《原告団ニュース18号から》
◆ 12月4日、3次訴訟・控訴審判決
やはり累積加重処分は許されなかった
中西茂裁判長は「双方の控訴を棄却する」と主文だけ読み上げて、満員の傍聴席を尻目に引っ込んだ。
都側は、一審処分取消26人のうち5人だけ、加重の「相当性を基礎付ける具体的な事情」があるとして控訴したが、その「事情」(「複数回の不起立」「事情聴取拒否」「反省のない受講報告書」「生徒への内心の自由告知」など)は、「いずれも積極的な妨害ではないから,加重事由として重視するのは相当でなく」と、却下された。
2012年最高裁判決以降、累積加重が問われた裁判で、減給以上の重い処分は悉く取り消されてきた。つまり、これまでの都教委の解釈(何か「事情」があれば「累積加重処分は許される」)は間違いであることが、判例により定着しつつある。都教委は今も続けている「累積加重処分」の方針を根本的に転換すべき時である。
一方原告側の控訴棄却の理由を読むと、中西裁判長の最高裁判決への無理解と不勉強ぶりが目に付く。例えば「定型的に処分を加重するという基本方針自体は不合理とはいえない」と言うが、「不起立行為等」は、間接的とはいえ人権の「制約」であり、短期間に反復継続的に累積加重する特質を持つからこそ、体罰・汚職などの違法行為とは異なり、処分の選択には機械的加重ではない「慎重な考慮」が求められたのではなかったのか。
11日の原告団臨時総会で、上告を決めた。最高裁要請署名にもご協力宜しく。私たちは諦めない。
『東京「君が代」裁判 原告団ニュース 18号』(2015.12.19)
◆ 12月4日、3次訴訟・控訴審判決
やはり累積加重処分は許されなかった
中西茂裁判長は「双方の控訴を棄却する」と主文だけ読み上げて、満員の傍聴席を尻目に引っ込んだ。
都側は、一審処分取消26人のうち5人だけ、加重の「相当性を基礎付ける具体的な事情」があるとして控訴したが、その「事情」(「複数回の不起立」「事情聴取拒否」「反省のない受講報告書」「生徒への内心の自由告知」など)は、「いずれも積極的な妨害ではないから,加重事由として重視するのは相当でなく」と、却下された。
2012年最高裁判決以降、累積加重が問われた裁判で、減給以上の重い処分は悉く取り消されてきた。つまり、これまでの都教委の解釈(何か「事情」があれば「累積加重処分は許される」)は間違いであることが、判例により定着しつつある。都教委は今も続けている「累積加重処分」の方針を根本的に転換すべき時である。
一方原告側の控訴棄却の理由を読むと、中西裁判長の最高裁判決への無理解と不勉強ぶりが目に付く。例えば「定型的に処分を加重するという基本方針自体は不合理とはいえない」と言うが、「不起立行為等」は、間接的とはいえ人権の「制約」であり、短期間に反復継続的に累積加重する特質を持つからこそ、体罰・汚職などの違法行為とは異なり、処分の選択には機械的加重ではない「慎重な考慮」が求められたのではなかったのか。
11日の原告団臨時総会で、上告を決めた。最高裁要請署名にもご協力宜しく。私たちは諦めない。
(3次訴訟原告:花輪紅一郎)
『東京「君が代」裁判 原告団ニュース 18号』(2015.12.19)
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