卒業式の混乱とは何を指すのか?~当日は藤田問題はそっちのけだったことが判明!
台風一過残暑の厳しい午後、本日も地裁最大の104号法廷を傍聴人が埋め尽くしました。
本日は、検察側の重要証人の一人、板橋高校校長北爪幸夫氏への、主尋問と反対尋問でした。
1,証拠の採用
弁護団側提出の、「意見書」「弁2号証~87,89号証」が、裁判所に採用された。
(報告集会での猿田弁護士の説明では、公安主導の異常な捜査手法や、マスコミ・都議会などで事件として取り上げられていくプロセスなど、事件の背景を立証する証拠類で、裁判官が読んでくれることだけでも大きな意味があるものだそうです。)
2,検察側主尋問(13:35~)
Q=鈴木裕治検事、A=北爪幸夫証人
Q:卒業式の、学習指導要領上での定めは?
A:特別活動、儀式的行事に、「国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする」とある。
Q:10.23通達&実施要領で変わったことは?
A:従来より具体的になった。
Q:それを受けて板橋高校では?
A:厳粛な卒業式を行うため、国旗は正面壇上に、国歌も全員が起立して歌うことにした。
Q:来賓や保護者にも同じと考えるか。同じにしてもらう意味は?
A:列席の大人が、全員起立する教育的意義は大きい。
Q:学校の管理権限は誰にあるか。その根拠法令は?
A:校長にある。学校教育法第28条及び東京都管理運営規則に基づく。
Q:主催者は誰か。来賓・保護者にも指示を出せると思うか?
A:主催者は校長。進行上、来賓・保護者にも指示に従わせることが出来る。
Q:来賓の範囲は?
A:板橋区選出の都議4名、学校運営評議員、PTA役員、直近の転出者。
Q:被告は、当初の予定に入っていたか。
A:前の週の木曜に、本人から出席したいと電話があり、招待状を送った。
Q:土屋都議の出席が決まったのはいつ?
A:藤田氏からの電話の後の頃。
Q:都教委から指導主事が来るのはなぜ?
A:①祝意を述べるため、②10.23通達に従って適正に行われているか監督するため。
Q:指導主事は何人来たか。普通の人数か。
A:朝からは5名。通常は2名。増えたのは、藤田氏・土屋都議・TBSの取材が入り、不測の事態を心配して、都教委に相談に行ったから。
Q:TBSの取材が決まったのはいつ?
A:3/9(式の二日前)に電話で依頼があった。
Q:取材目的は?どのような打合せがあったか?
A:土屋都議を追う形の取材。自宅~学校~式場で、来賓席に着席するまで。生徒や保護者の顔は撮らない約束。
Q:当日の段取りは?
A:9:30までに保護者・在校生入場、9:45来賓入場、9:50卒業生入場、10:00開式。
Q:10:00前に、卒業生入場が終わったら、時間前でも始めるのか。
A:列席すべき人間が揃ったら、時間前でも始めるつもりだった。
Q:開式が遅れることは予想していたか?
A:していない。スケジュールには余裕があり、遅れることは想定していない。
Q:来賓を式場に案内した時間は?異常を伝える通報はいつ?
A:9:40頃、廊下に並んだら、佐々木指導主事が知らせに来た。
Q:式場に入ったのはいつ?何を見たか?
A:時計を見たわけではないが、9:43分頃のはず。式場ほぼ中央で演説していた。
Q:どのように対処すべきと考えたか?
A:許可なく、大声で呼びかけるのは、厳かな雰囲気を台無しにするので、退去してもらおうと思った。
Q:被告の体に触ったことは?
A:右手で上腕部を軽く握ったら、「触るんじゃないよ」と大声で拒絶されたので、それ以降は触っていない。
Q:素直に退去したか?
A:会場全体に聞こえる大声で、不当性を訴えていた。
Q:どう感じたか?
A:保護者の面前で辛かった。困って、早く何とかしなければと焦った。
Q:どのように退去させたか?
A:体に触らないよう、ジェスチャーと言葉で、押し出すようにした。
Q:土屋都議と被告との接触は?
