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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

岡田正則教授講演で「学問の自由」の意義と世界に開かれた議論への道筋を語る

2021年09月18日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  《『大阪ネットニュース』から》
 ◆ 第11回「日の丸・君が代」問題全国学習交流集会と文科省交渉
大阪ネット 井前弘幸

 第11回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会が、集会実行委の主催で7月18日に東京都内で開催されました。翌日には、文科省交渉も行いました。全国集会にはリアル参加とオンライン参加を合わせて約百名が参加しました。来年の第12回全国交流集会は、同時期に大阪で開催することも確認されました。
 ◆ 岡田正則教授講演と全国からの闘いの報告

 集会は、岡田正則さん(早稲田大学教授)の講演「『日の丸・君が代訴訟』とこれからの日本の政治文化~学術会議会員任命拒否問題を含めて~」から始まりました。
 岡田さんは、訴訟に関わる意見書を50本以上も執筆してきたといいます。行政法の研究者として、行政裁量をコントロールすべき裁判所が果たすべき本来の役割の問題について書いてきたと言います。
 それは、教育で言えば、本来独立機関としての役割を果たすべき教育委員会が、行政機構に従属して違法な行動を取っていることへの批判です。
 例えば、2018年7月19日最高裁判決「本件職務命令に違反する行為は、…再任用職員として採用した場合に、同様の非違行為に及ぶおそれがあることを否定しがたいものとみることも、必ずしも不合理であると言うことはできないから…、(不起立を)他の個別事情の如何に関わらず特に重視すべき要素であると評価し、・・(再任用)不合格の判断をすることが・・著しく合理性を欠くものであったということはできない。」を例示し、根拠をまともに示すことができないから、訳の分からない「二重否定」「四重否定」の論理で政治権力に忖度する結論を導く裁判所の現状を厳しく批判しました。
 岡田さんは、思想及び良心の自由、学問の自由、教育を受ける権利の保障の重要性を強調し、「歴史と知性を顧みる社会、世界に開かれた社会へ」向かう闘いへの共同を講演の最後に呼びかけました。
 午後からは、全国各地からの闘いの報告です。3部に分けられ、「報告Ⅰ 東京の闘い」では、09年停職6月処分処分を取り消す最高裁逆転判決の根津公子さん、被処分者の会から不起立処分取消第5次訴訟原告団、国連自由権規約委員への東京からの通報レポート(東京・教育の自由裁判をすすめる会国際人権PT)等があり、「報告Ⅲ 全国の闘い」では、宮城、千葉、神奈川、愛知、広島、福岡からの報告、教科書をめぐる闘いの報告、小学校養護教諭分限免職撤回訴訟、オリパラ反対、オリパラ教育と子どもたちの動員強制開題等が報告されまレた。(「報告Ⅱ」が大阪です。別記事を参照してください。)
 参加者は最後に「コロナ感染下での「日の丸・君が代」強制とGIGAスクール構想による『人材カタログ』教育に反対する」決議を採択し、銀座に向けてデモ行進を行いました。
 ◆ 文科省交渉-命よりも「命令」優先の官僚たち

 翌日は、文科省交渉を行いました。事前に提出していた
   ①大阪府・市の教育政策に関わる質問(コロナ禍の松井大阪市長対応、不起立3回で免職、大阪府のテスト漬け教育、合理的配慮の否定)、
   ②教育問題全般に関わる質問(安倍全国一斉休業要請、教員免許更新制、GIGAスクール構想、新学習指導要領、児童生徒のオリパラ観戦動員、教科書「従軍慰安婦」記述)、
   ③「日の丸・君が代」強制と人権に関わる質問(コロナ禍の君が代強制、国際人権と学習指導要領、国連自由権規約委員会への日本政府対応)の3つの柱毎に、文科省からの回答と質疑の形で行われました。
 しかし、文科省側から責任ある回答は皆無に等しく、卒業式等の現場で臨機応変な介助等が必要な児童生徒への対応にも、「いざという場合には校長が職務命令を解除することによって対応ができる」と驚くべき回答を行いました。文科省官僚たちの意識では、「命」よりも「命令優先」が当たり前のようです。実行委員会は、全体についての再質問を準備しています。
『「日の丸・君が代」強制反対、不起立処分を撤回させる大阪ネットワークニュース』(2021年9月5日)
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