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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

安倍教育政策NOネットが集会

2015年03月24日 | こども危機
 ◆ 「道徳」学習指導要領改定は危険
永野厚男(教育ライター)

 小中学校の道徳"特別教科"化、今年の中学教科書採択について、「安倍教育政策NO・平和と人権の教育を!ネットワーク」が主催し3月5日、都内で集会を開いた。
 文科省は道徳の指導内容について、
   ①主として自分自身に関すること(自主自律、個性伸長等)、
   ②主として人との関わりに関すること(思いやり、友情等)、
   ③主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること、
   ④主として集団や社会との関わりに関すること
 の順だったのを、改定学習指導要領で③④を入れ替えた。
 講師の聖心女子大学・鶴田敦子元教授(教科書ネット21)はこの問題について、「多くの人は①②は良いと思っているが、文科省が①②と④をつなげてしまった意味を考えてほしい」と切り出した。
 ④には「公正・公平、社会正義、勤労」の他、「国を愛する心をもつ」などの"徳目"も入る。
 文科省は全小中学生配布の『心のノート』(『私たちの道徳』の前身)で、「身近な人々への愛・感謝から愛校心・郷土愛に、そして愛国心に」という流れに児童生徒を誘導する記述をしている。
 文科省が「生命尊重」を口にしながら、前記③を後回しにしたことに、「人間より国家を重視する」政治的背景が読み取れるのだ。
 この問題について、鶴田さんは「指導要領にある『生命の尊さ』は、現行・改定とも崇高なものとしての命の理解にあるようだ。しかし『生命の尊さ』は『生命への権利』『平和』を貫いてはじめて実体化される。だが、指導要領には『生命への権利』も『平和』も記述がない」との分析を加えた。
 また、改定指導要領は現行の「国を愛する心をもつ」の文末に「こと」の2字を入れた(他の徳目でも同様)。役所用語で「……すること」は「……する」より強い指示。
 このことついて、鶴田さんは特定の価値観を押し付けることは、道徳教育が目指す方向の対極にあるもの」と明記した中教審答申との矛盾を指摘、「指導要領に示す内容は絶対的価値である、という文部官僚の考えがあるように思える」と述べた。
 鶴田さんは最後に、自民党が14年の衆院選公約で、高校にも"公共"と称する道徳教育の教科を新設すると主張したことについて、"国防の義務"を盛った同党改憲案との関連性を指摘し、「国家共同体を支える人材作りのように思える」と、警鐘を鳴らした。
『週刊新社会』(2015/3/17)

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