A:1m以内に接近し、土屋都議は「何だお前は」「管理責任者は追い出せ」と言った。
〔休憩 15:05~15:20〕
開式の遅れは、事後に5分程度と聞いたが、もっと長い時間と感じられた。
卒業式終了後、当日(3/11)午後、3年の担任から事情聴取を、校長・教頭で行った。
翌日(3/12金)午後、板橋警察署が「新聞報道を見て、事件性があるか」と来校した。
警察が帰った後、担任5名が校長室に来て、前日の事情聴取を一部訂正した。
その日の午後、指導主事2名が来校して、相談をした。
「被害届」は、3/26午前中に、佐々木指導主事と2名で、板橋警察署に行って出した。
事前に教室を回ったことが「建造物侵入罪」に、会場で騒いで時間のロスを発生させたことが「威力業務妨害罪」に当たると説明された。
来賓として呼ばれた人のやる行為としては非常識であり、都教委に対する個人的反対意見を板橋高校の場で表現されたのは大変迷惑であり、厳正な処罰をお願いしたい。
3,弁護側反対尋問(16:05~)
Q=大迫恵美子弁護人、A=北爪幸夫証人
Q:当日午後の事情聴取は、都教委の指示か?
A:質問項目は都教委が決め、それに従って私と教頭で聞き取りをした。
Q:何を聞いたのか。
A:藤田氏のことと、生徒の大半が着席したことで担任がどう関わっているか。
Q:担任に、本件のことを聞いたか。
A:聞いても意味がない。担任は、その時会場にいなかったのだから。
Q:本件のことを、担任以外の人に聞くことを、当日中に行ったか。
A:そんなゆとりはなかった。指導主事の作成した質問事項は、生徒の不起立が中心。
Q:卒業式のトラブルで、何が一番問題だったのか。生徒の不起立ではなかったのか。
A:都教委作成の質問事項を見て、そんな感じがした。
Q:不起立の理由で分かったことは?
A:多くの生徒は、つられて坐ったと聞いた。最初に坐った生徒は、教頭の聞き取りに「自分の意志で坐った」と答えた、と聞いた。
Q:多くの生徒が、つられて座ったことに、思い当たることはないか。
A:ない。
Q:TBSの取材を、制限して、生徒を撮らせないことに決めた理由は?
A:生徒がカメラを意識して、ふざけて厳粛な雰囲気を乱すことを恐れた。
Q:プライバシーの観点から、強く反対した教師もいたか?
A:「カメラが式場から出ない限り、絶対に生徒を入れない」と、職員会議で約束した。
Q:カメラが出てから、卒業生を第一待機場所から移動させる手はずは?
A:取材陣の誘導係を事務職員に決めて、そこから連絡するはずだった。
Q:総責任者として、校長から何らかの指示が出たか。
A:藤田氏との対応に夢中で、TBSのことは二の次だった。
Q:主尋問で、「押し出した」、と答えていたが、ただ藤田氏について歩いていっただけではないか。
A:それは言葉の綾だ。
Q:格技棟前に、担任の一人が「校長、早く入れ」と怒鳴り込んできたのは、こんなことを簡単に処理できない校長へのいらだちだったのではないか。
A:そうではない。私に対してと言うより、その場にいる皆に腹立たしかったのだろう。
16:55終了。
…大迫弁護人の鋭い切り込みに拍手喝采を送りたくなりました。それにしても、主尋問の時とはうって変わって、女性弁護士の反対尋問には、大きな声を張り上げて威圧的に応ずる北爪証人の姿に、傍聴席は一様に呆然となりました。なんだコイツ!
