◇ 自由社版教科書 同じ写真がゾロゾロ
「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書のキトラ古墳の写真5枚中4枚が裏焼きだという事実を前回紹介したところ、大変な反響で、複数のメディアからもお問い合わせをいただきました。報道される日も近いでしょう。
実は、自由社版教科書がいったん検定不合格になったときに文部科学省から指摘された516か所の欠陥の中に「裏焼き」というのも1か所ありました(p175の「慈母観音」)。このときに文科省と自由社が他の写真を徹底的に精査していれば、このような事態にはならなかったはずです。
キトラ古墳の写真については、自由社が文科省に提出した「出典一覧表」に出典が明示されていません(項目自体がありません)。手続き的に問題がないのか、文科省関係者でも自由社関係者でも結構です、教えてください(hatopoppo2009@yahoo.co.jp)。
今回も「季刊戦争責任研究」2010年夏季号の高嶋伸欣先生のリポートを元に自由社版教科書のお粗末ぶりをお伝えします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/8e/1159806bddb30db26d9dd284fac6fd6f.jpg)
口絵p2に相澤忠洋氏が岩宿遺跡から採集した槍先形尖頭器の写真が載っていて「相澤さんが岩宿の崖から見つけ、確実と鑑定された最初の旧石器。全長約10cm」という説明がありますが、同じ石器は左下の集合写真にもあります。集合写真のほうに説明を付ければ、写真は1枚で済みます。それだけではなく、p15にも同じ石器の写真が登場します。(左が口絵p2、右がp15)
p23に「高床式倉庫」の写真がありますが、1枚めくったp24にも全く同じ写真が使われています。「背中合わせの二頁に同一写真を掲載する正当な理由など、ありえない。明らかに手抜きの編集で、間に合わせの制作をした証拠だ」(高嶋先生)。
これが、検定をパスし、この春から横浜市などの中学校で使われている教科書なのです。(左がp23、右がp24)(略)
高嶋先生は触れていませんが、大正時代のモガの写真は同じものがなんと3枚も使われています。(左からp7、p179、p191)
ちょっと考えられません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/2e/9c12000b6d58c6191776a2b84c4585a5.jpg)
このほかにも、自由社版教科書には全く同じ写真がいくつも載っていて、子どもたちが「同じもの探しゲーム」に取り組むにはとてもいいおもちゃです。
【問題】次の写真は教科書の中にもう1枚全く同じ写真があります。探してみましょう(解答は最後にあります)。
(1)表紙の「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」
(2)表紙の「富嶽三十六景」
(3)表紙の「江戸両国橋のにぎわい」
(4)序文扉の「弥勒菩薩半跏思惟像」
(5)本文扉の「月光菩薩像」
(6)p5の「源氏物語絵巻」
(7)p5の「日本最初の婦人代議士」
(8)p7の「埴輪」
(9)p7の「江戸時代中期の婦人」
(10)p8の「女王卑弥呼」
(11)p8の「平安時代の貴族の結婚衣装」
(12)p9の「諸国勧進の出雲の巫女」
(13)p9の「女学生姿」
(14)p11の「児を背負う婦人の埴輪」
(15)p47の「東大寺大仏殿」
(16)p129の「樋口一葉」
(17)p129の「舞妓」
(18)p129の「津田梅子」
(19)p179の「勤労動員の女学生」
(20)p179の「焔」
……………………………………………………………………………………………………………
【解答】
(1)p121
(2)p120
(3)p122
(4)p52
(5)p49
(6)p56
(7)p213
(8)p29
(9)p89
(10)p11
(11)p11
(12)p89
(13)p178
(14)p29
(15)p50
(16)p174
(17)p175
(18)p176
(19)p208
(20)p191
『新しい歴史教科書をつくる会WATCH』(2010-07-18)
http://d.hatena.ne.jp/tsukurukaiwatch/20100718/p1
「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書のキトラ古墳の写真5枚中4枚が裏焼きだという事実を前回紹介したところ、大変な反響で、複数のメディアからもお問い合わせをいただきました。報道される日も近いでしょう。
実は、自由社版教科書がいったん検定不合格になったときに文部科学省から指摘された516か所の欠陥の中に「裏焼き」というのも1か所ありました(p175の「慈母観音」)。このときに文科省と自由社が他の写真を徹底的に精査していれば、このような事態にはならなかったはずです。
キトラ古墳の写真については、自由社が文科省に提出した「出典一覧表」に出典が明示されていません(項目自体がありません)。手続き的に問題がないのか、文科省関係者でも自由社関係者でも結構です、教えてください(hatopoppo2009@yahoo.co.jp)。
今回も「季刊戦争責任研究」2010年夏季号の高嶋伸欣先生のリポートを元に自由社版教科書のお粗末ぶりをお伝えします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/8e/1159806bddb30db26d9dd284fac6fd6f.jpg)
口絵p2に相澤忠洋氏が岩宿遺跡から採集した槍先形尖頭器の写真が載っていて「相澤さんが岩宿の崖から見つけ、確実と鑑定された最初の旧石器。全長約10cm」という説明がありますが、同じ石器は左下の集合写真にもあります。集合写真のほうに説明を付ければ、写真は1枚で済みます。それだけではなく、p15にも同じ石器の写真が登場します。(左が口絵p2、右がp15)
p23に「高床式倉庫」の写真がありますが、1枚めくったp24にも全く同じ写真が使われています。「背中合わせの二頁に同一写真を掲載する正当な理由など、ありえない。明らかに手抜きの編集で、間に合わせの制作をした証拠だ」(高嶋先生)。
これが、検定をパスし、この春から横浜市などの中学校で使われている教科書なのです。(左がp23、右がp24)(略)
高嶋先生は触れていませんが、大正時代のモガの写真は同じものがなんと3枚も使われています。(左からp7、p179、p191)
ちょっと考えられません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/2e/9c12000b6d58c6191776a2b84c4585a5.jpg)
このほかにも、自由社版教科書には全く同じ写真がいくつも載っていて、子どもたちが「同じもの探しゲーム」に取り組むにはとてもいいおもちゃです。
【問題】次の写真は教科書の中にもう1枚全く同じ写真があります。探してみましょう(解答は最後にあります)。
(1)表紙の「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」
(2)表紙の「富嶽三十六景」
(3)表紙の「江戸両国橋のにぎわい」
(4)序文扉の「弥勒菩薩半跏思惟像」
(5)本文扉の「月光菩薩像」
(6)p5の「源氏物語絵巻」
(7)p5の「日本最初の婦人代議士」
(8)p7の「埴輪」
(9)p7の「江戸時代中期の婦人」
(10)p8の「女王卑弥呼」
(11)p8の「平安時代の貴族の結婚衣装」
(12)p9の「諸国勧進の出雲の巫女」
(13)p9の「女学生姿」
(14)p11の「児を背負う婦人の埴輪」
(15)p47の「東大寺大仏殿」
(16)p129の「樋口一葉」
(17)p129の「舞妓」
(18)p129の「津田梅子」
(19)p179の「勤労動員の女学生」
(20)p179の「焔」
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【解答】
(1)p121
(2)p120
(3)p122
(4)p52
(5)p49
(6)p56
(7)p213
(8)p29
(9)p89
(10)p11
(11)p11
(12)p89
(13)p178
(14)p29
(15)p50
(16)p174
(17)p175
(18)p176
(19)p208
(20)p191
『新しい歴史教科書をつくる会WATCH』(2010-07-18)
http://d.hatena.ne.jp/tsukurukaiwatch/20100718/p1
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