☆ 処分発令抗議・該当者激励四者総決起集会 3月31日(火)
13:30 全水道会館5F中会議室(JR水道橋駅東口・都営三田線水道橋)
◎ 都教委1・24議決批判 ~最高裁判決の曲解・悪用
都教委が2012.1.16最判の直後1月24日に「委員総意の下」として発表した文書には、いくつもの重大なまやかしやすり替えがあり、教育の普遍的理念を歪めるものである。教育行政の責務は、人類普遍の原理である人権に立脚した「教育への権利」(the right to education)の実現でなければならない。
1,「教育の目的」で一番大切な「平和と民主主義」を消し去る非常識
<1.24議決から> 「教育の目的は、人格の完成と、国家や社会の形成者の育成にあることは普遍の原理であり、」
都教委は、教育基本法の「教育の目的」から、知ってか知らずか「平和で民主的な」を消し去っているが、「平和と民主主義」こそ国際社会の普遍的な「教育の目的」である。
【教育基本法 第一条(教育の目的)】
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
【ユネスコ憲章 前文】
戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない。
【ユネスコ教員の地位に関する勧告 パラグラフ3】
・・・これらの諸価値の範囲の中でもっとも重要なものは、教育が平和の為に貢献をすることおよびすべての国民の間の、そして人種的、宗教的集団相互の間の理解と寛容と友情にたいして貢献することである。
2,国際社会でrespectされるためと称して、「国旗国歌」を強制する非常識
<1.24議決から> 「国際社会で尊敬され、信頼され、世界を舞台に活躍できる日本人を育成しなければならない。そのためには、・・・国家の象徴である国旗及び国歌に対して、正しい認識をもたせるとともに、我が国の国旗及び国歌の意義を理解させ、それらを尊重する態度を育てることが大切である。」
外務省HP掲載の日本が批准している6つの国際人権条約の中で何が「respect」の対象になっているか、文科省の国際課に質問し調べてもらったところ、「人権」「自由」「多様性」等10数項目数えられたが、「国旗・国歌」は皆無であった。(2013.8.26 全国学習交流集会)
人権を尊重し、国際人権機関の勧告を誠実に守ることこそ、respectされる最優先の条件である。
【世界人権宣言 26条(教育の目的)】
2 教育は、人格の完全な発展並びに人権及び基本的自由の尊重(respect)の強化を目的としなければならない。教育は、すべての国又は人種的若しくは宗教的集団の相互間の理解、寛容及び友好関係を増進し、かつ、平和の維持のため、国際連合の活動を促進するものでなければならない。
3,専門職である教員の責務を、「国旗・国歌の指導」に矮小化する非常識
<1.24議決から> 「入学式、卒業式等においては、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導することが、学習指導要領に示されており、このことを適正に実施することは、児童・生徒の模範となるべき教員の責務である。」
教員の責務とは、子どもの教育を受ける権利を充足する立場として、自らの専門性と自主性に基づき、国民全体に直接責任をもって、内外の教育法規に掲げられた「教育の目的」を実現することにある。
【ユネスコ教員の地位に関する勧告(1966)】
パラ6 教育の仕事は専門職とみなされるべきである。この職業は厳しい、継続的な研究を経て獲得され、維持される専門的知識および特別な技術を教員に要求する公共的業務の一種である。
パラ63 一切の視学、あるいは監督制度は、教員がその職業上の任務を果たすのを励まし、援助するように計画されるものでなければならず、教員の自由、創造性、責任感をそこなうようなものであってはならない。
4,「自由な雰囲気を作り出す」教育委員会の責務を放棄している非常識
<1.24議決から> 「都教育委員会は、この最高裁判決の趣旨を踏まえつつ、・・・学習指導要領に基づき、各学校の入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱が適正に実施されるよう、万全を期していく。」
戦前との違いは、教育が「臣民の義務」から「国民の権利」に変わったことであり、都教委の責務は、「平和で民主的な」教育を実現するために、教員がその能力を十分発揮できるよう事務を執行すること。
【アメリカ教育使節団報告書(1946) 序論から】
教師の最善の能力は、自由な空気の中においてのみ十分に発揮せられる。この雰囲気を作り出すことが行政官の仕事なのであって、その反対の雰囲気を作り出すことではない。
5,最高裁判決を一面的に決めつけ曲解する非常識
<1.24議決から> 「校長の職務命令が合憲であることは、平成24年1月16日の最高裁判決でも改めて認められたところである。」