4,報告集会その他
今回は、ルポライターの鎌田慧氏が傍聴しており、感想を求められて、
「冤罪事件で無罪であることがよく分かった。生徒が座ったことを処罰できないから、直前の藤田氏の行動を犯罪に仕立てようとしている。ああいう人が校長をしている、子どもたちの不幸と絶望的な状況が情けない。」とコメントされた。
次回は、9月29日(木)13:30~東京地裁104号法廷で。
北爪校長への反対尋問90分、田中教頭への主尋問120分の予定。
台風一過残暑の厳しい午後、本日も地裁最大の104号法廷を傍聴人が埋め尽くしました。
本日は、検察側の重要証人の一人、板橋高校校長北爪幸夫氏への、主尋問と反対尋問でした。
1,証拠の採用
弁護団側提出の、「意見書」「弁2号証~87,89号証」が、裁判所に採用された。
(報告集会での猿田弁護士の説明では、公安主導の異常な捜査手法や、マスコミ・都議会などで事件として取り上げられていくプロセスなど、事件の背景を立証する証拠類で、裁判官が読んでくれることだけでも大きな意味があるものだそうです。)
2,検察側主尋問(13:35~)
Q=鈴木裕治検事、A=北爪幸夫証人
Q:卒業式の、学習指導要領上での定めは?
A:特別活動、儀式的行事に、「国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする」とある。
Q:10.23通達&実施要領で変わったことは?
A:従来より具体的になった。
Q:それを受けて板橋高校では?
A:厳粛な卒業式を行うため、国旗は正面壇上に、国歌も全員が起立して歌うことにした。
Q:来賓や保護者にも同じと考えるか。同じにしてもらう意味は?
A:列席の大人が、全員起立する教育的意義は大きい。
Q:学校の管理権限は誰にあるか。その根拠法令は?
A:校長にある。学校教育法第28条及び東京都管理運営規則に基づく。
Q:主催者は誰か。来賓・保護者にも指示を出せると思うか?
A:主催者は校長。進行上、来賓・保護者にも指示に従わせることが出来る。
Q:来賓の範囲は?
A:板橋区選出の都議4名、学校運営評議員、PTA役員、直近の転出者。
Q:被告は、当初の予定に入っていたか。
A:前の週の木曜に、本人から出席したいと電話があり、招待状を送った。
Q:土屋都議の出席が決まったのはいつ?
A:藤田氏からの電話の後の頃。
Q:都教委から指導主事が来るのはなぜ?
A:①祝意を述べるため、②10.23通達に従って適正に行われているか監督するため。
Q:指導主事は何人来たか。普通の人数か。
A:朝からは5名。通常は2名。増えたのは、藤田氏・土屋都議・TBSの取材が入り、不測の事態を心配して、都教委に相談に行ったから。
Q:TBSの取材が決まったのはいつ?
A:3/9(式の二日前)に電話で依頼があった。
Q:取材目的は?どのような打合せがあったか?
A:土屋都議を追う形の取材。自宅~学校~式場で、来賓席に着席するまで。生徒や保護者の顔は撮らない約束。
Q:当日の段取りは?
A:9:30までに保護者・在校生入場、9:45来賓入場、9:50卒業生入場、10:00開式。
Q:10:00前に、卒業生入場が終わったら、時間前でも始めるのか。
A:列席すべき人間が揃ったら、時間前でも始めるつもりだった。
Q:開式が遅れることは予想していたか?
A:していない。スケジュールには余裕があり、遅れることは想定していない。
Q:来賓を式場に案内した時間は?異常を伝える通報はいつ?
A:9:40頃、廊下に並んだら、佐々木指導主事が知らせに来た。
Q:式場に入ったのはいつ?何を見たか?
A:時計を見たわけではないが、9:43分頃のはず。式場ほぼ中央で演説していた。
Q:どのように対処すべきと考えたか?
A:許可なく、大声で呼びかけるのは、厳かな雰囲気を台無しにするので、退去してもらおうと思った。
Q:被告の体に触ったことは?
A:右手で上腕部を軽く握ったら、「触るんじゃないよ」と大声で拒絶されたので、それ以降は触っていない。
Q:素直に退去したか?
A:会場全体に聞こえる大声で、不当性を訴えていた。
Q:どう感じたか?
A:保護者の面前で辛かった。困って、早く何とかしなければと焦った。
Q:どのように退去させたか?
A:体に触らないよう、ジェスチャーと言葉で、押し出すようにした。
Q:土屋都議と被告との接触は?
