに団結する必要はなくなった
 あと一つの争点である雇用継続要求については、大阪府は臨時・非常勤講師は毎年新規任用になるのであるから、労働組合との団交事項ではないとして団交を拒否したものである。この主張は、橋下徹前知事が就任した2008年に、従前の団交が違法であったとして言い始めたものであった。
 しかし、今回の最高裁決定によって、中労委命令、東京地裁判決、東京高裁判決が支持され、雇用継続要求は義務的団交事項であることが確定した。
 地方自治体は、非常勤職員等の雇用(任用)継続を求める労働組合との団交を拒否できない。
 雇用(任用)を打ち切る場合は、団交において解雇理由を説明して労働組合を説得することが求められる。公務員だからということは理由にならない。
 混合組合問題に関係して大阪府・大阪市が当労組との団交を拒否している事件は本件以外に11件あり、大阪府労委、中労委、大阪地裁、大阪高裁、東京地裁で係属中である。その中には、地方自治法に反して、大阪府議会の承認を経ないまま訴訟を提起した事件も数件含まれている。
 今回の最高裁決定を受けて、大阪府及び大阪市はすべての訴訟を取り下げ、労働委員会命令をただちに履行すべきである。大阪府・大阪市は労働組合敵視政策を反省し、労使関係の正常化を行うべきである。
 当労組は1989年11月に結成した、「教育現場の労働者が 誰でも入れる みんなでつくる教育合同」をスローガンとする混合組合である。
 「非正規公務員」や「官製ワーキングプア」などといった言葉が登場する以前から、教育現場は多くの「非正規公務員」によって支えられ、成り立っていたにも関わらず、権利や労働条件への取り組みが弱かったことへの決別から混合組合という道を選択した。
 今回の最高裁判決は、私たちが主張してきた「非正規公務員」の労働者としての権利を確固たるものとした。
 大阪府は、公立学校で働く教職員は、地方公務員法により労組法の適用外であるとの主張から2010年より当労組との団体交渉を拒否してきた。しかし、いまや多くの公立学校現場で様々な雇用形態の労働者が働いており、地方公務員法が適用されない特別職公務員が多く存在している。
 彼らの労働者としての「権利」を認め、労働条件や次年度の雇用条件についての団交を拒否した大阪府の違法性を認めた最高裁決定は、いま、日本中で権利を奪われ、「任用」という言葉でいいように使われている「非正規公務員」の問題を浮き彫りにし、新たな権利獲得のたたかいを可能とする。
 当労組は、今回の最高裁決定を受けて、非正規公務員と正規公務員がともに団結する混合組合の発展強化にむけて奮闘することを誓うものである。
以 上


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