◆ 推進校(32校)のアンケート回答に見る「学力スタンダード」の実施状況と問題性
◆ 都教委、32校を推進校に指定し(2013=H25年度)、先行実施!
都教委は、昨年度推進校での実施に踏まえ、この4月から「学カスタンダード」を全都立高校に導入しました。
「引き継ぐ会」では年度当初の4月5日、この「学力スタンダード」問題を高校教育への《新たな能力主義》の導入と捕らえ、これまた凄まじい能力主義的攻撃にさらされている小中学校、特別支援校の仲間と共に、学習・討論集会を計画しました。(参加42名)
学習・討論に当たり、推進校の方に職場での実施状況・受け止め等についてアンケートを実施しましたが(19校より回答)、多くの学校が戸惑いと危惧を抱えている様子が浮き彫りになりました。
◆ そもそも「学力スタンダード」とは?
問題の大きさに比して、職員会議や職場会で話し合った職場は「多い」とは言えず、管理職を推進役に企画調や該当の一学年担当者が中心となって、実施した学校が多いというのが実態で、(主幹が設置され”上意下達”体制が造られていること、又「多忙化」が進行していることの故か)、率直にいって全ての教職員が周知してないことに、最も危機感を禁じ得ませんでした。
そもそも今回導入された「学力スタンダード」とは、日比谷・戸山等の進学推進校、両国・白鴎といった中高一貫校等、所謂都立のトップクラスの高校を除外した全都立高校に、生徒の学力を勘案し「基礎・応用・発展」のいずれかのレベルを選ばせ(どのレベルかはHPで公表)、各担当教科毎に「年間時授業計画」~勿論、学習指導要領に沿ったもの~を立てさせ、学年末(2月)に全校統一の「達成度テスト」(民間企業ベネッセに請け負わせる)を実施するというものです。
”所謂「中堅校」以下の高校までをも序列化するとは、おぞましさすら感じる!”とは参加下さった教育学者の方の弁ですが、一体何の何のために?それが問題です。
◆ アンケートから浮き彫りになった現場が感じている問題点!
”「学力スタンダード」の実施で学力向上に効果があったとは思えない”(68%)
”「年間授業計画」の作成など教職員の負担が増えた”(95%)
”学校の序列化”(59%)
”教職員の管理強化につながる”(59%)
”学力試験は実施しても意味がない、必要ない”(89%)
といったところが特徴的。従って
”2014年度から全校実施するのはよくない“(84%)
との回答が圧倒的でした。
更に
”60%以上が”教科内容への管理強化が強まるからよくない”
”多忙化が促進され、生徒と向かい合う期間が今以上に取れなくなるからよくない”
と回答、又
”この間の安倍政権の「教育再生実行会議」や都教委の「都立学校改革推進計画」などの方向には不安を感じる”
と68%の学校の方が回答しています。
◆ 「学力スタンダード」のスムーズな実施を許していいものか?!
安倍政権の「教育再生実行会議」は、経団連・経済同友会の要請を受け、教育改革の中心に「グローバルでビジネスをリードできる人材」と「科学技術イノベーション立国にふさわしい人材」育成をと、スーパーエリートの早期からの発掘・育成を目指し、英語教育と理数科教育の充実を提言しています。(配布資料参照)
その一方で企業のグローバルな活動、イノベーションによって変化する産業構造=労働市場に対応できる「中間層」や「底辺層」の労働力の担い手をも別個に教育し、レベルに応じ最大限の学力をつけるシステムの構築を目指しています。
そのためにキャリア教育の必要性を強調するとともに、高校での「到達度テスト」の実施と大学入試での採用を打ち出しています。全都立高校での「学力スタンダード」は、その”先取り実施”といえなくもありません。
教育の営みを政財界の要請に沿った道具に落とし込めないためにも、現場での「学力スタンダード」の実施に手をこまめくことなく、問題点を見極めつつ、これを職場全体で共有し、そのスムーズな実施に歯止めをかけていく必要があるのではないでしょうか。(高槻)
予防訴訟をひきつぐ会『いまこそ 4号』(2014.5.17)
◆ 都教委、32校を推進校に指定し(2013=H25年度)、先行実施!
都教委は、昨年度推進校での実施に踏まえ、この4月から「学カスタンダード」を全都立高校に導入しました。
「引き継ぐ会」では年度当初の4月5日、この「学力スタンダード」問題を高校教育への《新たな能力主義》の導入と捕らえ、これまた凄まじい能力主義的攻撃にさらされている小中学校、特別支援校の仲間と共に、学習・討論集会を計画しました。(参加42名)
学習・討論に当たり、推進校の方に職場での実施状況・受け止め等についてアンケートを実施しましたが(19校より回答)、多くの学校が戸惑いと危惧を抱えている様子が浮き彫りになりました。
◆ そもそも「学力スタンダード」とは?
問題の大きさに比して、職員会議や職場会で話し合った職場は「多い」とは言えず、管理職を推進役に企画調や該当の一学年担当者が中心となって、実施した学校が多いというのが実態で、(主幹が設置され”上意下達”体制が造られていること、又「多忙化」が進行していることの故か)、率直にいって全ての教職員が周知してないことに、最も危機感を禁じ得ませんでした。
そもそも今回導入された「学力スタンダード」とは、日比谷・戸山等の進学推進校、両国・白鴎といった中高一貫校等、所謂都立のトップクラスの高校を除外した全都立高校に、生徒の学力を勘案し「基礎・応用・発展」のいずれかのレベルを選ばせ(どのレベルかはHPで公表)、各担当教科毎に「年間時授業計画」~勿論、学習指導要領に沿ったもの~を立てさせ、学年末(2月)に全校統一の「達成度テスト」(民間企業ベネッセに請け負わせる)を実施するというものです。
”所謂「中堅校」以下の高校までをも序列化するとは、おぞましさすら感じる!”とは参加下さった教育学者の方の弁ですが、一体何の何のために?それが問題です。
◆ アンケートから浮き彫りになった現場が感じている問題点!
”「学力スタンダード」の実施で学力向上に効果があったとは思えない”(68%)
”「年間授業計画」の作成など教職員の負担が増えた”(95%)
”学校の序列化”(59%)
”教職員の管理強化につながる”(59%)
”学力試験は実施しても意味がない、必要ない”(89%)
といったところが特徴的。従って
”2014年度から全校実施するのはよくない“(84%)
との回答が圧倒的でした。
更に
”60%以上が”教科内容への管理強化が強まるからよくない”
”多忙化が促進され、生徒と向かい合う期間が今以上に取れなくなるからよくない”
と回答、又
”この間の安倍政権の「教育再生実行会議」や都教委の「都立学校改革推進計画」などの方向には不安を感じる”
と68%の学校の方が回答しています。
◆ 「学力スタンダード」のスムーズな実施を許していいものか?!
安倍政権の「教育再生実行会議」は、経団連・経済同友会の要請を受け、教育改革の中心に「グローバルでビジネスをリードできる人材」と「科学技術イノベーション立国にふさわしい人材」育成をと、スーパーエリートの早期からの発掘・育成を目指し、英語教育と理数科教育の充実を提言しています。(配布資料参照)
その一方で企業のグローバルな活動、イノベーションによって変化する産業構造=労働市場に対応できる「中間層」や「底辺層」の労働力の担い手をも別個に教育し、レベルに応じ最大限の学力をつけるシステムの構築を目指しています。
そのためにキャリア教育の必要性を強調するとともに、高校での「到達度テスト」の実施と大学入試での採用を打ち出しています。全都立高校での「学力スタンダード」は、その”先取り実施”といえなくもありません。
教育の営みを政財界の要請に沿った道具に落とし込めないためにも、現場での「学力スタンダード」の実施に手をこまめくことなく、問題点を見極めつつ、これを職場全体で共有し、そのスムーズな実施に歯止めをかけていく必要があるのではないでしょうか。(高槻)
予防訴訟をひきつぐ会『いまこそ 4号』(2014.5.17)
☆ 予防訴訟をひきつぐ会第2回総会開催のお知らせ
会員の皆様の出席をお願いいたします。
日時:6月14日(土)14:00~17:00(開場13:30)
場所:渋谷区勤労福祉会館第2洋室(03-3462-2511)
講演=大森直樹(東京学芸大・教育学)
〈テーマ〉安倍教育行政と都教委の教育政策(仮題)
安倍教育政策による教育の改悪法案が国会に上程されようとしています。国会の最も厳しい状況下で開催される総会です。闘いの方向を確認すると同時に東京の教育現場での闘いを議論していきましょう。
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