人権の「間接的な制約」に当たるとされたり、累積加重処分が取り消されたことなど殊更に無視をして、司法判断を謙虚に受けとめ慎重な衡量的配慮に基づく謙抑的な対応を取るどころか、判決をねじ曲げ再処分や再発防止研修の強化など追い打ちを掛けるような人権侵害は許されるものではない。
【岡田正則教授『3次訴訟鑑定意見書』(2013年9月)】
仮に起立自体が職務上の義務であれば、そもそも起立を命じる職務命令を発する必要はない。都教委が自認している通り、本件通達が各教員に対して職務命令を発出して起立行為を命じることとしたのは、起立行為を職務上の義務にするためである。
◎ 国際条約の遵守と国連勧告の尊重 ~尊敬され信頼される日本人であるために
【国連人権委員会第6回日本審査『総括所見』パラグラフ22 (2014年7月24日)】
「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約
22 本委員会は、「公共の福祉」の概念は、曖昧で、制限がなく、規約の下で許容されている制約を超える制約を許容するかもしれないという懸念を改めて表明する。(2条、18条、19条)
委員会は、以前の総括所見(第5回審査パラ10)を想起し、規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件を満たさない限り、締約国が、思想・良心・宗教の自由や表現の自由の権利に対していかなる制約を課すことをも差し控えるように強く要請する。
この「パラグラフ22」は、東京都の卒業式関連で2つのNGOから国連に提出した、「思想・良心の自由」と「表現の自由」との侵害を報告したカウンターレポートに対する国連からの応答である。
①人権制約には国際基準の規約18条・19条3項を満たすこと、と具体的に示された。
(国内法における「公共の福祉」や「君が代最高裁判例」は人権制約条件として事実上否定された)
②国際基準を満たさない「思想・良心の自由」に対するいかなる制約も許されない。
(「いかなる制約」に行政による通達・命令が含まれることは言うまでもない)
③司法判断においては、国際基準の「厳しい条件」による「厳格な審査」が求められる。
国連勧告を尊重してこそ、初めて国際社会で尊敬され信頼される日本人と言えるだろう。
『卒業式・入学式を前に 職場のとりくみのための資料集』(卒業式・入学式対策本部 2015.2.14)
13:30 全水道会館5F中会議室(JR水道橋駅東口・都営三田線水道橋)
◎ 都教委1・24議決批判 ~最高裁判決の曲解・悪用
都教委が2012.1.16最判の直後1月24日に「委員総意の下」として発表した文書には、いくつもの重大なまやかしやすり替えがあり、教育の普遍的理念を歪めるものである。教育行政の責務は、人類普遍の原理である人権に立脚した「教育への権利」(the right to education)の実現でなければならない。
1,「教育の目的」で一番大切な「平和と民主主義」を消し去る非常識
<1.24議決から> 「教育の目的は、人格の完成と、国家や社会の形成者の育成にあることは普遍の原理であり、」
都教委は、教育基本法の「教育の目的」から、知ってか知らずか「平和で民主的な」を消し去っているが、「平和と民主主義」こそ国際社会の普遍的な「教育の目的」である。
【教育基本法 第一条(教育の目的)】
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
【ユネスコ憲章 前文】
戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない。
【ユネスコ教員の地位に関する勧告 パラグラフ3】
・・・これらの諸価値の範囲の中でもっとも重要なものは、教育が平和の為に貢献をすることおよびすべての国民の間の、そして人種的、宗教的集団相互の間の理解と寛容と友情にたいして貢献することである。
2,国際社会でrespectされるためと称して、「国旗国歌」を強制する非常識
<1.24議決から> 「国際社会で尊敬され、信頼され、世界を舞台に活躍できる日本人を育成しなければならない。そのためには、・・・国家の象徴である国旗及び国歌に対して、正しい認識をもたせるとともに、我が国の国旗及び国歌の意義を理解させ、それらを尊重する態度を育てることが大切である。」
外務省HP掲載の日本が批准している6つの国際人権条約の中で何が「respect」の対象になっているか、文科省の国際課に質問し調べてもらったところ、「人権」「自由」「多様性」等10数項目数えられたが、「国旗・国歌」は皆無であった。(2013.8.26 全国学習交流集会)
人権を尊重し、国際人権機関の勧告を誠実に守ることこそ、respectされる最優先の条件である。
【世界人権宣言 26条(教育の目的)】
2 教育は、人格の完全な発展並びに人権及び基本的自由の尊重(respect)の強化を目的としなければならない。教育は、すべての国又は人種的若しくは宗教的集団の相互間の理解、寛容及び友好関係を増進し、かつ、平和の維持のため、国際連合の活動を促進するものでなければならない。
3,専門職である教員の責務を、「国旗・国歌の指導」に矮小化する非常識
<1.24議決から> 「入学式、卒業式等においては、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導することが、学習指導要領に示されており、このことを適正に実施することは、児童・生徒の模範となるべき教員の責務である。」
教員の責務とは、子どもの教育を受ける権利を充足する立場として、自らの専門性と自主性に基づき、国民全体に直接責任をもって、内外の教育法規に掲げられた「教育の目的」を実現することにある。
【ユネスコ教員の地位に関する勧告(1966)】
パラ6 教育の仕事は専門職とみなされるべきである。この職業は厳しい、継続的な研究を経て獲得され、維持される専門的知識および特別な技術を教員に要求する公共的業務の一種である。
パラ63 一切の視学、あるいは監督制度は、教員がその職業上の任務を果たすのを励まし、援助するように計画されるものでなければならず、教員の自由、創造性、責任感をそこなうようなものであってはならない。
4,「自由な雰囲気を作り出す」教育委員会の責務を放棄している非常識
<1.24議決から> 「都教育委員会は、この最高裁判決の趣旨を踏まえつつ、・・・学習指導要領に基づき、各学校の入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱が適正に実施されるよう、万全を期していく。」
戦前との違いは、教育が「臣民の義務」から「国民の権利」に変わったことであり、都教委の責務は、「平和で民主的な」教育を実現するために、教員がその能力を十分発揮できるよう事務を執行すること。
【アメリカ教育使節団報告書(1946) 序論から】
教師の最善の能力は、自由な空気の中においてのみ十分に発揮せられる。この雰囲気を作り出すことが行政官の仕事なのであって、その反対の雰囲気を作り出すことではない。
5,最高裁判決を一面的に決めつけ曲解する非常識
<1.24議決から> 「校長の職務命令が合憲であることは、平成24年1月16日の最高裁判決でも改めて認められたところである。」
人権の「間接的な制約」に当たるとされたり、累積加重処分が取り消されたことなど殊更に無視をして、司法判断を謙虚に受けとめ慎重な衡量的配慮に基づく謙抑的な対応を取るどころか、判決をねじ曲げ再処分や再発防止研修の強化など追い打ちを掛けるような人権侵害は許されるものではない。
【岡田正則教授『3次訴訟鑑定意見書』(2013年9月)】
仮に起立自体が職務上の義務であれば、そもそも起立を命じる職務命令を発する必要はない。都教委が自認している通り、本件通達が各教員に対して職務命令を発出して起立行為を命じることとしたのは、起立行為を職務上の義務にするためである。
◎ 国際条約の遵守と国連勧告の尊重 ~尊敬され信頼される日本人であるために
【国連人権委員会第6回日本審査『総括所見』パラグラフ22 (2014年7月24日)】
「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約
22 本委員会は、「公共の福祉」の概念は、曖昧で、制限がなく、規約の下で許容されている制約を超える制約を許容するかもしれないという懸念を改めて表明する。(2条、18条、19条)
委員会は、以前の総括所見(第5回審査パラ10)を想起し、規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件を満たさない限り、締約国が、思想・良心・宗教の自由や表現の自由の権利に対していかなる制約を課すことをも差し控えるように強く要請する。
この「パラグラフ22」は、東京都の卒業式関連で2つのNGOから国連に提出した、「思想・良心の自由」と「表現の自由」との侵害を報告したカウンターレポートに対する国連からの応答である。
①人権制約には国際基準の規約18条・19条3項を満たすこと、と具体的に示された。
(国内法における「公共の福祉」や「君が代最高裁判例」は人権制約条件として事実上否定された)
②国際基準を満たさない「思想・良心の自由」に対するいかなる制約も許されない。
(「いかなる制約」に行政による通達・命令が含まれることは言うまでもない)
③司法判断においては、国際基準の「厳しい条件」による「厳格な審査」が求められる。
国連勧告を尊重してこそ、初めて国際社会で尊敬され信頼される日本人と言えるだろう。
『卒業式・入学式を前に 職場のとりくみのための資料集』(卒業式・入学式対策本部 2015.2.14)
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