A:1m以内に接近し、土屋都議は「何だお前は」「管理責任者は追い出せ」と言った。
〔休憩 15:05~15:20〕
開式の遅れは、事後に5分程度と聞いたが、もっと長い時間と感じられた。
卒業式終了後、当日(3/11)午後、3年の担任から事情聴取を、校長・教頭で行った。
翌日(3/12金)午後、板橋警察署が「新聞報道を見て、事件性があるか」と来校した。
警察が帰った後、担任5名が校長室に来て、前日の事情聴取を一部訂正した。
その日の午後、指導主事2名が来校して、相談をした。
「被害届」は、3/26午前中に、佐々木指導主事と2名で、板橋警察署に行って出した。
事前に教室を回ったことが「建造物侵入罪」に、会場で騒いで時間のロスを発生させたことが「威力業務妨害罪」に当たると説明された。
来賓として呼ばれた人のやる行為としては非常識であり、都教委に対する個人的反対意見を板橋高校の場で表現されたのは大変迷惑であり、厳正な処罰をお願いしたい。
3,弁護側反対尋問(16:05~)
Q=大迫恵美子弁護人、A=北爪幸夫証人
Q:当日午後の事情聴取は、都教委の指示か?
A:質問項目は都教委が決め、それに従って私と教頭で聞き取りをした。
Q:何を聞いたのか。
A:藤田氏のことと、生徒の大半が着席したことで担任がどう関わっているか。
Q:担任に、本件のことを聞いたか。
A:聞いても意味がない。担任は、その時会場にいなかったのだから。
Q:本件のことを、担任以外の人に聞くことを、当日中に行ったか。
A:そんなゆとりはなかった。指導主事の作成した質問事項は、生徒の不起立が中心。
Q:卒業式のトラブルで、何が一番問題だったのか。生徒の不起立ではなかったのか。
A:都教委作成の質問事項を見て、そんな感じがした。
Q:不起立の理由で分かったことは?
A:多くの生徒は、つられて坐ったと聞いた。最初に坐った生徒は、教頭の聞き取りに「自分の意志で坐った」と答えた、と聞いた。
Q:多くの生徒が、つられて座ったことに、思い当たることはないか。
A:ない。
Q:TBSの取材を、制限して、生徒を撮らせないことに決めた理由は?
A:生徒がカメラを意識して、ふざけて厳粛な雰囲気を乱すことを恐れた。
Q:プライバシーの観点から、強く反対した教師もいたか?
A:「カメラが式場から出ない限り、絶対に生徒を入れない」と、職員会議で約束した。
Q:カメラが出てから、卒業生を第一待機場所から移動させる手はずは?
A:取材陣の誘導係を事務職員に決めて、そこから連絡するはずだった。
Q:総責任者として、校長から何らかの指示が出たか。
A:藤田氏との対応に夢中で、TBSのことは二の次だった。
Q:主尋問で、「押し出した」、と答えていたが、ただ藤田氏について歩いていっただけではないか。
A:それは言葉の綾だ。
Q:格技棟前に、担任の一人が「校長、早く入れ」と怒鳴り込んできたのは、こんなことを簡単に処理できない校長へのいらだちだったのではないか。
A:そうではない。私に対してと言うより、その場にいる皆に腹立たしかったのだろう。
16:55終了。
…大迫弁護人の鋭い切り込みに拍手喝采を送りたくなりました。それにしても、主尋問の時とはうって変わって、女性弁護士の反対尋問には、大きな声を張り上げて威圧的に応ずる北爪証人の姿に、傍聴席は一様に呆然となりました。なんだコイツ!
4,報告集会その他
今回は、ルポライターの鎌田慧氏が傍聴しており、感想を求められて、
「冤罪事件で無罪であることがよく分かった。生徒が座ったことを処罰できないから、直前の藤田氏の行動を犯罪に仕立てようとしている。ああいう人が校長をしている、子どもたちの不幸と絶望的な状況が情けない。」とコメントされた。
次回は、9月29日(木)13:30~東京地裁104号法廷で。
北爪校長への反対尋問90分、田中教頭への主尋問120分の予定。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます